家庭科室のガールズトーク
家庭科室ってガールズトークには最適だよね
夏休みは学校の講習があったり、委員会の打ち合わせがあったり
去年よりは充実したものになった。
先生のお宅に遊びに行った大道具班+アンケートの結果から掲示物を
作った掲示物班。
10月に入った今は…1年生がメーンで頑張る写真館の作業がメインだ。
今日は家庭科室で恵美ちゃんを筆頭になんちゃってウェディングドレスを縫っている。
なんでなんちゃってかというと、シフォンでキャミソールワンピースを作って、
同様の布でストールを纏うことにしたからだ。
男子のなんちゃって燕尾服もなんとか出来上がった。礼服のズボンは
男子が礼服の下を持ち込んでくれることで作る手間を省いた。
「恵美…写真館用にはどんなものを用意したの?」
「後は、浴衣と訪問着。後…袴位?」
「予算の方は大丈夫なの?」
「うん、1年生でお母さんが着付け教室の先生の子がいるので貸し出して貰う
事にして…クリーニング代は皆で負担したいんだけども…いいかなぁ?」
「それはいいけど…写真館で着つけが出来る子いるの?」
「今ね、皆で作法室で着付け教室しているよ。男の子も一緒に」
恵美ちゃんはそういった見えない配慮もさり気なくしてくれるから
こっちが後手に回って手配することは少ない。
「じゃあ、衣装の方も予算が余っているんだ?」
「そうだね。それなりに余るよ。衣装が作り終わったら残金は、
立山さんに渡せばいいよね?」
「うん、レシートも一緒にね」
「分かった。後で渡すわ」
「ところで…真美?」
「何?恵美ちゃん」
「真美は哲君が好きよね」
いきなり恵美ちゃんに核心を疲れてしまって、私は焦る。
「なんで?いきなり」
「うーん、なんとなく。幼馴染でも竜也君とは違うから」
ここでイエスと言うのも気恥かしくて回答に困ってしまう。
「そう…だったら、気持ちを伝えないの?」
「うーん、今はまだいいたくないの」
「哲君の真美を見つめる目と真美が哲君を見つめる目は同じだよ…きっと」
恵美ちゃんは柔らかい笑みを浮かべながら私を見ている。
「怖いのかな?」
「うん…関係が変わることが…怖いんだ」
私は心の底にある不安を口にした。幼馴染でずっといるこのままでも…
今はいいのかなって思っていたりもする。
「確かに、関係は変わるかも知れないけど…それは一時的なものだよ」
「何で…恵美ちゃんはそう言えるの?」
「だって…私も弘樹もそうだから。私達は幼稚園から一緒なの」
「そうなの?」
「そうなのよ。知りたい?私達の事」
幼馴染で恋人な関係の二人のことを少し知りたかった。
今の私の勇気のきっかけになるかもしれなかったから。
「恵美ちゃん…聞いてもいい?」
「うーん、あんまり言わないでね。恥ずかしいから」
「分かった」
「その前にこの衣装終わらせようか?」
恵美ちゃんは照れ隠しのつもりなのか、ミシンの終わってない衣装に目を
向けて作業を始めた。
その隣で私も作業を続けるのだった。




