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ニューオンリーワン  〜ImbalanceSong〜  作者: 好音 コルヴォ
第一曲 始まりと変化 
3/9

002 揺れ動くもの

気づいている人もいるかもしれませんが、夢歩視点と笑音視点が今後に繰り返されて話が進んでいく形式です。混乱させてしまったらすみません。

 新入生歓迎会は大成功だった。だが、笑音にとっては結構大変なことになっていた。新入生歓迎会からは1週間経ったが、少し落ち着いたぐらいで、未だに新1年生に囲まれているのを見つける。無視すると後で文句言われるんだよな。まぁ、ファンサとかのいい練習だろうと俺は言い返してやった。そしたら、何も言い返せなくなっていた。

 俺も、今は忙しいといえば忙しいのである。事務所に行かなくては行けないのだ。

 事務所というのは、涼夜のお父さんが社長をしているところである。名前は芸能事務所レガーロ。笑音も所属している。あっ、あと笑音のお姉さんもか。

 まぁ、お姉さんについては関わり無いからなんとも言えないけどね。


「ん、涼夜。ちょうど良かった。今日、事務所行くから。」

「あっ、そうだな。一緒に行くか。」

「りょーかい。」


 そんな会話をしながら、廊下を歩いているとまた、話題にされて囲まれている。

 よく、1週間も囲めるな1年生も。逆にすごいな。




 あー、もう。なんでこんなに騒がれるのかな?まぁ、それだけ大成功だったって事だけどさ。

 夢歩は、ファンサとかのいい練習だろうっ言ってたし、それには何も言い返せなかったけどね。

 絶対、サインとか上手くなったよ。本当に。

 1番幸いなのは、告白されてないことかな。さすがにそこは、暗黙の了解になってるのかな?

 マネージャー…………………………助けてー

 あ、あれは夢歩さんじゃないですかー。一応話しかけてみるか。


「おーい、夢歩ー。何の話してるの?」

「あ?あぁ、今日事務所行きますって話。」

「ねぇ、この状況、マネージャーに報告しといてよ。」

「………………………やだ。」

「え〜……………」


 ケチだな〜。というか、群衆もあまり引いてないし。

 諦めるかー、そう思った時だった。天は私を見捨てはしなかった。ちょっと言い方大袈裟だけど。

 端的に言えば、夢歩のファンに見つかったのだ。むしろ今まで見つからなかったのはすごいと思う。


「君のお姉さんもファンなの?書くものもう1つあるかな?名前教えて?お姉さんにもサイン書いてあげる。」

「あ、ありがとうございます。一生大事にします。」

「ありがとう。また、ライブとかで会おうね。バイバイ。」

「はい、本当にありがとうございました。」


 誰だあの人……………別人すぎだろ。

 私よりもファンサとかは上手いんだよな。同期なのに。

 でも、だからこそ、私は彼をライバルだ思ってるし、信用してる。

 あれで、まだまだ上に行こうとしてるから凄いと思う。私の気持ちも引き締まるというものだ。

 私もこんな状況だけど頑張ろ。それこそ、練習だと思って。




 何とか、乗りきった。俺のファンとかいたんだ。いや、いないと困るが。

 涼夜、にやにやしてるんじゃない。ったく。

 とりあえず、頬をつねっておく。お仕置だ。


         ◇ ◇ ◇


 ノックをすると、「どうぞ」という渋く威厳に満ちた声が返ってくる。ただ、その声は優しさも秘めているのがよくわかるため、そこまで緊張はしない。

 扉を開け、中に入る。そこには高そうな回転椅子に座りこちらを見る男性がいた。ダンディーな雰囲気を醸し出し、存在感で溢れている。相変わらず、すごい人だ。歳というの完全に味方につけているようだ。

 そしてそんな人物こそ、涼夜の父にして、1代で有名な芸能事務所へと成長させた実力者。芸能事務所レガーロ社長、九頭くとう 治久なおひさ。その人である。

 実のとこなんで呼ばれたのかわかないんだよな。

 まぁ、悪いことではないと思うけど。未だに少し緊張するな。

 社長とは、所属事務所の社長であり、涼夜の父だが、プライベートと仕事は全然違うからな。


「で、話ってなんですか。」

「あぁ、次の仕事についてのことだ。」

「次の仕事と言うと、CMのやつですか?」

「違う、違う。それの次。」

「次、ですか?」

「あぁ、とりあえず何個か候補あるから見てってくれ。」

「それって、普通マネージャーに最初に相談しません?というか、気軽に社長は呼び出さないでください。」

「はっはっはっ。気にするな。後で涼夜にも伝えとくよ。」

「はぁ………社長はそういう人ですからね。諦めます。」


 まったく……………相変わらずだな。

 ちなみに、涼夜には俺のマネージャーをしてもらっている。それでいて、一緒にステージに立ってもらって、ギターやったり、一緒にライブ時のトークだったりで喋ったりしてもらっている。

 作詞作曲もたまに手伝ってくれたり、衣装案や衣装製作もしてくれたりする。

 好きでやってるから気にするなとは言われるが、そのせいで少し頭が上がらなかったりする。

 そもそも、涼夜だけの仕事ではなかったのだかな。もう1人の分も請け負っているものだ。


「仕事、ですか……」

「嫌かね。」

「いえ。ただ、そこまでの余裕がないというのか現実なんで。」

「そこまで余裕ないのかね?君は成績もいいし、スケジュール管理もしっかりと出来てるらしいが。」

「ちょっと、最近昔の夢をよく見るんです。涼夜には相談したんですけどね。まぁ、でも、だったら仕事した方がいいんですけどね。それがあの子との約束を果たす為の唯一の道だから。でも、今はちょっと整理をつける時間が欲しいんです。我儘言ってすみません。」

「はぁー……………出たよ、Mr.不器用。そうゆうのもケアしたりしてくのが事務所ってもんだろ。これとこれと……あっ、これ。笑音に見せとけ。これぐらいなら、笑音でもイメージを損ねない。あいつにも、仕事恵んでやらなきゃいけないだろ。」


 流石、社長だ。せめて、CMだけは頑張ろう。














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