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工作員始めました

「…なんだけどさ…皆どうしようか?」

「1年と組めばやりたい事はできるよねぇ」

翌日の保健の授業。先生に頼んでLHRに変更して貰った。

竜也は昨日の夜に起こった事をクラスの皆に話していた。

今頃…哲も自分のクラスで提案をしているかもしれない。

「だから…衣装を貸し出すって事で写真撮影と展示を

1年生に振り分けてもいいんじゃない?」

立山さんが珍しく発言をする。普段はあんまり発言をする方ではない。

「先生、企画に他のクラスと一緒にすることは出来るんですか?」

「出来ない事はないだろう。企画の訂正と言う事で企画書を

書き直す事ができるか?」

「そっか。そうだよねぇ」

「だったら…企画を切り離さないで、2クラスで行うって方向で

訂正をした方が早くないかな?」

歩美がもっともな事を言う。確かにそうした方が早い。



「だったら、早速放課後に1年生の担当者と話を詰めた方がいい」

「役割分担は、2クラスで行うから…皆楽になるね」

「それに予算も2倍になるから…プチリッチになるよね」

話は既に1年生とタッグを組むというのが既定路線になっている。

それはそれでいいのかなぁ。

気がついたら、既に各グループで行動修正を始めていた。

このフットワークの軽さはこういう時は有難い。

けれども…県内トップクラスと言われているこの学校では珍しいはず。

どちらかというと閉鎖的・保守的な学校なんだけども…

加藤先生がOBのせいか私達はガチガチな優等生ではないと思う。

だからと言って…昔の青春ドラマまでは行かないけど。



「とりあえず…担任の俺からも話をしないといけないな」

「そうですね。お願いしますね」

放課後、掃除が終わったことを報告しに体育教官室に私にいた。

普段ならむさ苦しい教官室がすっきりしている。

「なんか…綺麗ですね」

「大掃除したからな。俺が」

「先生…なんで体育の先生に?」

私は…先生に聞いてみたい事があった。

「なんでだろうな」

先生は確信となる答えを一切言わない。

「お前も体育の教師になりたいのか?」

「えぇ。まだ悩んでいますが…本当は体操を究めたかったんです」

「不完全燃焼か」

「そうですね。上を目指せないアスリートなんて嫌でしたから」

「真美らしいな。今度見せてくれないか?お前の体操」

「もう…無理ですよ。体が動きません」

「現実的な話をするとお前の成績なら教育大でも受かるさ。

教科の方は…ゆっくり考えろ」

「そういえば、先生は煙草を吸わないんですね」

「肺機能が低下するからな」

やっぱり…先生もアスリートなんだね。なんとなく感じていた事が

一つの線になる。この人は…信頼できる。



「先生。一つお願いしたいんですが」

「何だ?彼にしてくれはなしな」

「…ありえません。私は好きな人がいますので」

「あぁ、良かった。では何だ?」

「調べてもらいたい事があります。伝説の生徒会長として」

「担任でないという事は後ろ暗い事か」

「良くお分かりで。いいですよね?」

「クラスにとってメリットは?」

「大いにあります。では、教室に行って資料を取ってきます」

私は、一度体育教官室を後にして体育館に向かった。



「竜也!!ちょっといい?」

「どうした?真美?」

私は体操部で練習している竜也を呼び出す。個人でインターハイが

決まって練習に熱が入るのは分かるけど…ちょっと違う。

「俺の…踏切なんかおかしいか?」

「うーん、もう少しはなした方が楽にできるんじゃないかな?」

「なんか…詰まった感じがしてたんだよな。サンキュ…じゃなくて」

「もう一つなんだ。でも私の力じゃどうにもならないから先生に

頼んでみた。絶対…去年の事はあの人が噛んでる」

「今年も…なのか?」

「分からない。だから証拠を握っておきたいの。私達が主導権を

握れるように」

「やっぱり…去年はあったんだ」

「うん。どうして却下されたかもね」

竜也の目が鈍く光る。スイッチを入れてしまったかもしれない。

「先生達は知っているのか?」

「…知らないと思う。去年の企画を誰が合否を決めたのかが

分からないのよ」

「哲達の件は、俺が受けるからお前はそっちに専念してくれ」

「了解。後1週間で終わらせるよ」

「よろしく。歩美は知ってるか?」

「…言ってない。歩美は暴走する可能性があるから」

「分かった。部活の後に担任と話をしておく」

「私は調べた資料を預けておくから。私が調べてるの気付かれたら

まずいから」

「でも、お前の事だから」

「当然、コピーはいくつかある。安心して」

私は竜也と別れて再び教室に戻った。



「じゃあ、先生。お願いしますね」

「よくここまで調べたな」

「えぇ、去年のOBが来たときの言葉がヒントでしたけど」

「鍵付きの書庫なら俺の方が調べやすいな。確かに」

「でも、よくそこまでやったな」

先生は感心して私を見ていた。

「去年の後悔を真実を暴く事で清算したいから。その為なら私は

悪事にも手を染める」

「ただ…これ以上はお前には無理だ。俺が受けよう」

「よろしくお願いします。それでは私は帰ります」

私は体育教官室を出た。



去年のリベンジの為なら…私はどんなことでもする。

例えそれが…犯罪だとしても。


ちょっと…きな臭いですよ。

犯罪に手を染めるって…穏やかではありません。

大丈夫か?

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