昼休み
座学が始まり、トムは鉛筆片手にひたすらメモを取る。参考書がないので、隣に座る女生徒に見せてもらいながら授業を受けた。
「ごめんな、まだ、参考書貰ってないんだ。助かったよ。えっと・・・・・・」
「リコです。リコ・ヘルクス」
眼鏡をかけた女性は、伏し目がちにトムを見る。トムは手を出し、にこやかに答える。
「トム・ヘイカーだ。これからよろしく」
リコは遠慮がちに手を握った。
「よお!あんただったのか編入生って」
「お久しぶりです。トムさん」
ドレットとエリーゼがトムの席に来た。
「あぁ、えっと・・・・?」
「おう!そういえば名乗ってなかったな。ドレット・キャンベルだ、宜しく」
「エリーゼ・ロンバルトです。トムさん昨日はありがとうございました」
「宜しくな。俺の事は呼び捨てで構わないから気軽に読んでくれ」
トムは二人と握手した。するとドレットがトムを昼食に誘う。
「おう、じゃあトム、飯食い行こうぜ」
「いいよ、みんなで食おう」
「良いわね、行きましょう。学園を案内するわ」
三人で話しているとリコが席を立った。
「リコさんも一緒に行こうぜ」
トムは、リコを誘った。
「良いんですか?」
「もちろん、なぁ」
トムが二人に同意を持ち掛けると二人とも頷く。
「あぁ、もちろんだ」
「一緒に食べましょうリコさん」
リコは嬉しそうに三人に続いた。
四人は食堂に向かう中で、トムが思い出したように口を開いた。
「あ、そうだ、俺の妹もいるんだが良いか?」
それを聞いた三人が「もちろん」と頷く。
「そういえば妹さんとは会えたの?」
エリーゼが尋ねるとトムは何でもないような口調で答える。
「あぁ、会えたよ、火竜に襲われてたけど」
「「「な!?」」」
三人がそろって素っ頓狂な声を上げる。
「無事だったのかよ」
「ん?あぁ、火竜の一匹、二匹なんでもねえよ・・・・・・どうした?」
三人の呆けた顔を見て、トムは首を傾げる。
エリーゼがトムの両肩を掴み、強く揺さぶる。
「火竜って、一匹でも都市を壊滅させる魔物でしょ!サイクロプス四体を瞬殺して火竜までって、あなたいったい何者?!」
ドレットがエリーゼを引きはがしにかかると、後ろから声がした。
「兄さん、いったい何をしていらっしゃるんですか」
その声音は異様に冷たく、トムが見ると目だけ笑っていないマリーがいた。
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