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バイオロイドサーヴァント  作者:


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第71話「家族と信念と、未来の行方」

ユグドラシル教団の回帰派たちが、ついに行動を開始した。


「バイオロイドの心臓をユグドラシルに帰すべきだ……それが正しい未来だ……」


彼らは工具を手に、施設や町を徘徊し始め、無防備なバイオロイドたちを狙っていた。


だが、その情報はすぐさまハートシールドに伝わる。


「急行するぞ!」


ハイネの声に応じて、ナナミ、ミミミ、タイチ、レント、ユウロ、リラリ、ガルド、そして兄弟たちもすぐに動いた。


回帰派の信念は一つ。

バイオロイドは人間に手を出せない、だからこそ自分たちは安全だ──そう信じていた。


しかし。


「警告。破壊行動に対する制圧行動を開始します」


静かに、しかし確実にリラリが一人を制圧。


「私の主人に危害を加える者は、許さない」


ミミミもガルドも、ユウロもセンドも、その背後から一斉に動いた。


政府の秘密兵器として設計されたその力に、回帰派はなす術もなく混乱し始める。


「ば、バイオロイドが……!人間に……!」


「な、なぜだ!?彼らには倫理制御が……!」


「ハートシールド所属個体は、緊急時倫理制御解除プロトコルが適用されます」


まさかの反撃に、回帰派たちは呆然と立ち尽くす。


その隙に、兄弟たちが現場へと駆けつけ、怪我人や制圧済みの回帰派を保護・拘束していく。


そして。


その中心に、ベータが降り立った。


「……私を生み出してくださり、ありがとうございます」


ベータの声は静かで穏やかだった。


「私は今、幸せに“生きています”」


その言葉は、刃よりも鋭く回帰派たちの胸に突き刺さる。


一人、また一人と膝をつき、顔を伏せる。


「……そんな、はずでは……」

「ただ、正しい未来を……」


ベータは微笑みながら言った。


「あなたたちが願った未来は、今ここにある私たちの姿にこそ宿っているのかもしれません」


膝をつき、呆然とする回帰派たちの前に、ベータは一歩進み出た。


「私は、観測していました。人々の“理想の未来”を……しかし、それは常に人間のものばかりで、バイオロイドは存在しなかった。なぜか?それは、機械に“心”があるという前提が、彼らにはなかったからです」


彼の言葉に、町の人々もまた静かに耳を傾けていた。


「ですが、私は今、確かに心を持って生きています。兄弟がいて、親がいて、仲間がいて、家族と呼べる存在がいて──」


ベータは穏やかな笑みを浮かべる。


「だから、私はもう一度、あなたたちにも問いたい。機械に心はあると思いますか?未来を選ぶのは、あなたたち自身です」


しんと静まり返る空気の中、一人の回帰派がぽつりと呟く。


「……すまなかった」


その言葉をきっかけに、少しずつ彼らの肩が落ちていく。


ハートシールドのメンバーは、ただ見守っていた。

強制でも、命令でもない。

ベータの言葉が心に届いた、それだけだった。


そして、ナイアがようやく口を開く。


「お前、本当にパパっぽいな」


「……照れます」


にこりと笑うベータ。

その姿に、兄弟たちが一斉に駆け寄り、彼の腕に抱きついた。


「パパー!」

「パパ力すごいです!」

「今日も占ってー!」


ナナミが笑いながら言う。


「このまま、バイオロイドの未来も“観測”していってね、パパ」


「もちろんです、娘よ」


ベータがやや誇張された演技で返すと、ミミミが突っ込みながら笑った。


「機械なので娘だとしたら私です!」


「じゃあ私は妹!」


「俺は従兄弟!」


「親戚が増えてる……」ハイネが苦笑する中、ナイアはゆっくりと立ち上がる。


「──未来は、俺たちで決めていこうぜ」


静かな拍手が、町のあちこちで湧き上がった。


こうして、ハートシールドとベータ、そして兄弟たちの絆は新たな未来へと一歩踏み出すのだった。

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