表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神学ガール  作者:
1/15

聖女って、何なん?

教えてエロい人!

三条郁子は、高校一年生。


首都圏内のとある中高一貫の女子校に通っている。

世間ではけっこうなお嬢様校だと言われているが、

郁子の家庭はそれほど裕福だというわけではない。


クラスのリアルガチお嬢がしているブランド物の話には

あまりついていけないし、あまりついていく気もない。


両親もそれほど教育熱心というわけではなかったのだが、

図書室で本を読むのが好きで、勉強もわりと好きだったので

いい学校に進学することになり、入学した。そんな経緯である。


郁子の戦場は、小学生の頃から図書室だった。

化粧っ気もなく、長い黒髪を二つ結び、三つ編みなどもせず

そのままお下げをぶら下げている。外見的には絵に描いたような地味子で、

オタク女子そのものである。けれどいわゆるオタク趣味というわけでもない。


クラスメイトからはBL本などをオススメされることもよくある。

しかし、それは郁子の趣味ではなかった。男に無関心なのではない。

郁子にとって男性の身体というのは秘密の花園のような聖域なのだ。


もちろん彼氏などできたことはない。だから、郁子は男性の身体を

なんとなく、どこか尊いものだと考えていた。簡単に消費できないのだ。


とはいっても、郁子も一人の年頃の女性である。性欲も人並にある。

図書室で数式などを眺めていると、うっとりした気分になることがある。

人から見たらかなりの変人だが、郁子はそれを変だとも思っていなかった。


そんな気分が高まりすぎて、どうにも我慢ができなくなったとき。

彼女はYouTubeにアクセスする。そして藤井風の「まつり」のMVを見る。

動画の途中で、藤井風が人差し指を立てた右手を前方に突き出す場面がある。


郁子はその瞬間がたまらなく好きだった。

普段はめったに大声など出さないが、そのときばかりは

心の中で「キャー!ギャー!うぎゃー!好きー!」などと絶叫する。


そして妄想する。

ほへーといったアへ顔丸出しで、軽くヨダレを垂らしながら妄想する。


「ああ、この人差し指に、パクッと食いつきたい。

それから藤井さんにコラッ!って叱られたい。

できればパチン!ておしりも叩かれたい。

憧れてしまいますわ、憧れてしまいますわ!」


普段は使わないお嬢様言葉まで飛び出す始末である。

変態といえば変態だが、清楚といえば清楚ともいえる。

ともかく郁子というのは、そういう女の子なのであった。



さて、そんな郁子が最近、気になっていることがある。


「聖女って、何なん?」


魔女ならまあ、わかる。魔女っ子が活躍するアニメなどはいくらでもある。

けど、聖女ってなんだろう。近頃、ラノベのタイトルなんかでよく見るけど。


世界史に残る聖女。まずは聖母マリア。

キリストを処女で出産。なるほど聖女だ。


それに、ジャンヌ・ダルク。母国フランスに

数々の勝利をもたらした女傑。なるほど聖女だ。


あとは、なんだろ。カトリックのシスターとか、

看護師さんが、一般的には聖女ってこと、なの?


郁子の学校はミッション系なので、一応は聖書の授業もある。

けれど、それを真面目に聞いてるクラスメイトなんて全然いない。

郁子より勉強が得意な子もいる。だからって聖女って感じでもない。


「聖女って何なんやろね。結局よくわからんね!」


ちなみに郁子は行きたい大学や、大学で

やりたいことは特に決まっていなかった。

お茶の湯聖女大学の神学部なんていいかも。

となんとなーく考えているくらいである。


「聖女ってよくわかんないけど、よくわかんないんなら

大学でそれについて勉強してみるのも一つの選択肢なのかな。

そしてあわよくば聖女の中の聖女、聖女帝に、私はなる!なんちゃって」


などと意味不明な供述を心の中でする。

気づけば図書室の外はすっかり暗くなっていた。


家に帰って夜ごはんを食べよう!

それからまた数式を眺めたり好きな音楽を聴いたりしよう!


そんないつもと同じような一日が、今日も過ぎていくのであった。

モデルというか思いついたきっかけはサガエメラルドビヨンドという

ゲームに出てくる、八条郁子ちゃん(愛称は八条の姫さん)ですね。

https://wikiwiki.jp/sagadic/%E3%80%90%E5%85%AB%E6%9D%A1%20%E9%83%81%E5%AD%90%E3%80%91


あとビジュアルイメージとしてはデート・ア・ライブに出てくる

時崎狂三ちゃんです。もちろん霊装ではなくて、制服姿のときの。

https://www.pixiv.net/artworks/108846019


本文全体のイメージソングとしては、小島麻由美「先生のお気に入り」かなー。

https://youtu.be/TIPtvgQRZNE?si=ZgPsE7lB57UT6Hri


この回に教師は出てこないので、先生のところに藤井さんを代入する感じで。

藤井風「まつり」

https://youtu.be/NwOvu-j_WjY?si=VWg7O5jaJBreIEJa


こんな女の子が実在していたって、おかしくはないですよね。ほへー。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ