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提出物の不備は厳禁です

「今年度の文化祭の企画書提出の〆切りは今月末です。よろしくお願いします」

「歩美…クラスの進行具合は?」

「今…最終チェックしているはず。竜也にメールする?」

「そうね。送ってあげるか」

-企画書の〆切りは月末。もう、出してもいいよ-

私はシンプルなメールと竜也に向けて送信する。

テストの後の決起集会後、各担当ごとに企画書仕様にまとめた企画を

更に煮詰めて…何度もぶつかりながらようやく出来た。

でも…一番難しかったのは…店名で私達は店を「蜜月喫茶」とすることにした。

メニューも初日と二日目を変えたり、内装の絵コンテを書いたり。

「とりあえず、後は運次第か」

「運?力技で引っ張り込むだけよ」

「でも…先生って意外だったね」

「うん…そうかもね。あのキャラが本来の先生だったのかもね」

先生のサポートもあったからあそこまで詳細にわたって書けなかったのかも

しれない。本当に先生には感謝だ。

「去年だって…先生なりにサポートしてくれたけどね」

皆…忘れてるんだ。仕方ないか。私は席を立つ。



委員会内の役割分担の係りの打ち合わせ。今年はパンフレットの製作。

委員会の中では一番早期に終わる役割分担。その代わりに夏休み前までが

異常に忙しい。クラス内の役割分担で調理担当だから当日は委員会の

仕事を回避してある。歩美とは係りは違う。

物を作るのが得意な歩美はゲート製作。これは男の子が多いんだけども、

歩美のデザイン画がコンクールで入賞した実績から引き抜かれた。



造形系統の作るのは上手なのに…料理は…ありえない程酷い。

最初の調理実習で家庭科室のコンロを一台再起不能にしている。

以来…歩美がコンロも前に立ったことはないし、そんな事もさせない。

歩美が奥さんになったら…食事は大丈夫なんだろうか?

まだ見ない歩美の将来の旦那様の行く末を案じてしまう。

料理と言えば、食材の仕入れルートを完全に決定していない。

パンと牛乳は直前に先生と自転車組で近所のマルシアで大量購入を

する予定で調整中。二日間であり得ない位に卵を使うのは確定だしね。

後は…調味料系の調達。竜也には話してあるけれども、私はある

禁じ手を使う予定だった。


「失礼します。2年1組。企画書提出したいのですが、よろしいですか?」

扉が開いて、竜也と数人のクラスメイトが顔を出す。

攻撃が最大の防御作戦な訳か。竜也とアイコンタクトで応じる。

「えっ、もうですか?受領しますが、決定に時間がかかりますよ」

「構いませんよ。よろしくお願いします」

にっこりと竜也は笑っているんだけども…どう見ても脅しているようにしか

見えないのは気のせいでしょうか?目の錯覚でしょうか?

「じゃあ、企画書を渡して下さい」

委員長が渋々受け取るって態度で竜也に告げる。

この委員長…あんまりいい噂を聞かないんだよな。ちょっと調べてみようかな。

「これが企画書です。…で、こっちが添付資料になります」

1枚2ページの企画書に対して、10枚20ページの添付資料ってどうなのさ。

元々、マスコミ志望のクラスメイトと担任のお陰で細かな資料が出来た。


「こっ、これが資料ですか?」

「えぇ。毎年添付資料は出せれば出した方がいいはずですよね?」

「えっ、開催場所…食堂?調理場所家庭科室?」

「これは過去に同じ場所で活動したクラスがありますよ…ね、先生」

竜也は生徒会の担当の先生に確認をする。

「加藤先生が学生時代に…使っていたなぁ」

「家庭科室の流しと冷蔵庫をお借りできれば僕らはいいんですよ」

私達が提出した企画書を見た先生が私達を見て茫然としていた。

「ここまできっちり企画が練られると却下はできないなぁ」

「お褒めのお言葉ありがとうございます」

「場所も過去の例があるので多分問題ないでしょう」

「ご検討ください、受け取って貰えてありがとうございます」

そう言って竜也は教室を出た。多分…採用されると思う。

今の時点で私達はどのクラスよりも先に作業が進められる。

十分確保できる時間のお陰で企画が成功する自信がついた。

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