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神学ガール  作者:
12/15

ムーンライト聖女伝説

揺れていた(物理)。

郁子は下着の入った包みを薬子から受け取る。


「薬子、ありがとう!私、一生大事にするからね。

下着のことも、お前のこともな!それはそれとして、

私からも薬子にかわいい下着をプレゼントしたいな。」


「え?でも…」


郁子は右手の人差し指を立てて、

そっと薬子のくちびるに当てる。

薬子は言葉を遮られてしまった。


「薬子はさ、そんな規格外のボディを既存の型にハメようとしたって、

そりゃあうまくいかないよ。ドラクエにもいたじゃん。褐色お姉さん。

それにどっかのクレイジーピエロも言ってたよ。伸縮自在の愛だとか。

妖怪にもいたな。白くてひらひらしたやつ。私の言いたいこと、わかる?」


薬子はくちびるを塞がれたまま、小さく首を傾げる。


「私たちの国にはさ、由緒正しい伝統の下着があるでしょう?

ジャパニーズ・ふんどしとかいう、最強のやつ!これである。

薬子は太鼓の達人だから衣装としても完全にマッチするしさ。

それに、正直いって私はそういうやつの方が興奮しちゃうね!」


薬子はくちびるを塞がれたまま、ぽかーんとしている。


「そういうのわりと流行ってるから、ここでも売ってるしさ。

私が選んでプレゼントしてあげるね。試着はしなくていいよ。

私はどっかのクレイジーピエロみたいに我慢強くないからね!」


薬子はくちびるを塞がれたまま、頬を染め、小さく頷いた。



月明かりの下、マスクを外し、二人は帰り道をトコトコ歩く。


「ねえ、郁子はさ。キスはもう、したことがあるの?」


「ん?ないよ。こう見えて純情可憐な乙女ですもの。」


「よかった。私もしたことないんだ。じゃあ、私が郁子の

聖女として、初めてを捧げてもらっても、いいんだよね?」


「え?まあ、うん。そういうことになるのかな?」


その返事を聞いた瞬間、薬子の目が妖しく光る!

光の速さでおでことおでこをくっつけ、両手を

郁子の首の後ろに回す。郁子はもう逃げられない!


「え?ちょ、待てよ。薬子ちょっと落ち着けよ。ンゴ!」


郁子はくちびるを塞がれて、もう一言も言えなかった。


(く、薬子やめるのだ!それ以上いけない!

そこは激しく出し入れする穴じゃないのだ!

お、おんぎゃあああああああああああああ!)



ほへー。死んじゃうかと思った。

郁子は満面のアへ顔になっていた。


「ねえ、郁子。私たちは、女の子同士だから。

どんなに激しく愛し合ったって、処女のまま。

純潔をずっと保ったままで、いられるんだよ。

これって考えてみたら、すごいことじゃない?」


郁子は満面のアへ顔をしている。返事ができない。


「こんなのってもう、永久機関のようなものだよね。

今日だって、本当はもっといいところに連れていって

あげたかったんだけど、さすがにもうおなかいっぱい。

これからもいっぱい遊ぼうね。約束だよ。じゃ、またね!」


郁子は満面のアへ顔をしたままで、小さく手を振った。

そしていくぶん冷静さを取り戻してから、こう考えた。


最後にすんごいパンチラインをドロップしてったな。

私よりも薬子の方が、ラッパーに向いてるんじゃね?

ダブルMCもありかもな。紅葉先生DJもいけそうだし。

ふたたび新しい扉を開いちゃったのかもしれないなー。


郁子の奇妙な冒険は、まだまだ続きそうである。


俺たちの戦いはこれからだ!


(ひとまずここでひと段落。続きの予定は未定です。

ご意見、ご感想などあれば謹んでお待ちしております。)

イメソン。

ルナシー「gravity」

https://youtu.be/3HT_XIX5Pqg?si=DLCOTUp490yc2WKZ


聖装薬子のビジュアルイメージ。

ふんどし姿のジャストなやつは見つからなかった。

https://www.pixiv.net/artworks/125523546


必ずしも意図的にこういう話にしたってわけではないんですが、

気がついたら深く影響されていたなって漫画をここにいくつか。


「ゆりキャン」

「女子高生の無駄づかい」

「悪いが私は百合じゃない」


いずれもギャグがキレッキレで

とても面白い作品です。オススメ。

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― 新着の感想 ―
うわあ……ついにここで。 とりあえずなろうの許容範囲ですね、きっと。 百合でもなんでもこの際いいや。郁子も薬子も仲いいし。 そういえば数年前の入院の時、自らLを自称していた女子高生?がいた。 私はどう…
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