【疑似ダンジョン】攻略戦
マリー達一行は、順調にダンジョンの攻略をしていた。と言っても、どこに罠があるのか、罠探知の方法を持たないマリー達は神経を研ぎ澄ませ細心の注意を払いながら進んできた。石造りのダンジョンには数々の罠が用意されており、これまでに何度か引っかかっているものの、冷静に対処して大事には至っていない。
「ここらへんで休みましょう」
エリーゼは肩で息をしながら言うとマリーも答える。
「そうですね一回休憩にしましょう」
「でもよこのペースだと多分、十五分以内に攻略出来ねーぜ」
「そうだよ!急がないと!」
ドレットとクロムが肩で息をしながら抗議するが、すでに全員慣れないダンジョン攻略で精神的に参ってきている。
「焦る必要は無いと思います」
リコの意見にマリーとエリーゼも頷く。
「どうして?」
「兄さんはこのダンジョン攻略を当面の課題と言っていました。なので、兄さん自身、今日攻略できる組がいるとは、思ってないはずです。全員疲弊している状態で先に進んでも、罠にかかる回数が増すだけです」
「そうか、まさか罠を警戒して先に進むってのがこんなに疲れるとは思わなかった」
そう言いながら、ドレットは腰を下ろし深く息を吐く。
「それは同感ね、一人は罠の解除とかに特化した人がいないときついかも。これで、本物のダンジョンだと、魔物も警戒しなきゃいけないんでしょ?」
「そうですね、昔兄さんと潜った下級ダンジョンでは、戦闘中に罠が作動することもよくありました」
「罠探知は必須だねー」
「まぁ、まだリコがいるから、ましな方だな俺達は」
「いえ、私も見逃してしまう事がありましたし」
そんな風に歓談していると、奥から生徒が必死の形相で走ってきた。ドレットが生徒を止めて話を聞く。
「おいおい、そんな急いでどうした?そっちだと戻っちまうぞ」
「魔物が出たんだよ!この先の開けた場所を探索してたら罠が作動して魔物が出てきたんだ!何が魔物は配置してないだよ!あいつ!」
「魔物?」
全員が首を傾げる中、マリーは嫌な予感がしていた。それは、トムが考える【罠】と【魔物】が果たして一般知識と合致しているかどうかだ。男子生徒は入口へと戻っていく。マリー達は前に進んだ。そこには、一軒家ほどの大きいゴーレムが石でできた棍棒を片手に待ち構えていた。
「マリーちゃんたち頑張ってるねー」
「まぁ、マリーは何度か一緒に潜ってるしな」
トムとリルイはダンジョン内の様子を、空中に映し出し見ていた。その後ろには、ダンジョンをリタイアした生徒たちが積み上げられている。この生徒たちはみんな、途中の罠にかかり死んだと判断された生徒たちだった。全員「大玉が~」とか「落とし穴が~」とかうなされている。
「それにしても良かったのか?」
【土塊】がトムに話しかける。
「なにがだ?」
「なにってこれ、この構造上級ダンジョンの奴だろ?」
「あぁそのことか、良いんだよそれは、そもそも模倣してるの構造だけだし、罠とかは俺の配置だしな、それにこれは教育用ダンジョンだ」
「教育用?」
「そう、ダンジョンってのがいかに危険かを教えるためのな」
「フーン」
【土塊】が何気なく目を投影された映像に向けると自身が作ったゴーレムがいた。
「あちゃーやっちゃったなこのダンジョンで一番の罠作動させちまったな」
【土塊】が頬をかき、笑いながら言う。
「マリーちゃんたち頑張れー!」
リルイが小さな体を大きく振って応援する。まるでスポーツ観戦でもしているかのようだ。
「マリー達はどう対処するのかね」
そう言いながらトムはいつでも助けに入れるように愛刀【白無垢】に手をかけた。
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