放課後カーニバル
本文末尾の問いの答えは、本当に募集しています。
「聖女っていったい、なんじゃらほい?」
あまり真剣に立てた問いではなかったかもしれないが、
郁子の頭からはしばらくこの素朴な疑問が離れなかった。
「あ、おったわ。同クラに聖女。すげーのおったわ。」
そういえば、実際に会ったことある女の子の中で聖女っていえば
こいつしかいないよなー、そんなクラスメイトのことを忘れてた。
白金薬子である。彼女は誰もが二度見三度見せざるを得ないほどの
超絶わがままボディを誇る、とても仲のいいクラスメイトだった。
「土偶の生まれ変わりかよ、おめーはよ!」などと誰もが心の中で
激しいツッコミを入れながらも、圧巻のボディの前にひれ伏していた。
郁子は陽キャというほどではないが、場面に応じたやりとりはそつなくこなす。
逆に薬子は陰キャというほどではないが、どちらかといえば引っ込み思案である。
学校の方針はエキュメニカルなので個々人の宗派などは特に問われないのだが、
郁子は比較的プロテスタントに、薬子は比較的カトリックに親近感を持っていた。
郁子は文系だが数学が好きだった。薬子はリケジョで物理などが得意だった。
とにかくそういった諸々の要素が歯車のようにかみ合い、二人は仲良しだった。
「薬子!久しぶりにあれやろーよ、あれ!放課後あそこに集合な!」
別に久しぶりでもなく、週一ほどのペースで二人はカラオケに通っていた。
郁子は歌が好きだった。コントロールが微妙で上手というほどではなかったが、
声量や声域が豊かで楽しげに歌う。薬子も歌が好きだった。好きではあるのだが、
とんでもない音痴だった。リズムも音程もめっちゃくちゃで、だが、そこがいい。
このカラオケ会のことを、郁子は謝肉祭と呼んでいた。なぜなのか。
それは、揉み放題だからである。飲み放題ではない。揉み放題である。
郁子は男性の身体には遠慮があるのだが、女性の身体にはなぜか容赦がない。
学校などではさすがにやらないが、密室で二人きりになればこっちのものだ。
バインバインのボディにお触りし放題のカーニバルの始まりだ!うっひょー!
そして、薬子のバブみは海より深いのでそんな乱暴狼藉も許されるのだった。
「薬子さー、聖女ってなんだと思う?
私が思うに、お前のことなんじゃね?」
「えー、よくわかんないよ。とりあえず
さわるか話すかどっちかにしてほしいな。」
「薬子さー、口ではそう言ってるってだけで全然
いやがってないじゃん。やっぱり聖女なんじゃね?」
「じゃあ、別にそれでもいいかな。郁子の
聖女でいいよ。だからさわる方に集中して。」
このあとめっちゃくちゃ激しくセ(自主規制)したとかしなかったとか。
そういうわけで、今日の謝肉祭もとても充実したものになったのであった。
謎はあまり解けた感じはしなかったが、一つの答えを得たような気もする。
そして郁子の頭には、新たな疑問が浮かぶのだった。
「音痴と痴女って、もしかしてなんか深い関係とかあるんじゃね?」
この問いの謎は、未だに解けていない。
エレガントな解答をお待ちしております。
知ってる人が見たらすぐにバレたとは思いますが、
白金薬子のモデルはVTuberの白銀ノエルさんです。
彼女の歌はほんといいですよね。シャカビーチやば。
https://youtu.be/3cWiuFPaK7k?si=Hlvhim7KUH-J-49g
あと薬子というネーミングは、「斉木楠雄のΨ難」をヒントにしました。
ビジュアルイメージは「葬送のフリーレン」のフェルンが合ってるかな。
https://www.pixiv.net/artworks/118831733
イメージソングはNicki Minaj「Va Va Voom」です。
これもぜひノエルさんの歌で聴いてみたいですね。
https://youtu.be/3U72hzeBLOw?si=k-9QIBL9iiVB5ep-