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モッグマッグのレアアイテム

2人にどうにかして誤魔化しつつ俺が指定したクエストに挑む。

こうして6人でクエストへと赴くわけだが……この時俺はクエストなんて行かなければよかったと後になって後悔する。


……オーナーのクエストを受注したラクト達。

クエストを受けて赴いた場所は…


コングール・レッカーエリア


「あ、熱い…熱すぎる。」


「本当熱いわね。でもここでの採掘はより一層張り切ってやらないといけないわ。」


「ぐて〜〜わ、私には無理かも〜この熱さお肌にダメージ受けちゃう〜」


「ちょっと!お互いラクト君の為にいい所見せるんじゃなかったの!」


「うへ〜私にそんな気力なんてない〜やるきない〜お家帰る〜でもクエストやらないとお金ない〜頑張る〜」


「言ってる事支離滅裂なんだけど!どうしたいわけなのいったい!」


何かルミナとマーシャが揉めてる。

正直熱すぎて何も考えられない。

はぁ〜なんでクエストなんて受けてしまったんだろう。というよりもこの近くって今こんなに暑かったけか?

ヤバい聞いてた話しとまた違ってきてるなコレ…


「採掘での鉱石採取だけに及ばすその辺にある魔物の毛皮採取でも可……てっきり採取目的だけかと思っていたんですけど…主な目的はコレですか?」


「そうなりますね。ここら辺一帯のモンスターは主に塒で生息しているんです。つまり出てこないというわけなのですが…」


「成る程…そこに奇襲を仕掛けて魔物が回収したレアアイテムを手に入れるのが目的という事ですね。」


「!?」

「!?」


「そうです。今回のモンスターはモッグマッグという土の中で動き回る魔物ですね。」


主にモグラなんだけどな。

モグラと言っても多分分からないからそう言った系のモンスターで例えるのはキツイな。


「モッグマッグか…まぁ比較的に凶暴性がないモンスターだな。……はは〜ん読めてきたぞ。ラクトお前はあの2人にモッグマッグを倒させて2人の親睦を深める作戦だな。」


「いいえ違いますよ。」


「なん、だと…」


ガイウスは自分が当たりを引いたようにドヤ顔でコチラに向けて指を刺しながらポーズを決める。

しかし俺はそのままざっくりと心を折るように否定をした。


「第1それをこの場ではいそうですといいますか普通。それで2人は仲良くなれたら今までの苦労だった数日に関して意味が分かりませんよ。」


「うっそれは確かにそうだな。ならコレはいったい何の為のクエストなんだ?」


「先程クローデルさんが言った様にレアアイテムを手に入れるのが目的です。それをオーナーさんに渡して無事にクエスト達成させる。それだけの話しです。」


「そ、それだけか?」


「ええそれだけですよ。」


あまりにも拍子抜けするぐらいにつまらない内容に驚愕するガイウス。

それも当然…このクエストにそんな抽象な目的等ない。

あわよくば2人の利害が一致する程の何かを見つけられればそれでいいとしか今は思ってない。

仲を深ませるに関しては俺がどうこうしちゃいけない話しなんだ。

それをすればまた時間軸のズレが起こる可能性がある。

……もう遅いかもしれないが少なくとも危機に陥る様な事を避けていくのも一応俺が関わった責任にもなるんだ。

何かと俺が手を下してしまったら意味がない。

その辺で言えばここでのクエストはとても理に適ってるはず。

少しでも信頼性が高まれば俺にとってルミナ達が出ていく望みができるってわけよな。


「……本当にそれだかな。」


「うん?どう言う事?」


「だっておかしくない!マーシャあの変態の言う事聞いちゃだめだよ!絶対おかしいって…」


「うへ〜あんまりゆらゆら動かさないで〜熱くて頭がおかしいのに〜そんなに振り回されたら余計におかしくなるよ〜」


「最早抜け殻状態ですねあの子…」


コルデリア…この子立場上今がどういった立ち位置なのか分かってないんだな。

なのに普通に俺の事ディスるし……仕方がないこの子には後ほど皆んなとバラバラになった時言ってやるか。


「コルデリアさんが言うのも一理はありますが、ひとまず今は彼の言う事を聞いた方がいいでしょう。どの道このクエストをやり遂げなければ私達はあの宿を追い出されてロイゼがどうなるのかも分かりませんしね。」


唯一の4人の仲間の一人をそんな雑な扱いでいいのか……


「で、でも……」


「ふぇ〜ひとまず了解だね〜コルデリアも我儘言わないの…いったい誰の為に一緒にいてあげてるんだか…」


「うう…それを言われたら反論もできないわね。」


何だろう。

二人の立ち位置を考えたら確かにマーシャの方が上なのは分かる……でもそのマーシャも今の立ち位置的にはコッチに迷惑をかけている。

その点に関しては何にも思わないのだろうか…


「それでラクト君私達はコレからどうすればいい?」


「え?ああそうですね。まずプレデシアさんの場合…」


おっと待てよここで俺が指示を出していいのか?

さすがにここで俺が指示を出したらゲーム案件になってしまうよな。

それだとコイツらの成長=関係が深まるわけがない。

となるとここでの指示は…


「いやすみません。ここからはそれぞれの判断でやっていただこうかと思います。」


「ええ!!どうしてなの!ラクト君が指示を出してくれなきゃ私達このクエストで同行した意味がないよ。」


何故あたかも俺がお前らを誘導させるのが当たり前みたいな言い方をしてんだ。

図々しいにも程がある。


「……クリューダルさん。それぞれの判断といいますが…コレは全員を成し遂げてのクエストじゃないんですか?正直あなたの指示がなくてもどうとでもなりますが…急にここまできて個別での行動を提案する。あまりにも不本意甚だしいですね。」


いやどっちなんだよ。

寧ろそう言う風に思うならそのまま承諾して、はい分かりましたと言えばいいだろうに…めんどくさい奴だな。


「……はぁ〜不本意と思われようが何だろうがどっちでもかまいません。」


「な!?」


あまりにもおざなりずきる態度が気に食わなかったのかアリシアが突拍子もない声をあげる。


「今回僕がそれぞれの判断と言ったのは皆さんの関係があまりにもよろしくないからです。そんな状態で連携をとってのレアアイテムを回収なんて事はまず無理だと思っての判断を致しました。」


「ほうほう」

「へ〜」

「一理あるかも。」


「そこ!納得しないでください!」


アリシア以外のルミナとマーシャそしてコルデリアが腕を組みながらや顎に手を当てて納得する姿をアリシアが妥協しないでほしいと突っ込む。


「はは、いやまぁ確かにそうだな。けどよラクトそれならそれで色々と面倒な事にならないか?」


「面倒な事?」


「おお。だってよ、それぞれの判断で動いてしまったらそのレアアイテムを回収してる間に横から妙な事をされたら心配で回収する事に集中できないんじゃねぇか?」


「そ、そうですよ!ガイウスの言う通り…何もかもがあなたの考えで事が足りると思わないでください。」


ガイウスの意見する言葉に過剰に反応するアリシア。

恐らくアリシアは俺に独断で動くのが気に食わないのだろう。

まぁその理由は大体予想がつくんだけどな。


「成る程。ガイウスさん達はプレデシアさん達の行動に関してお目付け役がいないと不安で仕方がないって言いたいんですね。」


「え!そうなのガイウス。それって酷くない!」


「そうだよ。私達というより私はそこにいるおてんば娘じゃない。自分の事は自分でやれる。」


「………」


とてもそう言う風には見えないのだけれども……あの変態さんの言う通りお目付け役がいなかったらヤバい匂いしかしないのよね。

でもこのまま変態さんの言う通りにしてもいいものだろうか……うう〜ん。


「御二方はこう言ってますが?」


「いや俺はあくまでも提案をしているだけであって…強制じゃないからな。」


「そこは強制と言ってくださいよ!じゃなきゃ本当に何かあった時どうするんですか。」


「………」


頑なにそれぞれの判断という俺の言葉に何やら否定ばかりするアリシア。

大体話しの流れ的に分かってきたんだが……ルミナやマーシャはともかく、アリシアとガイウスは不安を抱いている。

というのも恐らくだが、コレまでの戦いで個別で動いた事がないんだろう。

それも誰かと一緒にやってきた。

その功績が積み重なって仲間達を支えてこれたのが今に至るわけなんだろう。

つまり俺の言葉に否定的というより中々頷いてくれないのは仲間の誰かが何かしら良からぬ事が起こるのを恐れている。

もしくは………


「はぁ〜ならばそちらでご勝手にチームを作ればいいですよ。僕が何かしら指図するよりかはそっちの方が何倍もいいと思います。」


「……それめんどくさくなったから後は勝手にやってくれって意味なのかしら?」


「まさか。寧ろあなた達の方がかなり心配性されているみたいなのでコッチの提案よりかはそちら側でやった方が効率がいいという話をしているだけですよ。」


まぁ半分は違っているんだけどな。


「じゃあ後はお願い致しますね。」


「あ!ちょっと!」


その場を颯爽に離れていくラクト。

ラクトがその場から離脱したことで周りの雰囲気がこわばってしまう。


「なにあれ!自分で提案とクエストを受けといて、後は私たちに任せるですって!自分勝手にもほどあるわよ!」


「けどコルデリアは別にその方が良いって言ってたじゃない。…何か矛盾してるね。」


「そ、それは……そういう事を気にしてる場合じゃないわよ!」


コルデリアはマーシャの為に色々と思いながら憤慨する。

しかしマーシャはその事に気付いておらず…ただただ何で怒っているのかはよくわからずにいた。

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