別行動での絆上げ
モッグマッグを倒すとまではいかないなりにもそれぞれにはレアアイテムを入手する所までは行ってほしいのが俺の願望だ。
しかしそれにはそれぞれの組み合わせが必要。
正直俺が指示を出してやれれば恐らくこのクエストは直ぐに攻略はできただろう。
でもそうすればルミナ達の絆は生まれない。
単純に俺との絆が生まれてしまう。
その例がルミナとガイウスだ。
あの2人と仲良くなるなんてまさかのまさかでそうなるとは思いもしなかった。
だからここでは皆んながちゃんとした連携を組んで絆を高めていってもらう必要がある。
「って!俺何こんな事考えてんだ。コレじゃあ関わろうとしている奴の立場じゃないか。……はぁ〜俺ってこんなお節介野郎だったけか……ひとまず様子見という事でアイツらの様子を離れた場所から観察しよう。ルミナとマーシャが仲良くなれてるのかも心配ではあるしな。」
ラクトは皆んなから離れた場所で少し涼む場所を見つけてルミナ達を自分が作った錬金術の双眼鏡を使って様子を伺う。
「監視カメラみたいな奴だから音声とかも拾えるんだよな。なんともまぁ優れた物を作ってしまったと俺の中でちょっと株が上がってしまうな。……さてとアイツらの様子は…」
「だから!コッチのモッグマッグの所を行くのが良いって言ってるでしょう!」
おっと…コレはまさかの展開だな。
というよりも想定内か…やたらと喧嘩をおっ始めてやがる。
……ルミナ達での様子
「はぁ〜ですから。そちら側のモッグマッグは住処での根城として数が多いんです。その中で突っ込む気ですか?馬鹿なんですかあなたは?」
「な!?私の魔法が信じられないの!」
「信じる信じないは関係ありません。そもそもの話をしているのです。魔法や錬金術を使ってどうにかなるのでしたらモッグマッグのクエストなんて依頼する人はいませんよ。」
ど正論だな。
アリシアがど正論かますのは分かりきってはいたけれど…相手はまだ子どもだぞ。
「でもでもアリシア。マーシャの魔法ならもしかしたらやれるかもしれないよ。さっきは私ああいったけれど…ラクト君が言った個別個別でやるよりかは私達…普段連携していない仲の自分達でやるべきなんじゃないかと私は思うのよ。」
「そんなのかもしれないって話しでしょう。モッグマッグに関しては危険性がないのは百も承知だけど…万が一の事もあるのよ。それを分かって私は安全な方法で数少ないモッグマッグの方へ行ってレアアイテムを回収した方がいいんじゃないかと提案しているんですよ。」
まぁそうだな。
アリシアの言う通り妥当だ。
それに伴って誰かの危険性を避けられるなら何も問題はない。
しかしそれでその面子での絆が深まるわけがない。
だからルミナが率先としてマーシャの言い分に賛同したのはあたりだ。
さて…ここからどう言った組み合わせでいく。
「はぁ〜ではルミナが決めてください。色々と不満がある形ではありますが…あなたは全員でレアアイテム回収をする気がないと言いたいんですよね?」
「そう言う事じゃないんだけれど……ひとまず今はそうじゃなくてもいいと思うのよね。今まで通りなら確かにガイウスとアリシアとロイゼがいてくれればそれでよかった。でも今回はマーシャとコルデリアがいる。それなら今は新しい仲間と打ち解けあうのが先なんじゃないかしら。」
「……いやあなたそれが今まで否定していた言い草の口とは到底思えないないんですけど…それで私はどれだけの鬱憤を溜まってきたか…」
「あれれ?そうだったかしら?」
「そうなんですよ!」
は、はは、自覚が無いってのは恐ろしいな。
まぁルミナの性格ならこうなるとは思っていたよ。
最初は俺に関して妙ないたこざが起こったりしていたが…それを抜きにして話すのならちゃんと相手の事を思って行動を起こそうという。
それがルミナのアトリエゲームでの主人公気質だな。
「まぁあれはその……ラクト君の事を考えすぎてしまった結果だっというか…今それを話してしまったらまた喧嘩になりそうだなって……だからひとまずラクト君の事は置いておいて今は2人の事だけを考える事にしたわ。」
「……勝手だね。そんな気軽に思考転換できるなんてそもそもおかしいんじゃないの?私はお兄ちゃんのおかげで生きてこられた。決してあなたと仲良くする為に一緒にいるわけじゃない。」
「うん。知ってるわ。宿代のためでもあるしね。」
「……それもある。でも個人的な主観では私はあなたの事が嫌い…相入れない同士どうやっても仲良くはできなと私はそう思ってる。」
そう言ってマーシャはルミナ達から違う道の方へと進んでいく。
「ちょっと!マーシャ!待って!待ちなさいよ!」
そしてその後に続いてコルデリアも後を追う。
「おいおい行っちまったぞ。いいのか?」
「はぁ〜よくはないですよ。あの子をただ怒らせただけじゃないですか。コレじゃあお互いの為のフォーメーションやレアアイテム回収する為の作戦を練ることは出来なさそうですね。」
「うん。なら私があの子達の付き添いをするわ。ガイウス達は他の所で回収作業をお願いできるかな。」
「あ?お前1人でか?マーシャの説得なら俺も同行した方がいいんじゃないか?」
「そう言って、ここ数日間何も変わらなかったじゃないのよ。今更ガイウスが介入したところで意味ないわよ。」
そこでズバッと言い切るルミナ。
それに対してガイウスは言い淀む。
「くっ!それを言われてしまったら確かに今までの俺の行動に対して思う所があるな。」
ラクトがここ最近介入しなかったから安堵していたのか…ちょっと気がぬいてしまったかもしれないな。
「そうですか。それならあの2人の事頼みましたよ。あなたなら何も問題はないと思うのですが……ここ数日が悪かっただけだと思うので……そろそろケジメをつけて来てくださいね。」
「うん!任せて!絶対にあの子とわかり合って戻ってくるから。」
「やたらと魔術と錬金術に拘りがあるみたいですけど…その辺上手く話し合ったら、もしかすると何かしら掴められるかもしれませんね。」
「もう!当事者じゃないからいいよねそう言った他人事…でもその助言ありがたく御礼を言うわ。」
ルミナは高らかに気合を入れながらマーシャ達の後を追いかける。
「行ってしまいましたか…さて私達は私達でレアアイテムの回収をしにいきましょう。あちらはあちらで何とかできることでしょう。」
「そ、そうかな……でも俺達でモッグマッグをやれるか?それにお前と2人でやるってのも初めてなわけなんだが…」
「言い方がいやらしいです。発言にはご注意ください。」
「え?あ、ああわかった。」
いったい何がいやらしかったんだ?
特に変な事を言った覚えはないんだがな。
「私達の場合は慣らしでいく他ないでしょう。それに……」
何だかクリューダルさんの思い通りに動いてるみたいで癪に触りますしね。
「それに?なんだ。」
「いいえ。地道にやっていけば問題ないでしょう。ガイウス私達はあちらのモッグマッグの根城に行きますよ。あそこなら比較的に安全に回収できるかと思われます。私達の宿代の為に頑張りますよ。」
「お、おう。」
気合十分だな。
まぁお嬢様にとってはお金がなによりも大事だからな。そうやけになるのも仕方がないか…
………一方その頃のルミナ達
「何でついてくるの?別に来なくてもいいよ。」
「好きでついてってるんだもん。何も問題はないでしょう。」
「私の足手纏いにならないようにしてよね。」
「ふふん!私の実力を甘く見ていると痛い目にあうのはきっとマーシャだよ。」
「な!?私の魔法よりあなたの錬金術が上だとでも言いたいのですか?」
「う〜んそうじゃないんだけどね。私実はこう見えてみんなには秘密にしている事があるのよね。」
「秘密?」
「そう。皆んなもそれぞれ特有の錬金術があるんだけど…私個人でしか扱えない錬金術があるのよ。それが何か知りたいかしら?」
「………いえ別に。」
「そうだよね。気になるよねってえええ!気にならないの!」
この人やたらとリアクションが派手な人ね。
そりゃあマーシャと相性悪いわけよ。
というよりも私もこの人嫌だな。
「ねぇ!あなたは私の錬金術に興味あるわよね。」
「え?わ、私?」
ど、どうしよう矛先が私の方に降りかかってきたんだけど…な、何て答えたらいいのかしら。
「は!だったらちょうど向こうから向かってくるモッグマッグ相手に錬金術を発動したらどうかしら?」
「え?モッグマッグ?」
ドドドドドドドドドドドドド!
「うわあ!凄い勢いで向かってくるわ!……ふふん!丁度いいかも。私の錬金術で向かってくるモッグマッグを……っておーい!」
向かってくるモッグマッグに向けて錬金術を発動しようとしたルミナ。
しかしモッグマッグは地面に潜り周りには地響きだけが鳴る。
ゴゴゴゴゴゴ!
「うえ〜ど、どうしよう…コレじゃあ錬金術の発動がままならないよ。」
「はぁ〜あなたはそこでじっとしててください。私が何とかするから。」
そう言ってマーシャは砂の地面に手を当てて氷魔法を唱える。
すると…
カチンコチンカチンコチン!
辺り一面地面が凍っていき一気にルミナ達の場所の気温が下がる。
「う、うわあ!す、凄いわねって、きゃあ!」
ドスン!
そう褒めようとした瞬間ルミナは滑って地面に尻餅をつけて転ぶ。
「やだ〜もう!お尻が痛いよ。」
「ムカ!たかがデカイお尻じゃない!それでお兄ちゃんを誘惑してるんでしょう。この淫乱娘が!」
何故かは分からないマーシャの怒りの衝動。
それはルミナの発育の良いお尻が気に入らなかったらしく。
ただ単にマーシャはルミナのお尻を蹴り上げる。




