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表の顔と裏の顔

しかし外面をしていたのにも関わらず…もう2人には裏の顔が剥がれてしまった。

これじゃあ後の2人にも俺の素に気付くのも時間の問題だ。

お願いだから早くこの街から出て行ってくれないか。

キーストーン2つさっさっと見つかってくんないかな。


「ま、まぁその辺に関しては確かに厄介な部分があって大変かもしれないけれど…でもそれ以外での側面に関しては今のラクト君を表側だってても私はいいんじゃないかなって思うんだけどな。」


今後の私と交友を深める為にもね。


「いやいやそれはないな。第一こうやって話すのもセピリアや兄貴ぐらいなんだぞ。それ以外でこうやって話してしまえば俺の立場が色々と危うくなるっての…」


ここまで培ってきた運を今の俺の素でやって行ってしまえば何処かしらで転ぶ可能性がある。

いや既に転んでしまってる事もあるかと思うが…今はノーカンノーカンだ。


「お前の立場って…何処かの貴族のお坊ちゃんじゃあるまいし…寧ろここにいるルミ…」


「ガイウス!」


「おっとすまねえ。」


「寧ろここにいる?……誰か貴族関係の奴がいるのか?」


「ううん。いないよいない。もうガイウスったら変な事言って口走らないでよ。」


「わ、悪い今のは聞かなかった事にしてくれ。今のは俺の戯言だ。」


「?そ、そうか。」


何の戯言なんだ?

けどこの2人が貴族関係って話しは……いやなかった気がするんだが……あれ?でも確かルミナって何かの御曹司の娘じゃなかったけか?

ううん?それって一応貴族扱いでいいんだけか?


「に、にしてもだ。マーシャの奴いつ来るんだろうな。もう出来上がってるもんは出来上がってるのに…」


「さぁな。その辺に関しては有耶無耶だし…その内ひょっこりと現れてくるん…」


バタン!


「こ、ここに!お兄ちゃんはいるか!」


「………」


とんでもない無礼な奴が店に現れた。

しかも噂をしたら影とやらで…


「お、お兄ちゃん?へ?お兄ちゃんってもしかして…」


俺の方を見るな見るな。

話が何か拗れていく未来しかみえん。


「ちょ、ちょっと!いきなり店に入ってそれはないでしょう。後その訪ね方でいったい誰がわかるのよ。」


お?コイツはあの時いた爆破女か……って事は色々と2人で中直りでもしたのかな?


「いらっしゃい2人とも。数日ぶりだな。元気だったか?」


「元気だったかじゃないよ。ここに来るの相当遠回りしちゃったんだよ。私に何か言う事はないの。」


「あの時とはえらくその何と言うか…」


「図々しい奴だな。」


「なんだと!」


ガイウスが俺の代わりに代弁をしてくれる。

お前もその子のうちの1人なんだけどな。


「ほらやっぱり急にきたら失礼だよ。普通こう言うのは予約とかしてくるんでしょう。」


「………」


「な、何?」


「いやあの時爆破した子にしてはやたらと礼儀正しいんだなと思って…」


「は?何この人…もしかしてロリコンなわけ。めちゃくちゃ気持ち悪いんだけど…」


前言撤回。

礼儀正しいなんてもんじゃない。

ただのクソガキだった。


「ちょっとコルデリア。幾らなんでも失礼すぎる。お兄ちゃんに謝って。」


「お、お兄ちゃん……ぐぬぬ。妹は私しかいないはずなのに新たな妹属性登場ですか。お兄様何なんですかあの子は!」


「うんちょっと黙ってような。」


さすがにセピリアがでしゃばってきたら話がこんがらってくるからここは静止させよう。


「でも!お兄様!」


「お兄様って…お兄ちゃんその子妹なの?それでお兄様って言わせてるんだ。ふ〜ん。へ〜…」


「うわ…やっぱりこの人生粋のロリコンなんじゃ…」


「いやそうじゃなくてだな。」


「そうですよ!お兄様は私の事が大好きなんです。紛い物の妹さん達はどっかに行ってください!」


「頼むから〜俺の話を聞いてくれよ〜」


もうめちゃくちゃな展開になってしまい。

俺はひとまず全員が落ち着くまで暫く黙り込むことにした。


「お前ら勝手にべらべら話してラクトを困らせんじゃねぇよ。」


「べ、別に困らせたいわけじゃなかったんだけど…ごめんねお兄ちゃん。」


「むむ!だから私の…ぐむ!ぐむむ!」


「はいはい〜セピリアちゃんはひとまず黙っておこうね〜話が進まないからね〜」


ルミナが気を利かせてくれてセピリアと一緒に奥の方へと引っ込んでくれる。


「ふぅ〜ひとまずこれでゆっくり話せるわけだが…」


「何よ。コッチみてんじゃないわよ。」


一人とっつきにくい奴が未だに俺を睨んでくる。


「コルデリア落ち着いて。お兄ちゃんは良いお兄ちゃんだから大丈夫だよ。」


それでもコルデリアという女の子は俺の事を警戒しながらマーシャの背中から身を隠してひょっこりと顔を覗かせる。


「はぁ〜まぁ別に好かれようが好かれまいがどっちでもいいんだけどな。」


「な!?それって私がチンチクリンだって言いたいわけ!」


「もういい!この展開はいい!どいつもコイツも勝手に過剰反応して飛躍しすぎなんだよ。」


「ねぇマーシャやっぱりこの人達にお願いするのやめようよ。他にも違う人に頼めばいけるよ。」


「コルデリア…元々私を殺そうとしたんだから今は私の言う事を聞いて…」


「ぬぬぬぬ。」


ぬぬぬぬって何だよ。

どんな苦渋の言い方だよ。


「お兄ちゃんこの前言っていた装飾品の事なんだけど…」


「ああ。ちゃんと石英でガイウスと一緒に鍛錬させて作っておいたよ。いつでも取りにくると思っておいてあるんだ。今取りに行ってくるから少し待っててくれ。」


俺はそのまま装飾品コーナーの近くにある場所に大事にしている箱の中から1つの鎖で繋がっている装飾品を取り出しマーシャの方へと持っていく。


「ほら。コレでいいか?」


キラキラと光る鎖。

勿論金属製な為ジャラジャラと音はなるがそれなりに頑丈には作ってある。

マーシャにとってコレをどう扱うかは分からないが一応約束は果たした。


「………うん。バッチリ。エルゼの言う通りお兄ちゃんに頼んでよかったよ。」


「別に俺だけのおかげじゃない。ガイウスにも手伝ってもらったんだ。お礼ならほぼガイウスに言ってくれればいいよ。」


「ガイウスがね〜〜」


「おい。何か言いたい事があるなら言えよ。」


「まぁ一応お礼は言っておこうかな。」


「けっ!可愛いくねぇ奴だ。もっとこう子どもらしく喜んだらどうなんだ。」


「自分の魔力を上げる為の道具で誰かの為に使う物じゃないから素直にお礼は言えないかな。いやもう言ってるようなものだねこれ…」


「何だかあの時の神殿の対応と違ってやたらと雰囲気がおかしくなったというか……大人になったって感じがするな。見た目は子どもなのに…」


「ああ?私の容姿に何か文句でもいいたいのか?ぶっ飛ばすぞこのやろう!」


「急な喧嘩モード!……お前わけわかんねぇな。」


「それよりもだ…その子コレからどうする気なんだ?お前を殺そうとしていたんだろ?もしかして一緒に暮らしていくのか?」


「うん。暫くはコルデリアは私と一緒にいる事になったね。まぁただこの街に暮らす為のお金がないから問題点はそこになるんだけどね。」


「成る程な。」


まぁその辺に関してはギルドへ行ってクエストをこなして稼ぐという方法が1番ベストなんだが……正直ルミナ達の所へ仲間になったら1番話しが早いんだよな。


「おう!だったらここで働けばいいじゃねぇか。」


「え?」


「お、おいガイウスお前何を…」


「いや金がないならここで働いてもらったほうがいいだろう。それに部屋なら俺が開拓させて住み込みさせてやったら一石二鳥じゃないか。」


余計な事をしてんじゃねぇよ。

ただでさえセピリアがうちにいるだけでも嫌だってのにこの二人と一緒に暮らすなんてそんなの…


「そんなの冗談じゃないわよ!いやよこんなロリコンみたいな奴こっちから願いさげよ。」


おお言い事いってくれるじゃねぇか。

そう言った強気で言ってくれるのなら俺はありがたいね。

ロリコンは余計だが…


「まぁそうだな。いくらなんでもここに住まわすなんてさすがに急すぎる話しだし…2人とも困るだろう。しかもそれはただの凌ぎにしかならない。本当に生活面で考えていくから俺はルミナ達と一緒にいる方を推薦するな。」


「ルミナ?」


「そう。ここにやたらと入り浸る迷惑な奴だな。」


「ちょっとラクト君!今のは聞き捨てならないわよ!」


そう言って奥の方に行っていたルミナが扉をバンと開けてコチラへと近づきながら涙目になって何が迷惑なのかと訴えてくる。

というか自覚ないのか未だに…


「………その人がルミナ?」


「あ、ああ。コイツがルミナだ。やたらとわんぱくな性格はしているがきっと2人は仲がいいと俺は思うぞ。」


まぁちょっと違った形での対面にはなってしまったが…コレで一足早く仲間になってくれて俺のアトリエから出てってくれればそれで問題はないしな。

エルゼには頼まれていたけれど…それが別にルミナ達でも良いって言ってたわだし何も問題は…


「え?絶対嫌なんだけど私そこのお姉ちゃんとは相容れないそんな感じがする。」


「………」


あれれ?まさかのここでゲーム通りのシナリオイベントだと?

いや確かにマーシャなルミナの事を嫌ってはいたがアレは確か魔法と錬金での違いで言い争ってからの話しだったはず。

ここでいきなりルミナの事を嫌うのはおかしすぎる。


「相容れないって……いやいやまだ話し合ってもないだろう。それにもしかしたら気が合うかもしれないだろう。」


「そんな事はない。私には分かる。」


「いやだとしても…そんな直感だけで分かるわけじゃ…」


「ううん。直感だからこそ分かる。私には相手の心を覗ける魔法があるんだから。この人は私とは相容れない未来がわかる。」


そんな事言っていずれは仲間になるんだからそんな未来無効なんだよな。


「なぁそんな我儘言わずにさ…ルミナの事少しは知ろうとしてみないか?」


「お兄ちゃんこそしつこいよ!何で私にそんなにあの人と一緒にいさせようとするの。もしかしてお兄ちゃん…」


やばさすがに前のめりすぎたか…もしかしてマーシャ俺の事を疑っているんじゃ…




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