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幼馴染の恋 ~恵美&弘樹~

ちょっと番外です。恵美と弘樹の幼馴染の恋の話です。

side 恵美


私達の出会いは、幼稚園の入園式。

引っ越してきたばかりの私はお友達がいなくて、不安で一杯だった。

そんな時に、一人の男の子が私の前に来たの。

「一緒に遊ぼう。恵美ちゃんって言うんだね」

それが、彼…高石弘樹との出会いだった。

今の弘樹は私よりも背が高いけど、中学2年までは私の方が背が高かったんだ。

このことを思い出したように言うと、弘樹は機嫌が悪くなっちゃうから内緒に

してあげた方がいいんだろうね。男の子のプライドなんだろうね。



ちょっと人見知りがちな私は明るい弘樹のお陰でたくさんのお友達ができた。

だから弘樹は私にとっての親友であって、師匠でもあって幼馴染。

たくさん遊んで、笑って、泣いて、けんかして。

他の友達とも…同じ事をしていたと思うんだけども…あんまり覚えてないなぁ。

それだけ私の中には当たり前の様に弘樹がいたんだね。気がつかないうちに。



小学校では、一度も同じクラスになることはなかったんだけども、

自宅は同じ方向だからいつも一緒に帰っていたわ。

クラスの話、先生の話、宿題の話。帰り道の話は今も変わらないかもしれない。

私の家が弘樹の家よりちょっと遠いから、毎日送ってくれた。

そのまま家で宿題したり、遊んだり、ゲームしたり。

同じ習い事をしていたから、一緒に通ったりね。

私達は、真美達の様にスイミングに通っていたんだ。一応泳げるんだからね。

これでも…選手コースにいたんだから…。普段がのんびりしてるからってのは

あんまりだよ。自分でも自覚しているんだから。



ここまで一緒にいると、皆も一緒にいて当たり前になってくるんだよ。

好きとか嫌いとか一切関係なくてね。おかしいよね。

でも…私達は…弘樹には聞いていないけど、最初に会ったときから好きだったと

思う。小学校に入って暫くは弘樹に気安く大好きって言えたんだけどね。

4年生位になると、恥ずかしくなって言えなくなるじゃない?

私達もそうだったの。口では言わないけど、側にいることで思い合ってると

思っていた。



中学になると、弘樹はサッカー部に私は家庭科部に入ったの。

中学に水泳部がなかったからね。クラブの方は中学3年の夏でやめたの。

私は近いから今の高校に入りたくて勉強に集中したくて。

弘樹はどうして止めたのかは聞いたことないなぁ。今度聞いてみよう。

中学2年間はずっと同じクラスだった。中学になると側にいるだけで

からかわれたり冷やかされたりするじゃない?

凄くそれが恥ずかしくていつも俯いてた。

弘樹はそのことが凄く辛かったって今でも言うわ。

私も、私だけが想っている状況が少し辛くなってきていて…バレンタインの

時に告白したの。ちょうどその日が調理実習でチョコチップ入りの蒸しケーキを

作ることになっていたから。



告白は家庭科室のベランダで。私達の教室の隣は家庭科室だったの。

私の部活の前に、弘樹に部活が終わったら教室に来て欲しいと言っていたから。

私の方の部活もバレンタインだからチョコレートのシフォンを焼くことになってたの。

弘樹の部活の後に蒸しケーキも渡すのにどうしようとか思ったりして。

部活の間中、ずっとソワソワしていて、集中できなくて…少しだけ火傷したんだ。

保健室で治療して貰ってたら、すごく慌てて弘樹が保健室に来て。

凄く…びっくりしたけど…嬉しかった。どう知ったのか分からないけど私の為に

来てくれたから。自然と涙が出ちゃってね。先生も弘樹も困ってた。

弘樹は教室で待ってるってすぐに出て行って…保健の先生には知られちゃった。

親はともかく…先生に知られると恥ずかしいね。真美も気をつけてね。



告白は教室でもいいと思ったんだけど、他のクラスメートがいたりして

言いづらいから、教室のベランダに出て家庭科室のベランダに移動したの。

私達の教室の隣は家庭科室だったからね。

蒸しケーキと自宅で作ってきたチョコレートをラッピングした袋を弘樹に

渡したの。

「ずっと、弘樹が好きです。これからも一緒にいてもいい?」

って聞いたの。だって…10年一緒にいたんだもの。ずっと一緒にいたくて。

弘樹の返事?その場では返事貰っていないんだ。本当は。

ただね、抱きよせてくれたの。キザだよね。今の弘樹には想像つかないでしょ?

結局、そのまま弘樹と二人で帰ったの。一つだけ違ったのは、校門を出てから

弘樹と手を繋いだ状態で家に帰ったの。言葉はなくっても気持ちは伝わっていたと

思う。調理実習の後の私の手が凄く冷たくって、お前の手は冷たいなってだけ

ポツリと言われたっけ。



告白の返事は家に戻って私の部屋でチョコレートのシフォンを食べていたとき。

学校で言ったら…冷やかされてお前が可哀想だったから。

ずっと…好きだ。ずっと一緒にいようって。それからはどんなに冷やかされても

からかわれても一緒にいるの。だって…彼がいれば他のものは何もいらないから。

本音はね…友達は大切だけどね。

でも…知ってるだろうけど、弘樹は独占欲が強いの。だから決して弘樹の視界から

私がいなくなるとすぐに探すの。今でもそうよ。おかしいでしょ?

でも、それが弘樹の愛し方なの。そんな束縛しかできない彼の愛し方が私は好きよ。

そろそろ…弘樹の部活が終わるわね。私の居場所を探しに来るわ。

普段ならメールするんだけども…わざとメールしないでみようか?

どうなるか…真美は知りたくない?ここまで話したんだから私はなんとも思わないわ。

えっと…グランドから見えにくいところにいてね。弘樹っていつもグランドから

私がいるかチェックしてるのよ。どんだけ視力がいいのよ…ねぇ?



ねぇ?階段をダッシュしている音がしてるわね。あれ…きっと弘樹よ。

いいから?みてなよ…ね。

「はぁ、はぁ。恵美?お前…メールは?」

私と真美の前に息を切らした弘樹がやってきた。ほら…その通りでしょ?

「ごめんね。真美と衣装を作ってて…ガールズトークしてたの」

「そっかぁ。それならいいんだ。腹減った」

弘樹は家庭科室の椅子にドカリと座り込む。余程…疲れたんだね。

「部活の前にパン屋さんで買ってきたよ。メロンパン食べるでしょう?」

私は弘樹にメロンパンを手渡す。

「珍しいな。恵美がガールズトークしてたなんて」

「体育の時間とかは多いよね」

「弘樹君…幸せ?」

真美は突然弘樹に幸せかと聞いてきた。

「もちろん、最初で最後の恋してるからな…こいつと」

弘樹は即答する。その答えは全く揺らぐことはない。

「最初で最後の恋か。そうだね。そういう恋もあってもいいね」

「真美?もしかして…お前」

「私も…二人を見習わないとね。今度から師匠と呼ぼうかしら?」

「真美からは勉強教わろうかな?いいでしょ?弘樹」

「真美ならいいぜ。ってか、俺も一緒にだろ?」

弘樹の俺も一緒だろ?という言葉を聞いて真美はクスクス笑っている。

「本当だね。お幸せに。私は帰るね。お疲れ様」

真美はそう言ってから家庭科室を出て行った。

私は彼女の背中を押せたんだろうか?



「どうしたんだ?真美?」

「私達と同じ何だって…真美も」

「えっ?真美って竜也が好きなのか?」

「それは違うわ。真美が好きなのは哲君よ」

「あぁ、真美の側にいる一年か」

弘樹はようやく分かったみたいで、膝をポンと叩いた。

「俺達と同じって…幼馴染か」

「うん、それも年下の彼氏ね」

「でも…真美を追いかけてここにいるんだったら本気だろ?」

「私もそう思うわ」

弘樹は私を抱きよせる。

「もう…私は弘樹のものでしょう?」

「メールしなかっただろ?お仕置きがいるよね?」

意地悪くニヤリと笑った弘樹は私の頬に両手で挟む。

私は目を閉じて、弘樹とキスをするのだった。

「もう…びっくりさせないでくれよ」

「ごめんね」

本当にごめんね。弘樹がパニック起こしているところを本当は久しぶりに

見たかったんだ。真美も巻きこんでしまったけど。



このガールズトークから2ヶ月後、真美と哲君がバカップルになるとは

この時はまだ知らなかった。人って本当に変わるわねぇ…




真美にはこの話がヒントになったって事にして下さい。


某オムニバスで中学は2年一緒だったと書いていたのを思い出して訂正します(おバカな作者でごめんなさい)

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