表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「きみ」を愛する王太子殿下、婚約者のわたくしは邪魔者として潔く退場しますわ  作者: 間瀬


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/30

8 レア=怖い子の公式ができた瞬間

 一睡もできませんでしたわ。

 徹夜……結果としてそうなってしまいましたわね、眠すぎますわぁ……。


「お嬢様おはようご――もう起きてたんですか?」


 ちょうど伸びをしていたところに、レアが入っていらっしゃいましたわ。


「あ、ええ、少々」

「あれ、その顔、寝てませんよね?」


 ギクリ、ですわ。


「な、なんのことですの?」


 自分で言っておきながら、説得力皆無ですわね。

 視線が泳いでおりますもの。

 ですが仕方がないのです、一度気を抜いた相手には警戒しようとしてもできないのですもの。


「寝不足で顔色悪いですし、なんて言うんでしょう、気だるげな色気? がただよってて、あ、寝不足だ~ってわかるんですよ」


 この方、どんどん遠慮がなくなってきていらっしゃるような気がいたしますわ。


「セリーヌが専属だった頃からずっと、入眠まで三秒もかからなかったのに、今日に限って寝れなかっただなんて……なにか、あったんですか?」


 ベッドの脇に膝をつき真っ直ぐな目で見上げてくるレアに、思わず口が動いておりましたわ。


「愛が……ない、のですわ……」

「……は?」


 唖然とした顔の彼女に、ゆったりと微笑んで、告げましたの。

 およそその表情に合わない内容を。


「ラファエル王太子殿下には、愛するお方がいらっしゃるのですわ」

「……」


 沈黙――まあ、そうなりますわよね。

 昨日までラファエル王太子殿下のことできゃあきゃあ言ってはしゃいでいたのですもの。


「申し訳ございません、わたしもそろそろ耳が遠くなって耄碌してきたのかもしれません」


 あ、そちらに現実逃避いたしますのね。

 耳が遠くなっただとか耄碌しただとか、まだ十代なのですから無理がありすぎではないこと。

 仕方がないですわね、もう一度教えて差し上げましょう。


「ラファエル王太子殿下には、愛するお方がいらっしゃるのですわ」

「……ぁあ?」


 ヒィヤァァァァァァ!

 ち、地を這うような低い声……初めて、聞きましたわ……。

 威圧感……怖い、恐すぎる、ですわ……。


「レア、意外とガラが悪いのですわね……」

「猫かぶってますから」


 あら、さらっとそれを言ってしまうのですわね。


「それで、そんなことをお嬢様に吹き込んだのはどこのトチ狂ったガキ――コホン、人間ですか?」


 もうガラの悪さを隠そうともしないのですわね。

 まあ、信頼されていると受け取ればなんてことないのですわ。


「吹き込まれたのではなく、直接その現場を見たのですわ」

「……ラファエル、殺す」


 またそんな低い声を――って、い、いくらなんでもそれは言ってはなりませんわ。

 王族を呼び捨てにするのも、殺人予告するのも、バレたら終身強制労働か死罪ですわよ!


「失礼しました。では、なにがあったのか教えてください――洗いざらい、吐いてください」

「……わかりましたわ……」


 ガラが悪すぎますわ……。

 一部始終、包み隠さず教えたところ……とても低い声で悪態をついておりましたわ……。

 ところどころわからない言葉があったのは、きっと、下町の言葉が混じっていたからですわね。

 レア、怖い子ですわ……。

27, 04 2025

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ