根暗な空手少女あかり5話「中学生になったあかりが電車通学で痴漢にあって・・・」
あかりは中学校に進学した。
近所の小学校から、少し離れた中学校へ。
初めての電車通学。
制服姿でリュックを背負い、朝のラッシュアワーに乗る毎日。
満員電車。体が密着するくらいの混み具合。
あかりは最初、ドキドキしながら乗っていた。
(中学生になって、制服着てる……なんか大人っぽくなったかも。
でも、電車って怖い。みんな無表情で、押しつぶされそう。
道場で強くなったけど、ここではただの女の子……
根暗な部分、まだ残ってる。
誰とも話せないし、隅っこに寄りかかってるだけ。
でも、空手続けてるから、少しは自信ついた……よね?)
ある朝。
またいつもの電車。
スカート姿のあかりは、吊り革につかまって立ってる。
突然、後ろから手が……スカートの上から、お尻に触れる。
最初は「混んでるからかな」と思ったけど、明らかに意図的。
指が這うように動く。
あかりの頭の中、爆発。
(え……何これ……痴漢……!?
心臓がバクバク……怖い……体が固まる……
小学生のときの露出狂思い出した。
あのとき、みんなと一緒に蹴り飛ばせたのに……
今は一人……声出せない……周りの人、気づかないの?
私、根暗だから、大きな声出せないかも……
でも、道場で学んだこと……金的蹴り……護身術……
あのときの感覚、足に残ってる。
「堂々と!」って師範の声が聞こえるみたい……
私、変わったはず……中学生になった今、逃げちゃダメ……
恥ずかしい、怖い、怒りが湧いてくる……この人、許せない!!
好奇心とかじゃなくて……本気の怒り……
男子の弱点、知ってる。私、女王だったのに……
ここで、堂々としてみせる……!!)
あかり、深呼吸。
体を少し後ろにずらして、相手の位置を確認。
後ろのサラリーマン風のおじさん。無表情でスマホ見て、こっそり触ってる。
(今だ……!)
あかりは肘を軽く後ろに振りながら、足を素早く上げて――
後ろ向きの金的蹴り!(道場で練習したバリエーション)
ドスン!!
クリーンヒット。
おじさん、「ぐえっ!!」って変な声出して、膝から崩れ落ちる。
周りの人がびっくりしてスペースができる。
あかり、振り返って大声で。
「この人、痴漢です!! お尻触ってきました!!」
声が震えてたけど、出せた。
周りの女性たちが反応。
「え、痴漢!?」
「捕まえて!!」
おじさんは顔真っ青で股間押さえてうずくまる。
次の駅で駅員さんが来て、連れて行かれた。
あかりは震えながら座席に座って、涙が出そうになった。
(やった……私、一人でやれた……
怖かった……体が熱くなって、吐きそうだった……
でも、蹴った瞬間、爽快だった。あの露出狂のときみたいに。
根暗な自分が、また一歩蹴り飛ばせた……
中学生になって、新しい世界だけど……
道場の教えが、守ってくれた。
私、もっと強くなれる……堂々として、誰にも負けない……)
学校に着いて、友達(道場じゃなくて学校の)に少し話したら、
「すごい! あかり、かっこいい!!」って褒められた。
それから、あかりは電車でより警戒するようになったけど、
心の中は少し明るくなった。
(これが、私の新しい一歩……
内面の闇、まだあるけど、蹴りで光を入れていくよ)




