↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/51

【27:誇り高き女魔王は、頑固に言い張る】

 もしかしたら勇者が死んだのは、魔王の攻撃が原因ではないかもしれない。

 そんな衝撃的な話が、魔王・ピースの口から出た。


 60年前のことだから、確かめようもないけれど。

 ジグリットもそう思ったのだろう。


「だがピース。君はさっき、そこに倒れている所長を殺そうとしたな?」


「殺す? なんのことだ? 私は勇者に仕返しをするために『お尻百叩き』の魔法をかけようとしただけだ」


 お尻百叩きの魔法!?

 マジかっ!?


「くたばれ、とは言ったが、あれは言葉の綾だ。お前達でも、そんなことはあるだろう?」


 確かにコイツは、仕返しをする、くたばれとは言ったが、殺すとはひと言も言わなかった。

 それは事実だ。


「なるほど」


 ジグリットは苦笑いを浮かべる。

 魔王の言うことを、信じたようだ。


 そしてジグリットは話題を変えた。


「ところでピース」


『なんだ?』


「さっき君は、勇者は考えられないくらい極悪人だと言ったな?」


『ああ、言ったが。それがどうしたのだ?』


「君は、なぜそう言うんだ?」


『なんだ。貴様は、勇者の極悪人ぶりを知らないのか?』


 剣の中から聞こえる魔王・ピースの声は、俺たちを欺くという感じではない。


 心底、驚いているように聞こえる。


「ああ、知らない。そもそも君と勇者が戦ったのは、俺たちが生まれるずっと前だ」


『あ……』


 魔王・ピースはなぜか絶句した。

 どうしたんだ?


『そうか。君たち人間の寿命は短いからな。私たち魔族は、平均寿命が300歳だ』


 ──えっ?


 そうなんだ。

 長生きだとは聞いていたが。


 ところでピースは何歳なんだろ?

 見た目は人間ならば、20歳くらいのセクシーなお姉さんに見えるけど。


 ……聞かないでおこう。

 もしも、すんげぇおばあちゃんだったりしたら、なんだかショックだ。


「なぜ勇者が極悪人なのか、具体的に教えてくれないか?」


『おい、お前』


「なんだ?」


『とにかくここから私を出せ! そしたら話してやろう』


「それはダメだ。出したらお前は暴れる」


『暴れない』


「いや、暴れるだろう」


『いや、暴れないっ! 私を信じろっ!!!』


「ふーむ……」


 ジグリットは腕組みして、考え込んでいる。

 魔王を剣から出すなんて、そんな危険なことはあり得ない……よな?


「ダメだ兄さん! コイツは魔王だ。私たちを騙そうとしている」


『何度も言わせるなっ! 私は暴れたりなんかしないっ! 私は誇り高き魔王だ! 嘘などつかぬわっ!!』


「はっ? 貴様の言うことなんか、信じられるかっ!」


 キャティはけんもほろろだが、相変わらずジグリットは考え込んでいる。

 そして何かを思いついたように、顔を上げた。


「わかった」


「に、兄さん……!?」


「但し、もし君が暴れ出したら、いつでも再封印できるようにしておく。そのための条件を付けるが、いいか?」


『ほぉ……どのようにするかわからんが、いいだろう。二度も私が封印されるなんてミスはしない。まあそんなことをせずとも、私は暴れはしないがな。言ったとおり、嘘はつかぬのだ! ハッハッハ!』


 いつでも再封印できるために条件を付ける?

 なんだろ?


「わかった。君にはアディとぴったりくっついて座ってもらう。そして手を、アディに握ってもらう」


『ふぇっ……? アディって、そこの可愛い顔をした少年だな……? 彼と……くっつき、手を握るのか? 私が……? ぴっ……ぴったり、とな?』


 ──ん?


 なんだ、今の間は?

 やはりコイツ、俺たちを騙そうとしているのだろうか?


「そうだ。何か問題があるのか?」


『いや……も、問題はない。も、問題はないぞ。いや、むしろうれ……いや、問題はないぞ!』


 魔王のヤツ。

 いったい何回、繰り返してるんだよっ!?


 それに、なにか戸惑うような口調。

 ただし、俺たちを騙してやろうという、邪悪な感じではない。


 コイツの言うことは、信頼できるのか……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 可愛い顔をした少年・・・ おねしょた?w [気になる点] アディって可愛かったのかw [一言] そいや女の子受けは良かったなw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。