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森精霊エスト

トムは真っ白なローブに身を包み腰には愛刀・白無垢をさして森の中を進む。その後ろを簡易的な装備をしたエリーゼたちが、最後尾に完全武装のマリーといつものメイド服を着ているメイリーがついてくる。


「なぁ、トムは色々な精霊と契約してるんだろ?これから会いに行く森精霊とは契約してないのか?」


そんなドレットの言葉に、トムはあきれながら答える。


「ドレットお前、ルイス先生の精霊学受けたことないだろ?」

「ん?あぁ」

「あんたは・・・・・・」


エリーゼが額に手を当てため息をつく。そんな反応をされ、ドレットの頭には?が浮かぶ。


「森精霊は、他の精霊とは違う。森がある場所には必ず森精霊いて、その森精霊が森を管理する。だからその土地から離れることが出来ないんだよ」

「管理人ってことか。でも契約できないわけじゃないんだろ?植物を操る魔法とかを使うってきいたことあるぞ?」

「そうだな、契約ができないわけではない。けど、たいていはしないよ。森精霊はどの森でも力が使えるわけじゃない。自分の管理する森の中じゃないと力をほとんど使えないんだよ。他の森には別の森精霊がいるからな。契約も代々その森を守る家柄の連中は契約したりしてるけど、俺みたくダンジョンに入ったり、騎士見たく戦争で使うとかはできないな」

「ほぇー結構制約があるんだな」

「あんた、これ中等部で習ったわよ」


エリーゼがため息をつく中、リコも頷いている。


「私もこの前、習いました」


言いづらそうにクロムが言うとドレットは恥ずかしくなり手で顔を覆うそこにリルイが飛んでいきドレットの頭をなでる。


「ドレットちゃんはあれだねーおバカってやつなんだねー」


慰めるのかと思ったら止めを刺しに行ったらしい。ドレットの様子を見てケタケタと笑っている。


「ちくしょぉぉぉおおお」


そう言って走り出そうとしたドレットの服を掴みトムが止める。


「急に走り出すなよ、はぐれるだろ」

「お前は俺に、まだこの空間にいろと言うのか」

「一応危険な場所なんだから」

「でも、さっきから、全然羊を見ませんね」


リコはそう言いながらきょろきょろと見回す。このシープフォレストに入ってから結構な時間がたっているにも関わらず羊がいない。トムもそのあたりは気になっているようだ。


「そうだな・・・・・・おっとついたぞ」

「うわぁ!」

「きれい・・・・・・」

「すごいわね!」

「でっけー!」


木々が開けそこにはひときわ大きな木が鎮座していた。生い茂る葉の隙間から漏れる木漏れ日が幻想的な空間を演出する。心地よい風を頬に感じながら進むと、巨木の前にある切り株に息を呑むような美女が座っている。その翠髪は光を受け、つややかにたなびく。白いワンピースは神聖さすら感じる美しさだ。その女性の近くには通常よりも数倍大きく、立派な角を持つ羊がいる。女生と羊はこちらに気づくと優しい笑みを浮かべ手を上げる。羊も嬉しそうにメェーと鳴いた。


「久しぶりですね、トムそれにマリーも。帰っているとは聞いていましたが、わざわざ挨拶に?そちらの方々は?」

「あぁ、エスト久しぶりだ。こいつらはオレの友人だよ、今アカデミーに通ってるから」

「あら、お初にお目にかかります森精霊のエストと申します」

「ドレットです」

「エリーゼです!」

「リ、リコです!」

「ククク、クロムです!」


全員が緊張気味に答えるとエストは聖母の如く笑みを浮かべ挨拶を受け入れる。


「我はこのシープフォレストに住まう羊たちの長だ。皆からはイスと呼ばれている」


突如として、羊が喋りはじめたことに皆驚くも、リルイだけがイスの目の前に飛び立ちキラキラしためでイスを見つめる。


「すごーい!喋る羊さん!」


そのままイスに抱き着く。


「イスも元気そうだな」

「あぁ、トムはその様子だと万全というわけではなさそうだな」

「やっぱり分かるか」


トムが万全でない事をイスとエストは見抜いた。トムは調子を取り戻すこともこの森に来る目的としていた。


「メイリー、ご飯を広げてくれ。エストにはあれを」


そう言うとメイリーは荷物を下ろし水筒を取り出す。トムは受け取りエストに渡す。


「これってもしや?」

「上級ダンジョン【世界】の水だ」

「ありがとうございます!一度飲んでみたかったんです。【世界】の水はこの世で最も澄んだ美味しい水だと聞いていたので」

「それ飲みながら話をしよう」


トムはそう言いながら、メイリーが準備した昼をみんなと取る。これまでの事、これからの事アカデミーの事などを全員で話しながら和やかな時間が流れていた。




昼も終わり、トム達が帰る準備をしている時、エストはトムに葉っぱを数枚手渡した。


「これを煎じて飲めば、あなたの契約精霊の再生も早まるでしょう」

「ありがとうエスト」

「いえ、ではまた会いましょう」


そう言って別れようと森の外に向かって歩き出したとき、トムはふとエストとイスを振り返る。


「エスト、イス、お前ら・・・・・・誰と戦ってる」


その言葉にエストもイスもバツの悪い顔をする。先ほどまでの温かった空気が途端に冷たくなっていく。


更新が遅くなってしまい申し訳ございません


最後まで読んでくださりありがとうございます!


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