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紫煙の双頭鷲 ‐東ローマ帝国 蒸気機関運用記録集‐

作者:えだまめ
最新エピソード掲載日:2026/01/20
帝国が滅びると、人々は言っていた。
 財庫は空に近く、貴族は争い、オスマンは国境の向こうで牙を研いでいた。

 私は官僚だった。
 剣も取らず、機械も作らず、ただ帳簿と勅令を扱う男だ。
 だからこそ、滅びがどれほど現実的な数字で迫っているかを、誰よりも理解していた。

 それでも、帝国はまだ終わっていなかった。
 港は動き、職人は残り、皇帝は決断できた。

 地下工事の報告書に紛れていた、奇妙な記述――
 青銅の筒と、歯車と、古い設計図。
 これは、滅亡寸前と呼ばれた帝国が、
 なぜ滅びなかったのかを記した、官僚達の回想録である。
序章
2026/01/20 19:19
1章
2026/01/20 19:20
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