表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/28

まずいお茶はまずいでしょ?

「じゃあ、試食会は真美の離れでいいか?」

「…ごめんね。暑いから作ってすぐの食事にしたくてね」

「真美の家って大きいの?」

「元は祖母の家なんだけども、今祖母はいないんだけどもね。

華道教室として使ってるから…安心してね」

「後は値段だよなぁ。いくらにする?」

「ワンコイン500円じゃぼったくりだろ?」

「そうだね。和食は300円にしたいなぁと思って」

「焼き魚付きで限定10食500円はいいんじゃねぇ?」

放課後の教室。私達は例によって企画会議中。

今日は私達が食べる予定の和食と洋食の試食を企画していた。

本来なら…予算からなんだけども。家にあるものから作る予定だから

予算から貰う訳にはいかない。

食べる場所は、かつて祖母が住んでいた離れ。離れはバス通りに面している。

バスは正門から乗れるから、たっちぃにも負担はないと思う。

普段は歩いて通っているけれども、当日は自転車で通って準備する予定。



「…でおばあちゃんはどうなの?」

「良くもなく、悪くもなく…だよ」

歩美は祖母の華道教室に通っているから心配らしい。

今の教室はお弟子さんが継続してくれている。

「今度一緒にお祖母ちゃんの所に行こうね」

「分かった。その時は誘ってね」

今は、華道の師範をしていた厳しさは全くなく、少女のような清やらかな祖母。

ギリギリまで自宅にいて欲しかったけど、持病の悪化の為自宅での介護を断念して

家から少し離れた病院で今は過ごしている。

ただ…病院での時間は祖母にとっては良かったようで精神的には安定している様だ。



「今回は家にある食材を少し分けて貰うようにするから…いい?」

「予算に計上しなくてもいいのかよ?」

「だって、10人前作る訳じゃないのよ。せいぜい3人前位?

夕飯は各自食べるでしょう?」

「そうだよな。すっかり忘れてた」

「竜也はこき使う予定だから家で食べてもいいけど?」

「真美ってさり気なく怖い事言うよな」

滝君が私と竜也を見てから言った。

「普通なら、竜也をこき使うなんて言えないだろ?」

「そうかな?言えばやってくれるのに…竜也は主夫向きだもの」

「そうだね。私よりも向いてるかもね…竜也」

歩美もクスクス笑いながら言っている。

「俺のキャラが変わっていくだろう。止めてくれよ」

「竜也のお気に入りは」

「わぁわぁ…」

折角披露しようとしたのに止めれれてしまった。

いつかリベンジしてあげるからね。



「それよりも…ドリンクどうしようか?」

「ペットボトルのものは食堂のシンクに氷水とかで冷やせるな」

「だから、食堂のシンクを使うのね」

「洗い物じゃないから、食堂のおばちゃん達から製氷機の氷は

使い放題だって。良かったね」

「じゃあ、化学部には使わない事を伝えないとね」

「暖かいものはポットでいいんだけども…私紅茶淹れられないの」

「嘘。真美はオールマイティーにこなせると思ってた」

「私はせっかちだから、紅茶はダメなのよ。哲の方が上手に淹れるわ」

「お茶は男子が奥さんに労う設定でいけばいいんじゃないか?」

「じゃあ、お茶を入れられる男子を探そう」

「…で、真美は本当に実演で焼くつもり?」

「和食なら、卵焼きとどら焼きの皮を焼く位だけども」

「それでいいよね。洋食はどうするつもりだ?」

「プレーンオムレツとフレンチトースト?」

私は何気なく思いついたものを口にした。

「私真美のフレンチトーストなら絶対食べる」

「あら…ありがとう。それは試食に焼けってことね」

「歩美…そんなにおいしいの?」

「うん、私は大好き」

「へぇ…楽しみだなぁ」

歩美の余計なひと言が皆に妄想を広げる結果になってしまったようだ。



「…ってな訳で哲も手伝ってね」

「…んだよ。それ」

企画会議が終わった私は携帯で哲を自宅に来るように呼び出した。

-久しぶりにオムライス作るんだけど来る?-とメール。

オムライスが大好きな哲は何も知らずに宿題持参でやって来て…今ここ。

「だって、私紅茶淹れるの下手だもの」

「だからって俺に無茶ぶりかよ?」

「…だったら、接客したい?どっちが哲にとっては楽なのかな?」

ティーブレンダーの資格を持っている千沙子さんの息子である哲は、

いわゆるお茶全般をおいしく淹れることは簡単な事。

「一人はしんどいんですが…どうするおつもりで?」

哲は接客よりはまだ楽だ…と腹を括ったようだ。

「誰か…適任者いない?いたらスカウトしてよ」

「分かったよ…。ちょっと時間をくれよ」

「分かった。コンセプト的には男子が嬉しいな」

「真美…何を企んでいる?」

哲が疑いの目を私に向けている。

「何も。企んでいるなんて…あんまりだわ」

私は哲に反論をする。ごめん、企んではいるけど、首謀者は私じゃない。

「悪かったよ。疑ったりして」

単純な哲はすぐに引っ掛かる。簡単なものよね。ふふっ。



けれども…この事が切っ掛けに哲が腹黒い若干俺様風味になった事は

否定できない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ