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暴風と目覚め

無事熊中を倒した蒼空は現在…


「どこだここ?」


蒼空は極度の方向音痴だった


「あぁ…マジでさ……」

(なんで迷って都市から草原までくんだよ!!)


なんと蒼空は迷って大草原に来ていたのである


(えぇ……)

「やばい何も無い、目印も何も……終わった」


蒼空は絶望で途方に暮れていた

そこからしばらく歩いていると


(あれは?)


蒼空の目の前には小さな小屋が見えた


(誰かいるかな…)


蒼空は微かな希望の元、小屋の中に人がいるか確認しに行く


「すみません誰かいますか?」


……反応は無かった


「なんだよ誰もいねぇじゃんか」


蒼空は心底ガッカリした


ガタッ


「?!」


小屋の中から音がした


「な、なんだ?やっぱ誰かいる?」


…やはり反応はなかった


「はぁ…なんかあるなら入るか

食料とかだと嬉しいな」


蒼空はとりあえず小屋の中に入ってみた


キィィィ…


かなり年季の入ったドアだ


「お邪魔しまー…?!」


蒼空は目の前の状況を理解するのに数秒ほどかかった


「すぅー…すぴぃ…」


寝ている人がいた。それも……


「冬華…さん?」


なんと同じクラスメイトである飛来 冬華が寝ていた


「あ、あの…起きてください」


声をかけても冬華は起きなかった

何故だと思っていた蒼空だったが何となく勘づいていた


「多分技と武器を決めてるのかな」

「ふにゃにゃ…」


冬華は高そうな水色のワンピースを着ながら気持ちよさそうにぐっすり寝ている


「はぁ…どうしようか。ここで待機かそれとも放置してどっか行くか、うーん…迷うな」


蒼空が迷っていると…


スゴゴゴゴゴ!!


大きく小屋が揺れた


「うぉわ!や、やば…地震?」

「そいつは地震じゃないぜ」

「?!」


突然屋根から声が聞こえた


「俺は夜柄志(よがらし) 伶斗(れいと)

(よわい)17、武器はギター、技は(ウィンド)

風を自在に操れんのさ!」


髪全体を横に流して黒いジャケットを着ているいかにもナルシストのような男は言った


「さぁ、名を名乗れ!そこの陰キャ野郎!!」

(今の世界では人の事を煽るのが流行ってんのかな?)


蒼空は切れそうな気持ちを心の内にしまいながら


「戌井 蒼空です年齢15、武器は鎖、技は…」

(技名どうしよう…)


蒼空は技名をまだ考えていなかった


「うーん…技…技はドローン、刃の着いたドローンを召喚できます。自己紹介は終わりです、戦闘を始めましょう」

「お、おう、随分物分りの良い奴だな…てかその見た目で15?!身長何センチだ?」


蒼空は答えるか迷ったが…


「…すぅー…146です!!」


蒼空は低身長だった


「なんか…聞いてすまなかったな」


だが間違われても仕方がない

身長146、体重34、

見た目はブカブカで灰色のフード付きパーカーを着ている、顔は童顔

子供と間違われても仕方がない


「ま、まぁいいとりあえず戦闘を始めよう」


そう言うと伶斗は自慢のギターを鳴らし風を起こした、戦闘開始の合図だ


ブフォー!


強風に乗り伶斗はこちらへ翔んでくる


「オラァ!」

伶斗は手に持っていたギターを振りかざした


ガギィン!


何分間戦ってもギターは蒼空には当たらず全て地面に当たった

そして


「そろそろ当れぇぇ!」


ゴワァァン


伶斗のギターは地面にひび割れるほど思いっきり叩きつけた


「クソ、どこ行きやがった!」


蒼空は伶斗が地面に刺さったギターを引き抜いているうちに強風で舞った土に隠れて小屋の裏へ隠れていた


「あ、危なねぇ」


(奴のギターは当たったらやばい、でも攻撃後の隙をつけば何とかなるか?いやダメだ近接戦闘を挑んでも僕の体格じゃ確定で負ける…)


蒼空が対処法を考えていると


「見ぃつけたぞぉ!」


蒼空は見つかってしまった


「やば…」


蒼空は全力で逃げて体勢を整える


「はぁはぁ…」


(どうすれば…周りに建物もないから前のような作戦は使えない

奴は風に身を任せて前にしか進めないことが唯一の弱点だ

誰も対処のできないような速さ………そうか!!)


蒼空は何かを思い出したかのように立ちどまり


「お前は速すぎる!

それが弱点だ!!」


「は?急に何を言い出すんだ?イカれた?

まぁそんな事はどうでもいい…死ねぇ!!」


「鎖とドローンを使った応用技!!」


ガキィン!!


鎖罠(トラップ)!!」


鎖罠(トラップ)】蒼空とドローンで鎖を張り相手を引っ掛ける簡易的な罠を作る

蒼空の応用技である


「?!!まずい!止まれぇぇぇ!!」


ゴワァァン!!


伶斗は罠に掛かる直前でギターを地面に突き刺し止まった


「あっぶねぇ!!」


(ドローン!今だ!!)


ブォンブォォン!


ドローンは相手に刃を向けた


(ウィンド)!!」


ブフォ!!


「おっと危ねぇ、発想は良かったが、そんなヤワな攻撃じゃ当たりはしねぇぞ」


(ダメだ当たらない、何か他の方法は…)


蒼空は必死に考えたが何も思い浮かばなかった


「もう手の内は明かしてしまったかならば次はこちらだ

変則突風(ランダムウィンド)!!」


ジャラァァン!!


今回はギターの音をいつもより長く大きめに鳴らした、Eコードである


「今回は軌道が違うぜぇ!」


伶斗は左右に曲がりながら蒼空の元へ寄ってきた


「オラァ!」


ガギィン!


(どうすれば対処出来るんだ?一瞬でまっすぐ翔んでくることもあれば曲がりながら少し遅めに翔んでくる時もある

今までの戦いからなにか使えるものは……!!

あるぞ!!)


蒼空は立ち止まりかつての熊中を思い出し


「かかってこいよぉwナルシストw」

「は?急に黙ったと思ったら煽ってくるとかふざけてんのか!!あと俺はナルシストじゃねぇ!ガキが!死ねぇぇ!!」


そう言うと伶斗はギターを思いっきり縦に振り下ろした


ガギィィィン!!!!


ギターは地面に深く刺さった


「うげっ!ギターが抜けない」

「掛かりましたね」

「クソッ、挑発で攻撃を誘ったのか…

こうなったら仕方がない」


伶斗はギターから手を離し


「逃げろぉぉー!!!」


伶斗は全力疾走で逃げていた


「逃がしません!いけ、ドローン」

「まずい!風!!全速力で逃げてやるぜ!!」


ブォンブォンブォンブォンブォン


「その風を使えるのはあなただけじゃないですよ!」

「まじかよ、ドローンの方が速ぇのかよぉ!」


人間は成人男性平均で時速13kmに対し、ドローンの時速は約40kmでありツキノワグマやヒグマと同速である


「この速度なら逃げれないはずです!」


ギュルギィン!!


「あがっ!うぅ」


速度の上がったドローンは伶斗のアキレス腱を勢いよく切った


「これじゃ逃げられないどうすれば…

あ、えぇと蒼空!1つ言うことがある」


伶斗は必死に叫んだ


「なんですか?それは」

「現在この世界ではデスゲームが行われているが、シヴァはルールは無いと言っただろ

チームを組んでも良いわけだ、俺たちと同盟を組まないか?」


伶斗は同盟契約を結ぼうとしてきた

だが…


「僕はあなたと一緒に行動するつもりはありません、それと『俺たち』とは他に誰がいるのですか?」


蒼空は重要な事に気づいた


「俺は既に組織に入っている。ここで俺を殺したらお前は組織にバレて殺される

だからお前の命を守るために俺らの組織に入らないかと言ったんだ。

どうだ?説明を聞いて少しは入る気になったか?」


蒼空は少し考えた素振りをした後にはっきりとした声で…


「すみませんが、僕はあなた達の組織に入る予定はありません、理由は…共に行動する人を決めたからです」


そういうと蒼空は小屋の方を見る


「そうか…残念だなじゃあ一思いに思いっきり殺ってくれ」


伶斗は今から自分が死ぬとわかっていても平然を装っていた


「そうですか…殺されると思ってるんですね」

「は?今から殺すんじゃ無いのか?」


伶斗はとても動揺していた


「いえ、なんか殺すのにまだ慣れてなくて…」


蒼空は苦笑いをしながら言った


「そうか…なら俺は……」

「逃げて大丈夫です

それと今回はどういった要件でこちらに?」


蒼空は伶斗の組織について少し聞こうとした


「任務だよ…近くの都市から爆音がなったから調査しに行けって、そしたら男の死体が見つかったんだ、男の死体から血の痕跡が続いていたからその痕跡を辿って行ってここに着いた

まぁそれがどうしたんだ?」

「なるほど、ならば今回の件に関して

犯人は見つからなかったとだけ報告してください」

「?それで本当にいいのか?俺が約束を破って報告する可能性だってあるんだぞ」


伶斗は少し困惑していた


「それだけで大丈夫ですよ」


その時


ギィィ


ドアの音がした


「ふぁぁ…おはよう」

「?!」


蒼空と伶斗は驚いた表情で小屋の方を見る


「ん?あれ蒼空くんじゃんやっほー、それとぉ…あ!あなた私のk…」


「お、おおおお俺はそろそろ帰ろうかなじゃあな!!」


伶斗は動揺しながらも風に乗り飛んで行った


「あららー行っちゃったねぇ」


蒼空は驚いて上がった心拍数を落ち着かせるために1拍置いてから


「冬華さん?起きたんですね」


「あれ?寝てるとこ見られてた?恥ずかし!」


冬華の顔が少し赤くなった


「それより、目覚めたってことは今、武器と技を決めていたんですよね」

「ん?」


冬華が不思議そうな顔で言う


「目覚める?私1週間前からずっとここにいたよ?」

「え?」

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