クエストでの良し悪しで2人の仲を進展させる作戦を決行
原因が2人だと言う事に未だに気付いていなかった2人に俺は柄にもなく説教をした。
正直この2人には直ぐに仲良くなるんだろうなと思いつつも現実はそう上手くいかなかった為ひとまずこのギルドでの迷惑の件について…後コッチにも被害が及んだという件について、猛省してもらった。
「いいですか。あなた達2人の喧嘩に関して周りに迷惑をかけているんです。更には僕の名前を出して言い争う…前代未聞ですよ。本当に分かってるんですか?」
「うう……でもでもこの子がやたらと私の知ってるラクト君とは別のラクト君の意見を出してくるから…」
「いやそもそもあなたと僕はそこまで親密な仲じゃないでしょう。僕の何を分かってるって言うんですか。」
「そ、そんな事ないよ!ほらラクト君私にはフラットで話すじゃない。それを踏まえたらお互いいい関係だと思わない?、」
「フラット?」
「フラット?」
おっとここでアリシアとコルデリアが疑問文を浮かべた。
そして側から横で笑いを堪えるガイウス。
やべ〜マジで面倒だぞコレ…
「ごほん!それとこれとは話が別です。どれだけフラットになろうと相手との距離が何処まで繋がってるかが問題になります。その事を含めたら…マルティーナさん。」
「マーシャでいいよいつもみたいに…」
ああもう!気が狂うな。
更に疑いのある目で見られるだろうに…
「ええ〜マーシャさん。あなたに関してもそこまで親密な関係じゃありません。あまり僕に関して風評被害をしないでほしい…」
「ん?お兄ちゃんとはちゃんとした良好な関係だよ。ほらこの鎖…コレお兄ちゃんが私の為に作ってくれたんだよ。そう思ったら一心同体だね。」
「な!?」
俺も一応一緒にラクトと一緒にやったんだがな。
てかその鎖にそういった意味はねぇよ。
「ちょっとラクト君!前の時は敢えて言わなかったけど、そう言う意味でマーシャちゃんにその鎖を作ったの!だったら私の為にも何か作ってよ。」
んなわけねぇだろう。
そんなつもりで作るなら最初っから作ってねぇよ。
「マーシャさん。誤解を招く言い方はよしてください。後そう言った冗談はもっと仲良くなってからの人としてください。」
「へ?冗談?」
「うーん。この手の冗談で2人の間を根絶させようとしたんだけどやっぱり無理か…」
な、なんて事を考えるのこの子…何だかやばい子を仲間にしちゃったわね。
わりかしコイツ考え方が煩悩だな。
でもそう言った考えは嫌いじゃないな。
意外にコイツと俺は似た物同士かもしれんな。
「はぁ〜余計な事を考えてないでさっさとお2人の問題を解決しましょうか。まず第一にお2人が求めるクエストは論外です。どちらも僕が求めるクエストではありませんし難易度が高すぎます。殺す気ですか僕の事を…」
「うっ…」
「ほら!私のいった通りでしょう。」
「何でマーシャさんは自分が違うみたいな反応をしているんですか…あなたも入ってる1人ですよ。」
「ガーン!そ、そんにゃ!」
「そもそも今までお2人が受けようとしたクエストはどんなクエストなんですか?宿代目的でクエストを受けてるんですよね?」
「え〜と実は……」
………
「はぁい!!!全くクエストを受けてない!ど、どう言う事なんですか。受けてないって、それなら2人の宿代はどうしているのですか?」
「主に建て替えています。はい…」
「た、建て替えてるって……クローデルさん。それは本当ですか。」
「そうですね。私達が今泊まっている宿の代金はほぼ皆無に近いですね。」
「いや呑気にそんな事言ってる場合じゃないでしょう。急いで建て替える金額を受注しないと。」
「ああそれなら問題ありませんよ。ロイゼが色々と建て替える金額を今まで集めてきた珍しい物を質屋に行って現金に変えましたので暫くは大丈夫なはんめんがあります。しかしもって後2日ぐらいですね。」
そ、そんな事をされていたのか…ロイゼの姿が最近見ないわけだ。
「流石にそれで後2日でどうにかできる保証はないって事ですね。」
宿代が払えないからこのままこの街から出て行ってくれればコッチとしては御の字なんだが……俺からしたら宿代が払えなくて嫌な予感しかしないんだよな。
……そう言った考えをするのはよくないんだが…クソ背に腹はかえられないか。
「ラクト君?」
俺はクエスト以来の貼り付けられている所に目をやる。その中で唯一ルミナ達が受けられそうなクエストを探していると…
「うん。コレでいいだろう。」
俺は手頃のいいクエストを見つけだしそれを受付の方へと持っていく。
「すみませんこのクエストを受けたいんですが…」
「ああ、ありがとうございますってあなたですか。何ですか?クエストを受けたいのですか?」
叱られて早々何か用?なのかと言いたげな顔をしながら俺が出したクエストの内容に目をやるラウラ。
というかもうちょい愛想よくしてもいいと思うんだけどな。
「クエスト…採掘クエストですか。それに難易度は3と……ふむ。コレを受けたいという事ですね?」
「はい。あまり危険性のない難易度と踏んだ上と今回に関して謝罪という意味で受けさせていただきたいと思っています。」
「ほぉ…謝罪ですか。」
謝罪という言葉にラウラは違和感でもあったのか何かしら疑ってくる様子が見られた。
「まぁ別に構いませんよ。あなた達が受けるクエストですし私からとやかく言う筋合いはありません。しかしこのクエストであそこにいる御二方は御納得されておられるのですか?」
そうだ。
コッチが決めて提出したとしても2人が納得いく保証はない。
だから保険をかけて言いくるめる他ないな。
「な!なな!」
「えええ!!」
当然この様な反応をされるわけで…俺としては正直お前らが驚く意味なんてあるのかと突っ込んでしまいそうになる。
「ラクト君!このクエスト私達にとって簡単すぎるよ。それにこの子が多分私の言う通りに動いてくれない。」
「それはコッチの台詞。せっかくお兄ちゃんが作ってくれた鎖に因んで物凄い魔法を見せたかったのにコレじゃ意味がないよ。」
「2人とも僕の話を聞いていましたか?そんなヤバいクエストは受けたりしません。」
「ええ!」
「ええ!」
そもそもコレは2人の仲=サッサとマーシャを仲間に引き入れてくれないといけない話であって俺を支軸にして動かないでほしい。
「しかしよラクト。2人に同意するわけじゃないがこのクエストだと張り合いがなくないか?ただの採掘採取だけじゃ何のせいかも得られない気がするんだが…」
「そう思いますか?なら実際目にしてみればいいと思いますの。そのクエストの差し出し人僕のアトリエのオーナーなんですから。」
「え…」
「そ、そうなの?」
それを聞いたルミナとマーシャは若干申し訳なさそうな顔をしつつ先程文句を言ってしまった自分に反省をする。
「まぁ今回は特別に僕も同行しますんで…それで今回での喧嘩?みたいなのは終わりにしてください。いいですね2人とも?」
「ラクト君が言うならそれでいいんだけど…」
「うん。私は始めっからお兄ちゃんについてきてほしかったから別にいいよ。でもまた今後ルミナと一緒なら話は別だけどね。」
「何ですって!」
「なに!」
「はぁ〜とことん馬があわねぇなコイツら。いい加減にしてくれよ。」
「………クリューダルさん。少しお話があります。」
クエストを赴く前にアリシアが俺に声をかけてくる。
まさかまた余計な事をしてくれやがってと文句を言われるのだろうか?
「あのさっきからちょことちょこと耳に入るのですが…あなたルミナに馴れ馴れしく話をしているのですか?」
「え?いやそんな事はありませんよ。今もほらちゃんと距離を保ちつつ会話をしているじゃないですか。僕が言うのもあれですが、絶対に境界線は引いてる形でいますよ。」
「そうよね。私あれだけあなたに忠告していたんですからそんなはずはないんですが……何かこうお互い秘密があるように思いまして…例えば裏では私の知らない何かを起こしてるような。」
本当鋭い奴だよアリシアは…その才能で色々とルミナは助けられてるんだから…早いとこここから出て行ってほしいんだけどな。
「それは気のせいですよ。彼女のただの思いやがりってやつですよ。」
「何が思いやがりなのかしら?ルミナにそんな口の聞き方許さないよわよ。さっきは黙って見ていたけれど…ああいったやり方でしか解決できないのなら今回は仕方なく目をつむりました。しかし次からああいう態度は私が許さないとだけは覚悟しておいてください。」
結局忠告されんのかよ。
俺コイツに後何回忠告されなきゃならないんだ。
いっそのこと今の俺よりかはルミナ達の前で話してる俺で話した方がいいんじゃないかってそう思ってきてしまったわ。
「ねぇ私からもいいかしら?」
今度はコルデリアか。
次から次へと質問ばっかり…
「はいどうしましたか?」
「さっきから何で敬語なんですか?アトリエにいた時はタメ口だったじゃないですか。というよりもそこにいる女が現れてから敬語になったというか……色々と疑問があるのだけれどどう言う事なの?」
「はい?敬語?何の話しをしているのですか?」
コイツこの場でその話題は禁句だ。
まだアリシアには素の自分を曝け出してないんだ。
というよりも曝け出すつもりなんてないわけで…こんな所で話す話題じゃない。
上手く話を誤魔化す他ないな。
「さ〜て何の話をしているんでしょうね。ほら皆さんクエストに挑みますよ。今日でこのクエストを終わらせるんですからしっかりとやっていきますよ。」




