会議出席
医務室で処置を終え得た後、クロムをベッドで寝かせ目が覚ますのを待つ。
「それにしても久しぶりね、トム君」
「ご無沙汰してます。ムート先生」
目の前には、神官服を身に纏う、優しそうなお婆さんがいた。
「もう、五年前になるかしらね、あなたがここにいたのは。」
「もう、そんなに経ちますか」
「まぁ、これまでの話はあとで聞かせて頂戴。今回の件でほかにも治療しないといけない人が多くてね、クロムさんのこと頼んだわよ。」
トムは頭を下げ、ムートを送り出す。そのあと、仕切られているカーテンを開け、中にいるマリーに声をかける。
「お前も休め、魔力使い果たしてヘロヘロだろう」
マリーは顔を伏せたまま、クロムの手を握り占めている。
「私がもっとしっかりしていれば・・・・」
トムは呟くマリーの両頬をつねる。
「いふぁい!いふぁいです兄さん!」
「状況は聞いてる、あの状況で火竜が出てくるなんて俺でも予想できない。その前にかなりのモンスターと戦ってたんだろ?なら、お前はよくやった」
トムはそう言いながら手を離し、マリーの頭に手を置く。
「強くなったな、マリー」
そう微笑むトムに、マリーは涙を流し抱き着く。
「怖かったですぅぅぅぅううう兄さぁぁぁっぁああん!ああああああああ」
リルイがマリーの頭の上に乗り頭をなでる。
泣きつかれ、寝てしまったマリーをクロムの隣のベッドに乗せ、トムは近くの椅子に腰かける。すると、医務室の扉が開き、ナタリアが入ってきた。
「トム!マリーは!クロムさんは!」
「二人とも無事だよ、火竜も殺しておいた。しばらくすれば目を覚ますだろ」
トムの言葉を聞き、ほっと胸をなでおろす。
「久しぶりね、トム」
「久しぶり、ナタリア姉さん」
「そうだ!トム、理事長がお呼びよ」
「あぁ、そういえばもともと頼み事しに、ここに来たんだった。」
トムはナタリアの後をついていく、てっきり理事長室に連れていかれると思っていたら、大会議室と書かれた部屋に連れてかれた。中に入ると、学園に所属する全講師がいた。中には、ムートやテロンがいた。トムは、その中に見知った顔が何人かいることに気づき会釈する。上座に眼鏡をかけた女性がいた。トムは彼女に深々とお辞儀する。
「ご無沙汰しています。ライラ叔母様」
「お久しぶりね、トム君、今、今回の件について話し合ってるの良かったら君の意見を聞かせてもらえる」
トムに微笑みかけながら言った。
「かしこまりました。」
そう言いながら、ナタリアの指示する場所に座った。そして長い会議が始まった。
一通り話し終わると、今回使われた魔法はモンスターパーティという魔法で、この魔法はランダムで下位から中位のモンスターを多数召喚し、暴れまわる特徴がある。この魔法の術者は
未だ不明という事だった。終わりに差し掛かり、ライラはトムに話を振る。
「トムは何か意見は無い?」
そう聞かれて、トムは静かにそしてやけに鋭い通る声で言葉を発した。
「とくには」
トムのこの一言を最後に会議は終わった。解散し、トムはテロン、ムート、などの五年前の顔見知りの講師陣にあいさつした後、ナタリア、ライラと共に理事長室に入った。
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