007 紡ぎ守る思い
一応メインのあっちの筆の進みが悪くてこちらの投稿が3、4ヶ月ぶりになっちゃいました。
お互いの仕事から、1週間が過ぎ、5月になった。
俺は、今笑音の仕事に同伴している。と言うのも、歌うのは笑音だけでいいのだが、仕事先から、人は多い方がいいと言う話だったので。
ということで、今いるのは地元民にも観光客にも人気のバーベキューも楽しめる緑豊かな公園、ノスタルジックガーデン。
きているメンバーは、俺と笑音。涼夜、そして笑音のマネージャーの叶正 波琴さんの4人だ。波琴さんは、一応海璃のマネージャーもしているベテランの方だ。
例の涼夜との関係を疑われてる人だが、多分眉唾物だろう。10歳差、いや、今年で9歳差になるしね。
「はー、広いな………話には聞いていたが、こんな広いとは…」
「来たことないの?あると思った。ちなみに、私はあるよ。」
「うん、ないな。」
「昔、行ったことある。夢歩は、当日風邪で来れなかったけど。」
「あははっ、そうだったな。思い出した、小二の時だよな。」
「うん、そう。」
「ははっ、懐かしい。」
懐かしさで、笑いがこぼれる。
元々、俺自身がこうゆう所に行きたいって言うような人間では無いからな。なんやかんやで、来ることもなく、今に至るわけだ。
と、どうでもいいな、そんなことは。
野外でのライブ経験って地味に無いんだよね。それに関しては羨ましかったりは少しするけど。
程なく歩くと事務所に着いた。波琴さんが扉をノックすると、スタッフが出てきた。
仕事で来た旨を伝えると奥へと通される。
中の2部屋を控え室代わりにしていいということで、俺と涼夜、笑音と波琴でそれぞれ部屋を使うことにした。
「じゃあ、また。」
「うん、また。」
夢歩と別れて、楽屋に入る。
事務所内にあり、よくイベントもしているということで、私が行ったことある中ではなかなか広くていい楽屋な気がする。
「ふー、大丈夫かな…………」
「大丈夫だと思いますよ?チケットは一応完売でしたし、もしかしたら野外ですから立ち見もいるかもですから。」
「それもそっか。」
少し安心してまだ時間があったのでソファーに座る。
と言っても緊張は凄いする。
本番は15時から、今は10時なのでまだまだ余裕があるが準備だけはしっかりとしとく。
ストレッチとかはしっかりとしないとね。リハーサル自体は昨日のうちにしている。
まだ衣装に着替える訳でもないのであとできることと行ったら、発声練習ぐらい。
「あー、落ち着かない。」
「相変わらず、慣れないね、ライブ。お姉さんもそうだったけど。」
「うーん、そこは姉妹だな。」
そうゆう時期に関しては私はよく知らない。でも、ちょっとお姉ちゃんも同じだったんだって思えて嬉しい。
この後の流れを聞きながら、ストレッチと発声練習をして過ごす。
と、隣の楽屋の扉が開く音がした。あれ、なんかあったけ?
そう聞くと、
「なんでしょうね。私も知らないです。」
そう返されたので、追いかけようかもとも思ったがやめておいた。少しでも今は集中していたいし。
そんなふうに過ごし、早めのお昼も済ませて、衣装に着替えることにした。
その時だった。着替え終わって、そろそろステージに行こうと思っていると扉をノックする音がし、スタッフが慌てた様子で入ってきた。
「どうしたんですか?」
「はぁ、はぁ、機材トラブルで、音が、上手く流れなくなっています。」
「治りそうですか?」
「わかりません。もう1組の、方の方が、協力してくれていますが、はぁ。」
その発言にとても驚いた。機材トラブルもそうだが、ちょっと前に出てったのって……………でも、それにしては前すぎるか。でも、出ていってから戻ってないしな………………………
とりあえず、今は治ることを祈り、楽屋待機になった。波琴さんは現場で詳しく話を聞くと言うことで一緒に出ていった。
時間は刻一刻と過ぎ、2時を迎える………………
◇ ◇ ◇
涼夜の提案に乗って、少しノスタルジックガーデン内を見て回ることにした。楽屋を出て、事務所の人に確認し、外に出た。
「緑が豊かだなー。」
「当たり前。でも、小二の時依頼、僕もきてないから、変わったなとは思う。」
「ふーん、そうなんだ。」
それを聞きながら、ガーデン内を散策する。なんだかんだ久しぶりの自然の気がする。
マスクは一応しているが、案外バレないものだなと安心しながら歩く。ちょっと、複雑だけど。
そのまま、ガーデン内にあるカフェでお昼を食べ、その足でステージを見に行ってみる。
後にして思うと、この時向かってよかったと思う。
向かうと、スタッフが忙しなく動いているが忙しい理由が何処か違うような気がする。
話を聞くと機材トラブルらしいので協力することにした。
とりあえずと言うことで呼ばれてステージに向かう。まだ、完璧では無いらしい。
忙しなくスタッフはまだ動いていて、もう時間がない。人はもう入ってしまっている。3時になってしまう、もう駄目だと思った時だった。
マイクを持った夢歩がアカペラで歌い出した。お客さんは急なことにザワザワし始める。そして、状況説明までもしてくれた。
そして、機材トラブルも解決し私は夢歩からマイクのバトンを渡された。ありがと、と小声で言ってステージに上がって行った。
〈三つ葉のクローバー〉
飾らなくていい そのままで
その方が私たちらしいじゃん
Ah〜〜〜〜
特別を探して 宛もなく探し歩く
意味のなさはとうにわかってる
大丈夫だよ いつもの調子で君は励ましてくれた
バトンは紡がれる 君の応援咲き誇る
飾らなくていい そのままで
その方が私たちらしいじゃん
突き進んでいこう このままで
いつかの日輝いていればいい
在り来りを 重ね続け
私のものにしよう
飾らなくていい そのままで
その方が私らしいじゃん
突き進んでいこう このままで
いつかの日輝いていればいい
三つ葉のクローバー