クエストで2人を親睦させる方法の件についての前に受付嬢の問題について
ラクトが願うようにして2人が変な問題で揉めてない事を祈る。
そしてそれがどうか目の前の状況を確認する。
「何言ってるのよ。ラクト君が選ぶなら難易度的にはコッチでしょう。いくら上級者向けなクエストだからって自分達が危険な目に遭ったら意味がないわ。」
「ふふん!お兄ちゃんなら絶対にこのクエストを挑むよ。そもそもお兄ちゃんがそんな貧弱なクエストなんて挑むわけないじゃない。」
どうやら俺がどのクエストに対して何を選ぶのかを口論してるらしい。
正直どうでもいい口論みたいだし…ここは手頃なクエストを挑むという話をして落ち着かせるか…さてはて2人はどんなクエストを選んで……ああ!
「お兄ちゃんはこの星8クエストを選ぶよ!貴重な素材回収プラス何よりもお兄ちゃんが欲しがる素材が確定で手に入るんだよ。」
「残念だけど難易度的には6ね。コレぐらいの難易度を選ばないと色々と身体に負担がかかるし自由に散策もできやしないわ。何よりも好奇心が大事…何処までも探し求めて探求するのがアトリエ師ってもんなのよ。」
ううん!2人とも俺の為に言ってくれてはいるが…明らかに私利私欲でしか物事を発言していない。
しかもクエストの難易度10段階評価の内どれも半分以上ヤバイ難易度じゃないか。
頭逝かれてんじゃないのかコイツら。
「あ、あの〜2人が相容れない理由ってもしかしてコレの事ですか?」
「主にクエストに出る理由についてはお前が受けそうなクエストを糧にして話し合っているな。正直俺らでも無理な難易度だってのに…ルミナの奴完全にその事を無視して話しやがってんだよ。」
「まぁコレだけが理由ってわけじゃないんですけどね。…分かり合えない理由という喧騒が主にコレなんですよ。なのであなたの事で2人が喧騒するならまずはそこを解決するべきなのではと急いであなたのところに行ったのですよ。」
「それにしてはここにいてから暫く時間が経ったのでは?」
「……そ、そうですね。ガイウス、私がクリューダルさんの所に行ってから未だに2人はここで?」
「ああよくもまああそこまで言い合えるってもんだよ。…おかげで受付嬢さんは困惑してると来たもんだよ。」
確かにあのままだと周りに迷惑がかかってしまうな。何やってんだかアイツら…主人公達が良い迷惑をしてやるイベントじゃないだろう全く。
「……はぁ2人とも。」
流石に止めた方がいいと思い2人にストップの声かけをしようとしたその瞬間…
「うるさーーーい!何をしているんですかあなた達は!」
「!?」
「!?」
「!?」
受付嬢のお姉さんにお叱りの言葉が2人に降り注ぐ。
そして俺はそのお姉さんの事について見覚えがある。
いやそもそもこんな所に何で?と疑問を抱きながら唖然としてしまい頭の中でぐるぐると目が回るかのようにしてフラフラする。
「お、おい大丈夫か、ラクト。」
「あ…は、はい。だ、大丈夫です。」
ま、マジかよ。
もうめちゃくちゃだな。
またもや予想外な展開だぞ。
この受付嬢…ヒラヒラとした制服…
紛れもなくルミナの仲間になる候補の1人だ。
まだ解決にもなってないマーシャの問題があるってのに……なんでこう次から次へと仲間がこの街に集ってくるんだ。
「ここは喧嘩する場所で揉め事を起こす場所じゃありません。ここはクエストを受ける場所です。understand?」
うざ。と心の中で思うラクト。
「うっそれは…そうかもしれないけれど。」
「くっ私は別にここに迷惑をかける気じゃ……あっ!お兄ちゃん。」
しかもここで俺に声をかけてきやがった。
タイミングが悪いったらありゃあしない。
「………あなたがこの2人の関係者ですか?」
「いえ関係者ではありません。」
「そ、そんな!」
「ひ、酷い!」
露骨な反応だな。
「ではこの2人とあなたは関係ないという事でいいんですね?」
「……関係がないとまでは言い切れませんね。」
「……はい?どう言う事ですか?」
「そのまぁ……一言で言うのは少しばかり表現するのは難しいといいいますか……」
ゲームをしている意味では関連性がないとは言い切れないし…かといってここで関係者ですなんて言ってしまえばどうなる事やら……安易に言葉を表せないな。
「だぁぁ!もう萎え切れませんね。関係者なんでしょうあなた達は!」
「いえそれに関しては本当に…」
「どっちでも構いません。そちら側の2人はどうもあなたの事について色々と揉め事をしていたみたいなのでやはりあなたには関係があるとみまわれます。反論の良しはないと思ってください。」
「そんな!横暴な!」
「横暴も何もありません。ひとまずコチラに来ていただきます。色々とここでは多々迷惑をされていますので…その件に関して色々と書類に書いていただきます。」
俺はコイツらの保護者かよ。
てかここにいるガイウスとアリシアは無関係なのかよ。
完全に厄介方に巻き込まれたラクト。
彼女に言われるがまま受付まで移動され迷惑をかけた謝罪文やその他の注意事項を渡される。
「いいですか。あの人達がそれなりのギルドメンバーなのは分かります。かと言ってここでの喧嘩やトラブルは御法度なんです。わかりますね?」
「あ、はい。」
何で俺がアイツらの代わりに怒られなきゃならないんだ。
絶対におかしいだろう。
……にしても
ラクトは彼女を上から下まで観察するように見ながら何かの間違いかもしれないと思いまたよく見る。
しかし……
やっぱりそうだ。
コイツはギルド嬢のラウラ・メーリヒだ。
てかここでギルド嬢をしてるとは想定外だぞ。
彼女はここじゃなくとある田舎での受付嬢をやっていたんだが……何故この街に…
「何をジロジロと見ているんですか。」
「あ、いやその失礼ですが、最近までおられませんでしたよね?もしかして新しい人ですか?」
「……意外にちゃんと目配りしていらっしゃるんですね。……ええ、つい最近コチラに配属になりました。ラウラ・メーリヒです。以後よろしくお願い致します。」
「あ、はいコチラこそよろしくお願いします。」
以後よろしくしたくないけれどな。
「ここはあれですね。平和な場所ですね。」
「そ、そうでしょうか?」
まぁそれを選んでここに済むようにしたんだけどな。
でも何の因果かアイツらの求めるキーストーンとマッチする場所と近かったというのが誤算だった。
そしてアイツらと関わったというのも…
「ええ…少なくとも私がいた所よりかは十分にマシですよ。何せモンスターがひっきりなしに出てくるような場所ですからね。ギルドではクエストがひっきりなしに湧いて出てくるんです。それをひたすら毎晩毎晩毎晩毎晩……はっ!すみません。あなたには関係のない話しでしたね。」
「い、いえ。」
そう言えば客前の顔とそうじゃない時の顔があったな。コイツもそれなりにめんどくさいんだよな〜正直俺が関わらなくたってどうせルミナ達が勝手に巻き込んでいくだろうし…今回は普通にスルーで大丈夫だろう。
適当に反省文書いてだしときゃそれでいいな。
「あの〜受付である私が言うのもあれなんですけど……この地域全体ってモンスターの活動が頻発にあるのですか?」
「え?いやそんな事はありませんよ。先程仰ったように比較的に平和な街でありますね。まぁ強いて言うなら……やたらと最近難易度の高いクエストが増えたぐらいでしょうか…」
それをあの2人は俺に例えてクエストの高い難易度を受けようとしていたからな。
正直来てよかったのかそうでなかったのか……なんか微妙な感じだな。
「成る程……つまり私がここで色々と処理をする必要は無さそうって事ですね?」
「処理?」
「ああ、いえ何でもありません。コチラの話ですので大丈夫ですよ。」
嫌な単語が聞こえたんだが……処理処理処理……あ、あれ?何か忘れてる気が……ド忘れしてしまってるのか?
でもルミナ達の仲間に関してはほぼ把握していたつもりだったんが…コイツに関して記憶がロストしてしまっているのか。
「………」
「あの〜大丈夫ですか?ときたま妙な顔をされていますが…」
「いえ大丈夫です。少しあなたに似た女性の事を思い出しましてそれで迷走していた形ですね。」
「あらお上手ですね。そういったナンパは私には通じませんよ。」
「あははは仰っる通りで…」
「……何故かは知りませんが今の笑いは少しイラッと来ましたね。」
「……何かすみません。」
何でだよ。
そっちが言ってる事に肯定してやっただけじゃないか。
今の笑いの何処に苛立ちを覚えたんだ。
「ひとまず話はコレで終わりです。何かクエストを受けたい時は早目にお願いしますね。くれぐれもギリギリにならないようお願いします。後問題だけは今後一切起こさないようお願い致します。」
「あ、はい。」
尽く俺に色々とぶつけてくるラウラ。
クソ。違う意味でストレスが溜まる。
何で異世界に来てまでストレスを溜めなきゃならないんだ。
そしてそのまま奥の方へとスッと行き俺はルミナ達の所へ戻る。
「ねぇラクト君!ラクト君はやっぱりこのクエストがいいわよね!」
「違うよねお兄ちゃん。お兄ちゃんはコッチのクエストが良いって言うよね。ルミナの言ってる事さっきから自分重視ばっかだもん。お兄ちゃんの事を例えて言ってるみたいだけど…正直嘘っぽいし…やっぱりコッチの方が理に適ってるよ。」
うん。
コイツらは案の定全然反省してないな。
未だに俺を例えてでのどのクエストに挑もうか討論している。
馬鹿なんだなと思いつつも俺はつい本音でこう言ってしまった。
「あなた達は馬鹿なんですか?」




