ルール
美しいコバルトブル―の海に囲まれ、白を基調とした建物が建ち並ぶ。港町らしく活気のある声が、そこかしこから聞こえてくる。
「じゃあ、また四日後に頼む」
「おう、それにしてもこんなとこに何の用なんだ?」
「いろいろとな」
トムたちも荷物を持ち、船員たちにお礼を言って下船した。海上とは空気が変わる。下船した全員がトムの前に並んだ。
「じゃあこれから、宿舎に行くんだが……メイリ―について行ってくれ。ダンジョン攻略は明後日だ。それまでに各自必要なものを準備しておくように。メイリ―頼んだ」
トムは、メイリ―に後を頼むと荷物を抱え人込みに消えていった。
「では、皆さんこちらへ」
そういって、メイリ―がメイド服のスカートを翻し、先導して歩いて行く。
たどり着いたのは、白で統一された屋敷だった。庭には色とりどりの花が咲き、プールもある。
「おおぉ!」
貴族ではない、カイリとリク、ミクは目を輝かせていた。他のメンバーも手入れの行き届いた華やかな庭に感嘆の声を漏らしている。メイリーが、玄関を開けると使用人が列を成し出迎える。
「「ようこそお越しくださいました。ごゆっくりお過ごしくださいませ」」
歓迎のあいさつに恐縮しながら、中に入る。メイリ―がドレット達を振り向く。
「こちらは、ヘイカー家が建てたお屋敷になります。お部屋の数に限りがありますので、二人一部屋でお願いします」
メイリ―はそう告げると、中央階段を上がっていく。他のせいともそれに続きながら部屋割りをどうするか話し合う。
「とりあえず男女で別れるか」
「そうね」
「トムはどうするんだ?」
「トム様はここには泊まりません。別のヘイカー家の拠点へ出向いております」
メイリ―は淡々と答える。続けて、マリーに声をかけた。
「マリー様は荷物を置き次第、トム様に合流してほしいとのことです」
マリーは少し暗い顔する。
「分かりました」
「マリー大丈夫?」
「えぇ大丈夫よ。少し思うところがあるだけ」
心配そうなクロムにマリーは笑いかける、
「皆様にもトム様からの伝言を伝えます」
部屋割りを決め、荷物を運ぼうとする面々にメイリ―が声をかける。
「【スイートホーム】に関しての情報収集をする場合、マリー様から聞くことを禁じるとのことです。そして、飲食物は、この屋敷で出された物のみ口にすること。以上2点がトムからの伝言です。」
全員が顔を見合わせる。
「マリーから話を聞けないのは、まぁわかる気がするけど。飲食物はなんでなの?」
エリーゼの質問に、メイリ―はただ首を横に振るだけだ。
「私も詳細は存じません」
「トムが言うからには何かあるんでしょう……とりあえず荷物置いて、また集合しましょう」
リコが少し考えこんでから、全員の顔を見る。他のメンバーも頷いて、自分たちの部屋へと歩き出す。マリーが複雑な顔でメイリ―に駆け寄った。
「兄さんは、【セーブ】ですか?」
「はい、そこにいると聞いています」
「分かりました」
マリーは、駆け足でクロムと同じ部屋に入っていく。メイリ―は、その背を悲し気に見送った。
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