再びラクトのアトリエ再開と思われきや懲りにずに来るアトリエ主人公達
あの力は特定の誰かであれば恐らくだが扱える品物だと俺は思っている。
しかしあの場所では誰しもが扱えるわけじゃないってのは内包させる前に分かっていた。
だからああするしかなかった。
自分の腕一本無くなるかもしれないという駆け引きという時間と共にあの錬金魔法を使ったんだ。
「腕一本取られていくって……何考えてるのよラクト君は!」
「そうですよお兄様。今の聞いてセピリアはゾッとしました。片腕がなくなって帰ってくるお兄様……私はそんなお兄様の姿なんて見たくありません。」
セピリアが珍しく荒々しい声を出しながら俺の心配をしつつ怒鳴る。
ガイウスに言われてなければこんな話ししたくなかったんだが…最早致し方なかった。
「それは…そうかもしれないがあの時は窮地だったからな。すまないがそこは許してほしい。」
「ぐすん…例えそうだとしても今後は絶対に控えてくださいよ。私そういった冗談は嫌いなので……」
「セピリアちゃん。」
ルミナは本当に心から俺の事を心配して泣いてくれているセピリアにかけよりながら安堵させる様に抱きしめる。
……そして俺は改めて実感した。
セピリアはここの世界では俺の事を慕っている妹。
そんな兄貴がいなくなるという恐怖はどんだけ考えていても考えたくはない。
だからコレからは気をつけようと改めて思った。
「………」
「ラクト俺からお前に1つ注意してやる。」
「ガイウスが俺にか?」
「茶化すな。真面目な話だ。お前心半ば別に心配かけなければそれでいいだろうと思っていたかもしれないが…それはお前自身だけの話しだったらの事だ。……既にお前は多くの人達と和睦を組んでいる。それ相応の心配はされると思っておけ。」
「………ああそうだな。」
ガイウスの言葉俺の心に痛いほど痛感する言葉だった。
そうだルミナ達はともかくセピリアや兄さん達にまで心配させるわけにはいかない。
この身体が俺の身体という事にはなっているが…もしかしたら別の誰かの身体だったという可能性だってある。
それを噛み締めてこの身体を大切にしていかないとだな。
「………?多くの人達と和睦だって?俺のここでの知り合いはセピリアぐらいだが?」
「おおい!」
「ちょっと!」
「あははははは。悪い悪い冗談だ冗談。」
少しスカした感じで話しをしてしまったが…コイツらに気付かされる事になるとはな。
やはり普通の世界とファンタジーな世界ではこう言った大事な事はどの世界でも変わらないんだな。
自分の命は第1に大事。
当たり前の事かもしれないが……ここでの俺の優先順位は恐らく他人なんだろうなってそう思った。
しかし……第1目標である自分のアトリエ生活は変わらない。
だからコイツらに何かに気付かされたという意味合いでは感謝するが…その辺に関しては邪魔されたくないというのが本音である。
……二つ目のキーストーンを回収してから数日ラクトとガイウスはマーシャがいずれくるかもしれないという事で2人はマーシャの為の装飾品を作り…マーシャが来るのを待つ。
「そのマーシャちゃんって言う子…神殿で会ってから数日たったけれど…全然現れてこないわね。何かあったのかしら?」
「さぁな。けどアイツがここへ来るというのは確実なんだろうが…果たしてどういった面持ちでくるのやら…」
「ガイウス何かその子に対してやたらと辛辣じゃないかしら?」
「まぁな。あの時はやたらと好き放題に言われたからな。」
「だとしてもよ。その子まだ小さな事なんでしょう?あまり刺々しいのは勘弁してしてよね。」
「場合によるな。」
「ちゃんと肯定したい頂戴よ!」
「お・ま・え・ら・な……いい加減にしろ!!」
あたかも当たり前のようにアトリエに来る二人組。
ルミナならまだしもガイウスまでもが最近入り浸るようになった。
あの時にマーシャの為の装飾品である鎖紐を作って終わりかと思いきや…やたらとフレンドリーになって困る。
やはりあの神殿での俺の態度でガイウスが俺への見方が変わったんだろうな。
けどそれなら普通関わりたくないと思うんだが……いや今更かこんな事を考えるのは筋違いか。
「なんだよラクト。別にケチケチするなよ。遊びにきちゃ悪いのか。」
「悪いに決まってるだろう。ここはアトリエであって遊び場じゃない。商売の邪魔になるから帰ってくれないか。」
「けど一年分ぐらいのお金が貯まったんだろ?ルミナ達のおかげで…」
「ぐっ…それを言われた言い返せないな。」
「だっははは!ルミナ達の看板娘に礼を言うんだな。」
「う〜ん。私としてはもっと可愛い服装とかで売り出しをしたかったな。」
「いや何故当たり前のようにこの店の宣伝をしようと考えてんだ。お前達は関係ないって言ってるだろう。」
「もう!しつこいな!」
「お前がだよしつこいのは!」
お互い睨み合いながら2人ともそこは譲らないと言わんばかりの態度をみせ側からみていた2人はヤキモキする。
クソ!ルミナのやつま〜たラクトと親密な関係になってやがる。
さすがにそろそろ引き離す方法を考えねぇといけねぇな。
何だかお兄ちゃんが最近楽しそう。
でも私的にはちょっぴり複雑。
せっかく2人でのアトリエをやっていけると思ったのに…コレじゃあ私がここにきた意味がないよ〜
「むむむむ。」
「ぐぬぬぬ。」
「な、何?何か物凄く睨まれてる気がするんだけど…」
「お前がガイウスの事構ってやらないから拗ねてるんじゃないか。」
「え……何で?」
「何でってそりゃあお前……いや何でもない。」
ガイウスがお前の事を好きなんだろう。
何て事口が裂けても言えやしないな。
本人同士の問題だし外野が口を出すのもおかしな話しだしな。
……てかゲーム内で知ってる事とは言え相手の気持ちが分かってるというのも何だか気が引けるな。
「ちょっとラクト君。途中でやめられたら気になるのじゃないのよ。」
「うお!急に顔だしてくんな。」
少し思い耽っていた間にルミナがひょっこりと顔を出して驚いてしまう。
マジで心臓に悪いから接近してくるのは勘弁してほしいもんだ。
「何よそれ!私が近づいちゃいけない事でもあるわけ!」
「単に驚いただけって言ってんだろう。飛躍しすぎだ。」
「ぶう!!!何よ何よ!もう!」
ルミナは俺の背中を痛くもない力でポカポカ背中を叩いてくる。
そう言うところが誤解を招くから本当やめてほしい。
「おい!さすがに俺らの事をほっといてイチャイチャしすぎなんじゃないのか?」
我慢を切らしたのか…ガイウスが俺らのしている行動に指摘をしだす。
「い、イチャイチャなんて、し、してないよ。ね、ねぇラクト君。」
動揺しすぎだろう。
そんな態度だと余計に怪しまれるだろうが…
後そんな素振りもない癖にそんな表情やめろ。
「ぐぬぬぬ!お、お前なんかに絶対負けねぇからな!」
「??ラクト君に何に負けないの?」
「コッチの話だ馬鹿野郎!」
「ちょっと!何も泣かなくてもいいじゃないのよ。本当に何なのよ。」
はぁ〜コレが鈍感主人公ってやつか……ガイウスの奴不憫だな。
「全く騒々しいったらありゃあしないな。……あっお前らに1つ言っておかなければならない事があった。一応だけどお前達2人とセピリア以外には今の俺の事について話すのはやめてくれよ。」
「え?もしかしてまだガイウスだけなの?」
「ああ。素性がわれているという言い方もおかしな話しかもしれないが…こういった話し方をしてるのはごく少数なんだ。」
「そ、そうなんだ。それって本当なのセピリアちゃん?」
「私としてはどちらのお兄様も好きなんですけどね。でもやっぱり俺系のお兄様が1番ですね。」
「そんな質問をルミナは知ってなかったと思うがな。」
「というよりも気になっていたんだが…何でお前外面なんてしてやがんだ?別に表側のお前を隠す意味ないだろう。」
「……まぁそう思われても仕方がないよな。……こうやって素で話しているのは正直仕方がないという部分もあるんだ。お前達だからっていうのがあるしもうどうしようもないってが分かってるからこうやって話しているにすぎない。」
「……な、何かこっちが質問してあれだが…俺達ディスられてないか?」
「そうかしら?単純にお互い言い合える仲だっていう意味で私は捉えてるからそういう風には思わないわね。」
ルミナに聞いたのが間違いか?
あの2人から聞いたら俺と同じ意見だと思うんだが…
「それに俺が外面でいるのにはわけがある。」
「ほうそれは?」
「………単純にめんどくさい事に関わりたくないからだ!」
「へ?」
「ん?」
俺の意図する言葉の意味が分からなかったのか2人は素っ頓狂な顔をして何を言い出しているんだというような返事をする。
「ちょっと待ってくれ…そのめんどくさい事に関わりたくないって具体的には何を指すんだ。」
「ん。」
ラクトは言葉を返さずそのまま指を2人にさす。
「俺達の事か!」
「どう考えたってお前達以外の何があるんだよ。ここ最近で頻繁に厄介方に巻き込まれていると言っても過言じゃないぞ。」
「そうか?」
「どうかな?」
「その辺に関しては息ぴったりかよ。腹が立つな。…だからそう言ったトラブルを避けるために清楚な振りをしてトラブルを避けていってんだよ。野蛮な言葉や生意気な口を使えばそれだけで気に食わない奴がいるしな。」
「なんだそいつは!いったいどんな奴なのか顔をみてやりてぇぜ。」
「………」
「………」
「………」
この場にいる3名は確実にガイウスみたいな奴だと口は出さないが目線で横目で見ながら敢えて突っ込みはしなかった。




