何も変哲のない洞窟には見たこともないクリスタル鉱石が生えていた
朝飯を食べた俺達は目的地とする場所へ向かう為森を抜け村で必需品を買って、もう時期到達するかもしれないと言われる場所へと辿り着こうとする。
「………」
「どうかした?もしかして馬酔いでもしたのかな?」
「いやそうじゃなくてですね。」
グィーーーーン
ビョーーン!
グィーーーーン
ビョーーン!
へ、平然と馬に追いつくぐらいのスピードで自分の形状を伸び縮ませながら上手く距離をとり一緒についてくるボルテリアライム。
色々と突っ込む所ではあるのだが…
「何であれで追いついてこれるんですか?あのスライム。というより何でここまでついてきているのか…」
「あはは、私もビックリだよ。寧ろここまで一生懸命ついてくるスライムは初めてみたかな。相当君に懐いてるみたいだしね。このままだと元の村に戻る所まで一緒だったりする可能性とかもあったりするかもね。」
「だとしたら家族はビックリするでしょうね。え?あのラクトがモンスターを引き連れて帰ってきたってね。」
そう冗談気に言う俺の言葉にモルティーは微笑しながらそうだねと応える。
しかしその笑いの先には何やら不可思議な物があるような笑いにも捉え、いつものモルティーではなくなるそんな風にも思ったりした。
「よし!到着だよ。」
到着という彼女の言葉に俺は首を傾げながらどういう事なんだろうと疑問に思う。
ビョーーン!
ベチャン!
「きゅいーー!」
「おお、まさかここまで一緒にくるなんて、君相当私達と一緒にいたいらしいね。」
「きゅい!キュイ!キュイイ!」
「そうかそうか。やっぱり君は私達と一緒にいたいんだね。コレは女冥利につきるものだよ。」
いやなんか怒ってるようにも見えるぞ。
こっちの事も気にしろみたいな風にも見えたりするが、モンスターでスライムだからそこまでの様子がわからないし下手に言わない方がいいよな。
「さてと、馬をここへ置いて紐を結んでっと…」
モルティーは近くにある木々に馬の手綱の長い紐の部分を結ぶ。
その間に俺はここの地帯をよく観察した。
「………何もないんだけどな。」
そう何もないただ荒野。
ここが目的地というならば誰もがこう思うだろう。
確実に迷子だと…
モルティーは単に迷子になっただけではないかとそう思ったりもしたのだが…
あの浮かれ様多分そうじゃない。
じゃあここでいったいどんな試験があるというんだ?
「ふふ、君は今こう思ってるね。こんなだだっ広い荒野で私達はただ迷子になっただけなんじゃないかとそう思ってるんじゃないのかな?」
「思ってるんじゃなくて、そう思いたくないだけなんですけどね。……まさかここが目的地とはいいませんよね?」
「いいやここが目的地だよ。ちゃんとあってるから大丈夫。もう少ししたら出てくるからもうちょっと我慢してね。」
「出てくる?いったい何が…」
そう言われ暫く待機していったい何が出てくるのだろうかとそう考えている最中すぐにその出てくる何かの現象が起こりだす。
ゴゴゴゴ!
「じ、地面が揺れている。コレはいったい……!?」
コレはいったい?
そう口した瞬間目の前に地面から大きな何かがぐんぐんと這い上がり岩みたいなのかが見えてくる。
そしてそれがどんどんと大きくなって…
「え?ちょっと待って、コレは…」
いやコレは知っているぞ。
荒野でこう言った現象で地面から出てくる岩みたいな物体。
それはただの這い上がってくる岩なんかじゃなく…
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!
ズズン!
ズシャン!
「ようやく出てきてくれたか、私が君を案内したかった場所。この荒野は何もないだだっ広い荒野だけど、ちゃんとした名前があってね。パンデミックという名前の荒野なんだ。因みに何でそんな名前かと言うと…」
「奇想天外的なという意味合いで、騙し取る洞窟……所謂罠の荒野ですね。」
「あれれ?もしかしてこの事も知ってたの?な〜んだそれじゃあサプライズにもならないね。」
「でもただのサプライズで僕をここに連れてきたというわけじゃないんでしょう?試験というんだから別の意味で試験関係でのサプライズじゃないんですか?」
「にひ、その通り!この洞窟にはね。何と神秘的な要素が隠されている洞窟なんだ。私もようやくこの日を待ち侘びていたぐらいだからね。君をここに連れてきたのも私の私用目的というのもある。でもそれはそれコレはコレ…君にはある物を見つけてこの洞窟から1時間以内に出る事が今回の試験だ。」
1時間以内にあるものを発見してここを出るのが試験か……いいぞ。
頭の中ではいちおうマップ把握はしているその目的という場所へ行って発見してこいというのなら寧ろ30分でクリアできるぞ。
「因みにそのある物というのは?」
「うんそうだね。今回私も同じ意味では君と同様の試験を受ける事となるかもしれない。洞窟である物と言えばクリスタルだ。」
クリスタルか……確かにあったような気もする。
確かサブイベントでクリスタル採取をして錬金合成で強い武器を作ったというのを我ながらめんどくさい敵を倒しつつ採取したっけな。
「ん?待てよ、確かここの洞窟ってモンスターもそれなりに強かったのでは?」
「へ〜その辺も詳しいんだね。まるで入ってきたことがあるようないいぶりだけど、もしかして既にこの洞窟も入っていたり?」
やば、迂闊に声をだして、疑問を浮かべるのは控えた方がよさそうだな。
あまりこっちの素性を悟られたくはない。
少なくとも独り立ちをするまでは…
「いえいえそんな事はありませんよ。普通に初めてでワクワクもしています。何せ探検は男の醍醐味でもありますからね。」
「ああ探究心だね。うんうんそれこそ錬金の心得があるというものだよ。あ、でもあまり浮かれてばかりはいられないよ。君が言った通り強いモンスターはいたりもする。けどコチラ側から接近しなければ問題ないからその辺は大丈夫だよ。特にクリスタル周辺は安全地帯だからモンスターも寄り付かないはずだからね。」
そう言えばそんな設定があったよな。
何故かクリスタルの魔法?みたいな力で魔除けみたい作用されてるとかそんな話しもあった気がする。
「よし!じゃあ私が先に行くから君はその後で入ってくるように、一応前科があるからモンスターをそれなり討伐はしておいてあげる。まぁいるとは思えないけどね。」
「どっちなんですか…」
「あはは、じゃあ今から試験を始めるから気を引き締めて励む様にね。」
そう言ってモルティーは先に洞窟へと入っていき、先導して厄介なモンスター?を排除してくれる。
「それは試験なのだろうか?という疑問を浮かべたりもするけど、まぁ正直な所初めてで入る人にとってはこの洞窟は歪で迷いやすいしな。ひとまずモルティーよりも早めにクリスタルがある所を目指さないとな。」
そうして続け様に俺も洞窟へと入っていくのだが…
………バンパー洞窟・隠しクリスタル遺跡
「中はそこまで暗くなかったよな。となればルート的にこっち側を進むのが手っ取り早かったよな。」
モンスターのいないルートへと沿って進むラクト。
知識的に遊んでいたゲームの地図構成がそのままと似ていた為臆する事なく前へとすすむ。
「……よしこのままいけば恐らくあの場所へいけそうだな。……けどその前に何でお前までついてくるんだ。」
「キュキュ?」
「そこで不思議そうな顔をするな。出口で待っとけって言っただろうに…」
グニョン!
グニョン!
「あ、おいコラ!」
普通に前へと進むボルテリアライム。
何処が懐いてついてきてるって?
寧ろ好きがってについてきて勝手に進んでるだけじゃないか。
「キュ!キュキュ!」
「え?何?ここを開けろって?」
「キュ!キュキュ!」
偉そうに胸もないのに胸を張ろうとするボルテリアライム。
なんて厚かましいやつなんだ。
全然可愛くない。
「けどまぁ俺が進もうとする場所の隠し扉に気づいたのには褒めてやるよ。」
ガコン!
俺は凸凹の岩に手を当て力強く押し込む。
すると何かスイッチみたいな音がなり押した岩部分が凹んで周りの天井や岩の壁が動きだす。
「え!何!何!何で辺り一帯が揺れてるの!こんな現象が起こるなんて私知らないんだけど!」
それにまだ辺りには吸血鬼骸骨達がいるし、コイツらを排除しなかったら、ラク君が通るのに難航になっちゃう。
「ええい!たかが揺れ如きでビビる私じゃないんだぞ!私の錬金魔法攻撃で粉々にして…」
グラグラ
ズドン!
ズドン!
ガシャンガシャン!
カランコロンカランコロン…
「あ、あれれ〜」
しかし錬金魔法を放つ矢先に天井から岩が崩れ吸血鬼骸骨達は下敷きになりバラバラとなって、倒れる。
「ま、まぁ運も実力のうちだね。……って前が塞がれたら進行できないじゃないの!コレも私の運の行いの結果なの!どうしろって言うのよコレ!」
悲惨な事件に巻き込まれてしまったモルティー。
前へ進む事ができず、どうやって進むべきなのかひたすらと書物を読みあさって試行錯誤しながらその場で踏み止まってしまいラクトよりも先に行く事が不可能となった。
うわ〜〜〜ん!
「何か喚き声みたいなのが聞こえたけど、気のせいか?」
ヌチョン!
ヌチョン!
「キュキュ!」
ボルテリアライムはここだと言わんばかりに俺を案内して先へと進んでいく。
「いやまぁ自分も知ってる道だから別に案内は要らないんだけどな。」
でも、ちょっとした違和感がある。
地形がちょっと俺の知ってる形とは些か違うというのが既に3箇所いや今ので4箇所見つかる。
ほんの些細なことではあるんだが、採取できる岩や光る草等全くないと言うのが今回の疑問点にも追加された。
「………気のせいだといいんだけどな。」
そんな事を気にしながら歩いていくと目の前にやたらと眩い光が発生しているのを確認しようやくクリスタルがある広場へと辿り着く事ができた。
「さてとゲームでしか分からないのをそれが実体験で生で分かるんだ。クリスタルという貴重な場面を体感させてもらおうかな。」