中々受け入れてくれない新しい仲間に何故かラクトが仲介役になる理由に件について
お兄ちゃんが私にそこまでしてこの人と仲良くさせる意味が分からない。
私達の為だと思って言ってくれているのはわかるけど……何だかそれだけじゃないというのが何となくわかる。
あまり見据えた魔法の力を使いたくはなかったけれど…別に私の事を蔑ろにしたいじゃないって事だけは分かる。
でも今はコルデリアがいるから色々と我儘は言えないし……ああ!コルデリアがいなければお兄ちゃんと一緒に同棲できたかもしれないと思うだけで心が踊っちゃうよ。
は!ダメダメこんな時にそんな事考えちゃ…今は優先すべき事をしなくちゃだよ。
「ねぇマーシャ。私はあの人なら別にいいかなって思うな。あんなロリコンな奴よりも絶対安心だよ。」
「コルデリアは黙ってて。爆破で殺そうとした人が意見なんて述べないでほしいんだけど…」
「うっ!それを言われると何も言い返せない。」
まぁマーシャを殺そうとしたんだもんな。
そりゃあそうなるわな。
「……なぁ因みにルミナの何が嫌だっていうんだ?お前のただの直感って言われてもそんな事どうしようもないぞ。ラクトの言う通り一回話し合ってみれば良いんじゃないか?」
「うん!私もあなたと話してみたい。それでやっぱり嫌いかどう判断してほしいな。」
「………分かった。そこまで言うなら一度話し合ってみる。」
「そうか…」
とりあえずは話は済んだかな。
まだどうなるかは分からないが少なくともコレでルミナとマーシャが仲間になる確率が上がった。
もしかしたら本当にルミナ達はさっさとキーストーンを全て集めてこの街から出ていくかもしれないしな。
………しかしそう思惑通りには上手くいかず10何日が過ぎ…時期的にも暑い夏が近く最中ルミナ達の交友は一向に深まる要素はなかった。
そしてコチラに飛び火が降りかかる。
「ちょっとどうにかしなさいよ!2人がものすごい険悪すぎて居心地が悪いんだけど!」
そうマーシャとコルデリアはあのまま仕方がないという形でルミナ達と一緒の宿へと泊まる事になり尚且つクエストをこなしてお金稼ぎをする事に決めたらしい……正直そのおかげでコチラに来る頻度が下がったのはいいものの…何故かコルデリアが俺に文句をいいに来たのだ。
「はぁ〜それで俺にどうしろと?」
「決まってるでしょう。あの2人をどうにかしなさい!」
また違う意味でトラブルを持ち込みやがって…そもそもそれはお前たち側が解決すべき問題だろう。
部外者の俺に押し付けるなよな。
こんなクソ暑くなる時期に……
「無茶言うなよ。こっちにはコッチの仕事があるんだ。そっちで片付けてくれないか。」
「あなたがあっちの方がいいって勧めたんでしょう。ちゃんと責任が持てないの!男ならそこは責任ぐらい持ちなさいよ!」
めんどくせぇな。
なんでただのガキにこんな事言われなきゃならないんだ。
しかもストーリー上関係ないついでキャラにこんな事いわれる始末だし…マジで意味不明だな。
「はぁ〜その内ちゃんと2人とも分かりあう時がくるって…それまで我慢しな。」
「もう10日近く我慢したわよ。あの場で1番居た堪れないのは私なのよ。」
「知るかよ!お前がマーシャの事を殺そうとしたのに何で俺がお前の文句やお願い事を聞かされなきゃならないんだ!普通そこはもうちょっとオブラートに包みながらお願いするとかあるだろう!」
「な、何よ急に怒鳴って…か弱い女の子に対して…そんな言い方…言い方って…」
「あ…やべ。」
ジメジメしたこの環境で相当苛立ラクト。
むしゃくしゃしてしまいとうとう切れた反応をしてしまいマーシャが今にも泣きそうになる。
「ああ〜もうお兄様ったら女の子にはちゃんとした礼儀作法で接してくださいって昔お父様とお母様に言われたじゃないですか。なのに泣かせるなんて…泣かせるなら私の事を泣かせてください(違う意味で)」
「お前は少し黙っててくれ。完全に違う意味にしか聞こえない。」
「ぐすん!……ふん!別に私アンタなんかに頼ってなんかいないんだからね。こんな事で泣いたりなんかしないわよ!」
いや今まさにこの現状に対してお前は俺に頼ってきてんだよ。
それに関して俺の方が泣きたいんだよ別の意味で…
「分かった分かった。というかコレに関してももう5回目だ。何度も聞かされてうんざりしてる方の身にもなってくれ。」
「そ、そうよね。普通考えたら私だって嫌だわ。あまりアンタの気持ちも考えないで来てしまった事悪かったわね。」
お…意外に素直な所で謝ってくるんだ。
ちょっとは俺の前でも礼儀正しくしてくれてるのか。
「けど!もう5回目よ5回目!そろそろなんとかしてくれてもいいんじゃないの!」
ううん〜この子は鳥頭かな?
今言った事に対して全然悪びれる要素もないじゃん…なんなのこの子のメンタルは…
「………そうだな。色々と時間が経てばそれなりにどうにかなるかと思っていたんだが……やっぱりどうにもならないのかもしれないな。」
「完全にどうにもならないのよ!コレじゃあおめおめとここに住んでられないわよ。」
おめおめって…ちゃんと自分にも罪悪感があるんだな。
バタン!
「失礼します!」
「はぁ〜今度はなんなんだ。」
次から次へと…俺に何かをふっかけないと気が済まないのかルミナパーティーは…
「え?今何か言いましたか?」
「……いえ何も…所でどうかなさいましたか?」
「………敬語?」
コルデリアはラクトが敬語を使って話している事に疑問を抱くがそのまま無視をしつつ突然入ってきた、アリシアの対応をする。
「………はっ!そうですそうです。あの子いったいなんなんですか。突然ルミナがマルティーナ・マーシャの面倒を見るとかいいだして可愛い子が入ってきたのだとばかり思ったら全然可愛くないじゃないのよ。どうなってるのよ!」
何か違うベクトルで文句言われてる気がする。
「え〜と、その…それで?具体的には?」
「そうだったそうだった。別に可愛いとか可愛いくないとかそっちはどっちでもいいんでした。あの子がやたらとあなたの事について話してくるのよ。いつお兄ちゃんは来るのか?何でお兄ちゃんのようにできないの?とかもっと上手い錬金術のやり方があるんじゃないの?とか…もうーー!!文句っばかりでコッチは良い迷惑よ!」
ふっ気が合うな。
俺もお前に限らずルミナ達が来てる事に良い迷惑を抱いてるよ。
「……お、恐ろしいですね。自分に限らずルミナさん達の事に関してはここに来る事に良い迷惑を感じないとは…コレがギルドという役職なのでしょうか。」
セピリアがいつにもまして顔を引き攣りながら引いてる姿して正直驚く。
セピリア自身もそうだが…そのセピリアがドン引くってよっぽどなんだなとそう思ってしまう。
「ふぅ…それに関しましては以前にあなたにも話したでしょう。コッチに預けるよりかはそちらで面倒を見た方がいいと…あなたも賛成したはずですよ。」
「ええそうですよ。あの時まではそれで良かったわ。でも段々とおかしいと思い始めてきたのよ。やたらとあの子ったらあなたの事ばかり言ってきて…錬金術がどうのこうのと言ってくるのよ。聞いてるコッチ側ではうんざりで仕方がないわ。」
まぁそれは誰しもが思う事だな。
急に誰かに例えられてこの人はああだった。
あなたはあの人みたいに違うんだね?
みたいな煽り文句ではないけれど…誰かに例えられてあれこれ言われるのは腹が立つ。
その辺に関しては俺がいた世界でも同じだったな。
あ〜あの社畜な会社が懐かしいよ。
「な、何で泣いてるのですか急に…」
「うわ!気持ち悪…」
「おっと!失礼しました。つい感情移入してしまいました。」
「か、感情移入……よくは分かりませんがとにかく何とかしてください。」
「何とかしてくださいって……僕には僕のプライベートな時間があるんです。コレから夏に向けてどんな装飾品を作ろうかねってるんですから。」
「……僕?」
またもや俺の言動に対して疑問を抱くコルデリア。
やばいな…コルデリアには俺の表と裏の側面で入れ替えてるという話をしてなかったけか。
後で説明するから今は何も言及しないでほしい…
「そんなのいつでも考えられるじゃないのよ。今はコッチの問題ですよ!ほら一緒に来てください!」
「え!ちょ!まっ!」
無理矢理連れて行かれるように引っ張っていくアリシア。
俺の事嫌いな筈なのに頼ってくるか普通……
「あ!待って待って!」
「………あの〜今日のお店はどうすればいいのですか。……はぁ〜今日は店仕舞いですね。」
………ギルドハウス
「やれやれどうしたもんかな。」
ガチャン!
「失礼しますよ。」
「おうアリシアかって…なんだラクトを連れてきたのか。」
「ええ。あまりにも収拾がつかなさそうでしたからね。それで今の状況は?」
「見ての通りだ。」
「クリューダルさん。今の状況を見てあなたがこの状況でどう対応するかやってください。私達であれこれやってもダメでしたので…ここからはあなたの判断に任せます。」
いやそれはそれでどうなんだ。
完全に俺に放り投げてる気がするんだが…というよりも何でギルドハウスで問題を起こしてるんだ。
何かのクエスト問題か?
本当に俺にどうしろって言うんだよ。
頼むから簡単で事が済む話にしてくれよな。




