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ロケットスタート

前アカウントのリメイク版第2話です

「うぅ…痛たい……っは!!ここは?」


目を開けた蒼空は世界の変わり果てたその光景に驚いた


建物はほとんど半壊状態となり、草木が生い茂っている

かつての渋谷のスクランブル交差点だ


「は?どうなってんだよ」


そんなことを言っていると


ドザッ


裏の草むらから音がした


「??!!?!!」


蒼空は咄嗟に後ろを振り返った


「……何もいない」


蒼空が安心して前を向いた時……


「あれれ〜、こんな所にカモはっけーんw」


目の前には金髪でピアスを開けているいかにもチャラそうな男性が現れた


「なんだお前、誰だよ」


蒼空がそういうと


「自己紹介ぃ〜?だったらさぁwまずは君から名乗りなよぉw常識だよぉw」


男は煽るような口調で話してくる


(ムカつくなこいつ)


蒼空はそんな感情を心の奥にしまい彼の言葉に従う


「分かりました…戌井(いぬい) 蒼空(そら)、15歳です。

先程目が覚めたらここにいました」


そう蒼空が言うと…


「そっかぁ君今目覚めたばかりの『ガキ』なんだねぇwお兄さんがぁ、新しいこの世界のルール教えてあ.げ.る.よぉw」


(実にうざい話し方だ殺意が湧いてきた)


「この世界はねぇ、殺しがダメだなんてそんな古臭いルールは無いんだよぉ、神が言った通り、殺し合いを全生物がしているんだぁ」


とてもうざい口調の男性はそういうと、何かを思い出したかのような顔をした


「そうだぁ、自己紹介がまだだったねぇ、」


そういうと男はコホンと1回咳をして表情が急変し、声が低くなり説明を始めた


「俺は熊中(くまなか) 余宮(よみや) 18歳、武器はスニーカーで技はロケット…内容は触れたものをロケットみたいに飛ばす事だ…よし!自己紹介終わり!!

それじゃあ今から殺しまぁすw」


熊中は手を地面につき走り出すクラウチングスタートだ

そして熊中はスーパーカーのような速さで蒼空の元へ突進してきた


(速い!?…技?なんだよそれ意味わかんねぇよ、僕武器持ってないし…)


「ほぉらほらほらwあれれぇw逃げてばっかりだねぇwあっ、そっかぁまだ目覚めたばかりなんだったねぇw武器の出し方分からないのかぁw教えてあげるよぉw」


すると熊中は立ち止まってコホンと咳をして表情を変え、低い声でまた説明を始めた


「眠ってた時に出てきた白い光を思い出してみな、形が変わったあれだ

あと技の出し方な、自分の感情を表に出してみろ、『何も隠さずに』だ」


(何を言っているんだ?感情?光?)


蒼空がそんな事を考えていると


シュッ!


熊中は戦闘時の声と顔に戻り襲ってきた


(っ!危ねぇ

光を思い出す…光…光……光は…確か、紐みたいなやつだ

紐…いや鎖か?)


ジャリ…


蒼空は違和感のあった左手を見てみる


「っ?!」


蒼空の手には長さ50cm程の鎖があった


「鎖…これが僕の武器」


熊中は驚くような表情をしてまたすぐに気味の悪い笑い顔に戻った


「…長が……て……るぜ……」

(?何を言っているんだよく聞こえなかった)


そして熊中はフッと笑い


「そ…その武器で俺を倒せるかなぁw」


熊中はいつも通り煽ってきた


(気のせいか)

「殺していいんですよね?熊中さん」


そういうと蒼空は鎖を思いっきり振り上げた。


だが熊中はその素早さで攻撃を全て避けた


「wやっぱ技も使えないようなやつじゃ俺は倒せねぇよ」


なんでも煽ってくる


(感情を表に…何も隠さず……)


そんなことを考えてから蒼空は一息ついて…


「はぁ…僕はおまえを殺す

そしてこの世界を支配する」


「はぁwww、君みたいな?ガキが?w

俺を殺して?ww世界征服だぁ?wwwww

舐めてるの?w

ふぅ………………………

無理に決まってんだろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


熊中はキレた表情で蒼空の前まで突撃してきた


「チッ……やって見ねぇと分かんねぇだろ…」


蒼空が心の底からムカついたその時


ブォンブォンブォンブォン


上空から機械のような音がした


「は?」

「はぁ?」


二人が上を向くとそこに現れたの刃のようなプロペラの付いた一機のドローンだった


「これが君の技かぁ…へぇ面白いねぇドローンかぁ」


(分からない…あれは僕のなのか?分からないだけど、なんか)


「今なら戦える気がする」


蒼空はそういうと鎖を斜めに振り下ろした

それと同時にドローンが熊中に接近して刃のようなプロペラで攻撃する


ブォン!ザッ!


少しは攻撃が当たるようになるもやはりあの俊敏さには勝てそうになかった


「やっぱり追いつけないねぇw悔しい?w今追い詰められててw」


追い打ちをかけてくる


(何かあの素早さには理由があるはずだ…どこだどこにある………?!!)


「お見通しだ」


蒼空は熊中のトリックに気づきそのままの勢いで作戦を実行する


(やつはクラウチングスタートの瞬間スニーカーに小石を詰めて技のロケットを使いそのままの勢いでこちらに蹴りを入れてくる

ならばその燃料を無くせばいい)


蒼空は小石にめがけて思いっきり鎖を振り続けた


シュ!ジャリ!!


「もしかしてぇトリックに気付いちゃったぁ?そっかぁなら殺さないとねぇ!」


そう言うと熊中は1度距離を取りもの凄い勢いで手に持っていた小石を弾いた


ボォン


その飛ばされた小石はロケットのように素早く接近し蒼空の手を少しかすった


「あ〜あ当たんないかぁじゃあ”必殺技”だね」


熊中はポケットに入れた小石の半分をスニーカーにもう半分を服の中に詰め込み……


爆投石機(フライカタパルト)!!」


ブォォン!!!


熊中はジェット機のようなスピードで空を飛び始めポケットから小石を飛ばし空爆をしかけてきた

それに対応するように蒼空は鎖を振り続け

ドローンに熊中を追跡させた


(やばいこのままじゃ防戦一方だ

殺られる、どうにかしなければ……時間はもうない、あのスピード、逃げることは出来ない……いや行ける!これなら!!)


そう思った瞬間蒼空は近くの草むらに走った


「もしかして逃げようとしてるぅ?頭おかしくなったぁ?無理だよぉ俺から逃げるのは」


熊中による空爆がさらに激しくなる


ボォン!!ボゴォン!!!


幸いにも熊中は”こちらに集中しているにもかかわらず”空爆の命中率は低かった


ザザッ

蒼空は間一髪で草むらに入り建物の影に隠れながらそのまま熊中の見えない死角へと走る


(急げ!!)

「はぁwなんで草むらに隠れたのぉ?意味ないよねぇwあはははh…うわぁぁぁ!!」


ボガァァァン!!!!


爆発音のような音がビルからなった

熊中は見事蒼空の作戦に引っかかったのだ


「よし!あの速さのまま直撃すれば当然…」


大きな音が鳴り止み砂煙が舞う

そこには全身血だらけの熊中 余宮が倒れていた

「痛ってぇぇぇぇ!誰か!!た、助けてくれぇ」


(まだ生きてるのかよしぶといな)


蒼空はそんな事を思いつつ


「僕の方ばっかり向いて前を向いてないからこうなるんだよ、よそ見運転はしないって来世まで覚えておくんだな」


そういうとブォンブォンと大きな音を立てながらドローンがやってきた


「逃げられたら困るし逃げないように縛らなきゃ」


蒼空は熊中を鎖で縛り上げた


「あぁ、あぁぁぁぁ!やめてくれお願いだ!煽ってしまったのはそのちょっとした好奇心で…」


熊中は必死に弁解したが意味はなかった


「じゃあ縛ったからあとはドローン、よろしくね」


そう言い放し蒼空は後ろを向き去っていった


ブォンブォンとドローンが熊中の首めがけてゆっくりと近づくと、


ザシュ!ジャギギギギ…


鈍い音をたてながら憎き熊中の首から上を八つ裂きにした


蒼空の心の中には少しの罪悪感が残った…

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― 新着の感想 ―
この小説を読んで、とても引き込まれました。荒廃した渋谷という舞台設定が印象的で、そこで突然目覚めた主人公・蒼空の混乱や葛藤がリアルに伝わってきます。チャラそうな敵キャラクター・熊中とのやりとりは緊張感…
熊中というキャラクター初戦のくせにクセがあって、最終回まで忘れることのなさそうなキャラです。
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