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エルゼのお願い事

おいおいラクトどう言う事だそれは…


「え?わ、私達に預ける。な、なんで?」


「俺はアトリエで色々と忙しいんだ。2人の事を俺がずっと側で見られるわけがない。だからルミナ達に見てもらうんだ。」


「うーーーん。まぁ別に私はいいんだけど…あの子達がそれをどう受け止めてもらえるかしらね。」


「大丈夫。俺が言いくるめておくから。」


ラクトが言いくるめるんだ。

お前が言いくるめるんだな。


「まぁあなたが言うのなら別にコレ以上は言わないでおくわ。」


「よし。ならこの件での話は終わりだな。」


「そうね。あ、それとなんだけど、あの子に作ってあげる装飾品の事なんだけど…」


「ああ、それは大丈夫だ。俺がちゃんとした物を作って渡すつもりだから心配するな。それには…ガイウス。」


「おお!俺の力が必要なんだろう。任せとけってんだ。」


「ルミナ悪いけど暫くガイウスを借りてもいいか?」


「勿論よ。いくらでも使ってあげて…」


もしかしたらガイウスといると一緒に楽しくなって仲間になりたくなるかもしれないしね。


「おい。俺は物じゃねえんだぞ。」


「いいじゃないのよ。いつも素っ頓狂な性格してるんだからこう言う時ぐらい足となって働きなさい。」


「俺はお前に今までそう思われていたんだな。」


ああ〜何かガイウスが不憫に思えてくるな。

まぁ日頃の行いだとは思うけど…


「さてさて、あなた達がそうやって決めてくれるおかげで私も今から出発できそうだわ。名残惜しいけど行くわね。」


「あ!ちょっと待ってくれないか。俺から少し話がある。まぁここにいる全員を含めて話を聞いて欲しいんだ。」


全員が何だろう?という顔をしながらラクトが何の質問をしたがっているのかを疑問に抱いて振り向く。


「あの神殿で起こった事なんだが……単にモンスターがキーストーンによって暴れただけといのはとてもじゃないが如何ともし難い気がするんだ。」


「え?それはさっき話したんじゃなかったかしら?」


「ああ。だからここにいるエルゼを含めて改めて話を聞きたい……エルゼはあの場所でモンスターが活発になった理由…妙に不自然じゃなかったか?」


「……ハッキリと分かったとまでは言えないけれど…少なくともキーストーンが要になっているのは間違いないわね。あなた達が今後キーストーンを入手するんだったら気をつけた方がいいわよ。」


「……それについてまだ聞きたい事がある。セイクリッドという力は具体的に何を表しているんだ?」


「ああその事ね。」


「セイクリッド?何それ?」


「やっぱりルミナも分かっていなかったんだな。キーストーンにはセイクリッドという力があるらしい。」


「セイクリッド……私何も聞かされていないんだけど…」


「聞かされてないのも当然ね。あなたの守護する精霊はあなたにその秘密を隠していた。大まかな説明は省くけれどその力はあなたにとって脅威的になる可能性があるわ。」


「私は特にそういった力を必要としてないかな。単純に証拠としてそれを発見したという評価を得られたいんだもの…」


「???評価を得られたいっていったい誰にだ?」


「あ、コレは別件の話になるわね。ごめんなさい。今のとさっきのキーストーンの話については忘れてちょうだい。」


何の話しだ?

ルミナにそんな設定付けになる話しとかあったけか?


「そう。あなたがキーストーンを悪用しないって事だけは分かったわ。……ただあの精霊だけには十分に注意しておきなさいね。何処で私達の会話を聞いてるかは分からないけれど…少なくともこの会話を聞かれてる場合があるわ。」


「聞かれてる前提で話してるって事か?じゃあここでキーストーンの事について話しても無意味なんじゃないか?」


「そうか?俺は少しでも確信に近づけられるなら聞かれても特に問題はないと思っている。ただ今まで通りでアイツが俺達に何をどう接してくるかは分からないけどな。」


裏切る要素は絶対にあるんだ。

それが今の会話の流れでエスカが俺達に何処まで利用するのか…ギリギリの所で見定めなくてはならない。


「って俺には関係のない話しなのに…なんでそこまで練り込まなきゃいけないんだ。」


「どうかしましたかお兄様?」


「いや何でも…」


「あの〜1つ私からもいいでしょうか?」


そういえばこの話セピリアには関係の無い話しだったな。

なのに質問があるのか?

いったいどんな質問なんだ?


「そのキーストーンって言う名前の石についてなんですが……ギルドの方で色々とお話しされているみたいですよ。」


「え!ギルドの方で話がされてるってどう言う事なの!」


「もしかして、何かしら流通されていたりしてるって事か?」


「それはない話しだとは思うけど…もしかしたら可能性はあるわね。」


「ギルドの方で話がされている……セピリアそれって大事になっているのか?」


「いいえ。ただそう言った名前の石が何なのかという話しであちこち噂になっているらしいです。大事にはなっていませんね。」


「おいおい何だか聞いてた話しとえらく違うじゃねぇか。キーストーンについては機密事項なんかじゃなかったのか?」


「そのはずだったんだけれど…何処で情報が漏れたのやら……というよりもキーストーンを知ってる人が他にもいたというのが私としては不思議ね。」


キーストーンが他の人に知れ渡ったりそれをクエストで出してる奴がいるというのはもしかしたらそれっぽいというニュアンス的な人がいたりいなかったりというのがゲームで出てくるおまけみたいなクエストにはなっている。

けれどこうも話の展開が早すぎているのも些かおかしな話し…やっぱり時間軸のズレか…


「なら俺達がここでどうこう言っても仕方がねぇって形か………それならいっそのことキーストーンを俺達で回収した方がやっぱり早いか…」


「そうなるかもしれないわね。ただそれをするには残りの2つの神殿の場所を調べないといけないそれまではラクト君のアトリエに入り浸らないといけないかな。」


「いや何でだよ。普通に探しにいけよ。その方が早いだろう。」


「ああ!そうやってまた私を除け者扱いにするんだね!よくないよそれは!」


「だから何でだよ。別に除け者とかそう言った話はしてないだろう。……てかここに居座るな。」


「でもよ。ここなら他の客が来たりするから寧ろ情報集めには最適なんじゃないのか?」


「ああ!とすれば必然的にここへ来てどうだったのか確かめられるって事だよね。冴えてる〜!」


と最悪な提案をしたガイウスの背中に思いっきり叩くルミナ。

本当最悪だよ色々な意味で…


「ああならあの子が1番あなた達にとって使えるかもしれないわよ。元々あの子もキーストーンの事について探りを入れていたしね。」


「探り?……あ!マーシャの事か…」


「そうそう。あの子なら多分言ったら協力してくれると思うわ。キーストーンの事についてはあの子がより詳しいもの私よりも…」


「キーストーンの事について場所か……確かにマーシャの力があればそれはわかりそうだな。」


「但し…あの子の力は万能なわけじゃないのよ。それだけはちゃんと話し合ってどう協力するか決めておきなさい。もしかしたら誰かが不幸になる可能性だってあるかもしれないからね。」


不幸か……もしかしてそれってマーシャの魔法の一部の力か?

確かにそんな力があった気がするな。


「さてさて私はそろそろ離れるわね。恐らくもう少ししたらあの子達がここに来るかもしれないしね。」


「???待て待て何でここにマーシャ達がくるんだ。」


「行く場もない子達が求めてくる場所といえばここしかないでしょう。」


「いやいやギルドの方へ行くという選択肢もあるだろう。」


「まぁそうかもしれないわね。……でもそれってどっちみちここにくる事は変わらないと思うけどね。」


「うっ……確かにそうかもしれない。」


「けど今日ここにくるかどうかは定かじゃないからまだ分かんないけれどね。」


「だとしてもここにくる選択肢は変わらないって事なんだな。」


「そうでしょうね〜きっと…」


はぁ〜俺のアトリエライフがどんどんと遠ざかっていく未来しかみえない。


「おっとさすがに長居しすぎちゃったわね。あなた達はコレから大変な事だらけだとは思うけどまぁ頑張っていって頂戴ね。……あ!それとラク君。」


「あ?」


「やっぱりその素のあなたが1番よ。早いとこ仲間達と打ち解けなさいよ。」


「……」


キーバタン。


そう言ってエルゼは俺のアトリエから出ていく。


「………仲間って…もしかしてここにいる2人の事を示しているのか?」


「はは、側からみたら仲間だって思われていたんだろうよきっと。やっぱりお前は俺達と仲間になるしかないんだよな。」


「やめろ。冗談でも話にならないだろう。それにあの時に限っての限定みたいなものだ。こうやって素がバレてしまってるのも致し方がないと思っている。」


「そうかそうか。それならそれで仕方がないが……さすがに仲間じゃなくても気付きそうな部分は指摘させてもらうぞ。」


「あ?何の事だ?」


「あの時あの神殿で使った得物…あの刀は2度と使うなよ。」


「!?まさか気付いていたのか。」


「え?え?何の話し?あの時あの神殿って…禍々しい力を使った話しなの?」


「そうだ。コイツ1人だけなら後は問題ないみたいな素振りをしているが…あの力は錬金術や魔法ではきっと無理して出してる力なんだと思う。そしてそれには対価がいる。だろ?」


「え?それ本当なの?ラクト君。」


「………ああ。あの力は俺の片腕一本を持っていく程轟々しい力だ。誰にでも扱える力じゃない。」

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