ピンぼけ俯瞰
私は絵。作者のフィルターを通して四角く切り取られた風景画の1人。
真夜中の近所の道路はこんなに明るくは無い、しかし作者の目には、作者の脳では、作者の腕では、作者の指先では。
秋暮の午前3時の道路の真ん中。国道から来る車なんて皆無な時間帯で、作者はスマートフォンを横にしフラッシュ無しで2枚撮った。
遠くの車の音すら聞こえてくる静かな道で、歩いていた私にハッキリと聞こえたカメラの音。
その後私は直ぐに走り去ったが、写真になった私は自分のスマートフォン画面で顔面が明明と照らされていた。ニートで常人らしからぬ生活をし真夜中を闊歩したからこんな事になったのだろうか。けど照らされたすっぴんが、写真になり絵になったあとならもう恥ずかしさなんて微塵も思わない。
むしろ絵になった私は風景画故、遠近法の作用によって私の顔はかなり適当になっていた。肌の色の明度は高いが。
そんなもんなんだ。
ニートな私を心配するのは親だけで
遠くから見れば私の恥ずかしさなんて適当になる。
私の心理は幽体離脱したままだから、悲惨な現状もぼやけて見えてるのさ。