モルティー先生が作る錬金料理はモンスター人間に関わらず凶器的な物体Xなのを認めたくはなかった。
5歳の頃親がおれの為に作ってくれた錬金工房。
アトリエを作ってくれて、正直物凄くありがたかった。そのおかげで、今できる錬金術が行えるんだと心の半ばで喜んでいたのだが…
プシュ〜
「………れ、レベルが足りなさすぎる。」
自分が作り上げていたの錬金釜による合成。
アトリエゲームで得た知識で試しに初期段階のアイテムで合成させて作ってみたのだが…
「焼きリンゴなのだろうかコレは…」
リンゴと村に生えていた花それを合成させる事で誰でも作れる肥やしの種を作戦することができるんだが…
「リンゴがただ焦げたリンゴにしか見えないんだが…」
それをキッカケに俺は親の備え付けている書庫にて色々と調べていき1つ分かる事ができた。
「この世界ではいや未熟な子どもがやる生成ではできる錬金の数が少ないと言う事だと…じゃあ逆に子どもができる錬金術って何があるんだよ。」
大まかに調べていくと子どもならではの錬金にはそれぞれ色々とあった。
自分が知っていたのはこの世界での主人公プレデシア・ルミナでの主体で操作をしていたから主に大人向けの錬金しかできなかったという事なのか。
「うん?けど子どもからでしかできない錬金システムがあるなら、何で運営はそれを導入したりしなかったんだ。それも含めたら多分もっと良作になれたと思うが……もしかして俺が知らないうちにこのゲームの世界の導入を変えて行ってたりしてな。……な〜んてそんな事あるわけないよな。まだ5歳の俺が何にも世界の理みたいなのに触れてないんだ。普通に考えたら何もしていないのに変動するわけがない。」
けどそれなら…
そう思った俺は矢先に日本にある物を頭の中で考えながらこの世界にある物を一部変えさせそれを錬金させられる事ができるんじゃないかと思い試しにやってみた結果…
「やっぱりそうだ。この世界でどうやら俺は頭の中で思った事を上手くこの世界のアイテムに変動させる事ができる。しかも錬金によってだがその構造ではちょっとしたアレンジ工作にも揶揄されている。うんコレなら…」
そう意気込んでできる限り5歳の俺は日本にある知識をこの世界のアイテムを使って錬金させ一部のアイテム変換をさせる事ができその練度をあげようといくつかの工作を練習し続けた。
……そして現在
「とまぁ自分の頭の中で想像させながら部分的な変換をする事で新たな錬金術で作ったアイテムが完成できるわけなんですよ。自分でもビックリしましたけどね。」
「いやいや待って待って、子どもができる錬金には確かに限定的なものはあるよ。けど君が言ってる事はあまりにも不条理だよ。」
「そうかもしれませんね。なのでここで話した事は他言無用でお願いします。この事は親や兄妹にも言ってませんので。」
「それはそうだよ。頭の中で想像してそれを他のアイテムと合成させる事ができるなんて、稀に聞かない話だ。寧ろサンプル扱いとしてされるのがおちだよ。」
そうだからコレに関しては自分が12を迎える頃にはあそこを出ていかなければならない。
そうしないとあの家族に迷惑がかかってしまう。
自分特有のスキルで周りに迷惑をかけてしまうのはごめんだ。
「でもそうか〜なるほどね〜君にそう言った能力があるとは…そう言われるとこの錬金術で作った鉱石は納得がいくってものだよ。」
「でも使えるのは錬金度が高い人にしか使えません。その点においてはモルティー先生は多分大丈夫だと思うので…」
「へ〜言ってくれるじゃないの〜私に君のレベルならではの錬金道具を扱えるから心配ないだって?……ふふ、まさかそんな事を言われるとは思いもしなかったな。寧ろコレからの未来が楽しみにもなってきたよ。」
そう言ってモルティーは俺がとってきた食材を錬金釜に入れ出しそれを混ぜ合わせる。
「って何やってんですか!そんな大量の食材を入れたらヘンテコな物ができあがっちゃいますよ。」
「大丈夫大丈夫ココからは私の出番だから君は大人しくみていておいて。」
あからさまに妙な色をしてグツグツと煮込ませるモルティー。
全然安心ができないんだが…嫌な予感しかしない。
タッタラター♩
というようなみたいな音でもなるかのようにまるで料理が出来上がりましたみたいな形で錬金釜から取り出す料理…それを俺の前とモルティーそしてボルテリアライムの前へと差し出す。
「うっ……」
き、奇妙な色で哀愁みたいなのが漂う複雑なキノコ料理。確かに自分が食べられるものを摂ってきたが、それでもこんな複雑な色になるか普通…
「ゴクリ…」
ボルテリアライムは物珍しそうにしながらモルティーが作った錬金料理を眺めつつビョーンと手を伸ばしてつつんする。
「あ、あの〜コレ本当に食べられるのですか?」
「失礼だよ!せっかく師匠直々に作った物だというのに、ほら食べてみないと分からないだろう。ほらほら!」
問答無用で食べさせてくるじゃないかこの人…
くっ仕方がないここは勢いに任せて食べるしかないのか…いやでも…
「キュキュ……」
グニョン!
ボルテリアライムはその皿ごと飲み込みモルティーの未知な料理を溶けさせて食べる。
「す、スライムって食べたりするんですね。何か食べるとこ初めてみたかもしれません。」
「そりゃあスライムだって生き物だもの何かしら物色したい時だってあると思うよ。」
物色って言っちゃったよこの人。
いいのか自分で作った食べ物を物色呼ばわりして…
「………!!!?」
ぴぴぴーーーー!!
ボン!
スライムの色がだんだんと赤くなっていき、何やら辛そうにも見えたりする。
そしてボンとする音と共にボルテリアライムはみるみると小さくなっていく。
「も、モルティー先生コレは…」
「えええ!そんなに味悪かったかな。自信作だったんだけど、やっぱりもうちょい練習するべきだったかもしれないね。」
実験材料にさせかけられただと?
この人マジでやばいわ。
「キュ、キュキュ!」
しかし今度はボルテリアライムの原型がトゲみたいになってあちらこちらと飛び出し様子がおかしくなる。
「いやいやコレ何かやばいですよ。ボルテリアライムに食事はやっぱダメだったんじゃ…」
「いや違うぞ。コレは…」
「キュピーーーー!」
キランキランキラン!
輝き煌めく謎の光。
ボルテリアライムから発する奇声はその状態変化が起こりだし体の原型が小さくなって輝き煌めく光だす。
「うんやっぱりだね。どうやら綺麗サッパリ悪い物色を取り除いてピッカピカのボルテリアライムになったらしい。つまり内部の洗浄が完了したと言う事…うんコレは面白い事だね。」
まるで実験体みたいに物事みたいに語るモルティー。
コレは食べない方が1番いい気がするな。
「というよりこのボルテリアライムは何で洗浄されたんですか?何処か悪いところでもあったんでしょうか?」
「私の錬金した料理はね。体の悪い部分も浄化してくれる万能薬品料理なんだ。人間や動物…生き物の体に腐食している物を祓う効果性が入ってるからね。どんな物でも吹き飛ぶと言うわけだよ!」
そんな自信満々に言われても…一瞬ボルテリアライムの体が赤くなって爆発したという事実は覆せませんよ。
「ほらほら君もそんな遠慮しなくていいから食べて食べて!それとも何か違和感でもあったりするのかな?」
何でそんな女の子みたいな言い方で首を傾げながら尋ねる。
そう言うのはちゃんとした相手にしてほしいものだな。
「……分かりましたよ。一口だけですからね。」
「え〜一口だけ〜」
めんどくさいなこの人。
厚かましいにも程がある。
そんな文句言いたげなモルティーを無視し俺は作ってもらった料理を食べる。
「……う、美味い。」
「本当!それは良かったよ。丹精込めて作った甲斐があったと言うものだね。」
「けど、何か感触が変というか、妙に歯応えがあるというか、んん??」
微妙に噛みごたえがおかしく感じるラクト。
徐々に食べていくものが形状を変えているのかほのかに違和感を感じ出す。
「どうしたんだい?もしかして効果がなかったのかな?」
「質問するのがそこですか?普通身体の違和感はどう?みたいな……」
あれ?何か身体が…
バタン!
「ラク君?ラク君!?」
俺もしかしてここでも死ぬのか?
……………
「は!?お、俺は!し、死んだのか!」
「キュ〜キュ〜」
ボルテリアライムが俺のお腹の上で寝ている。
というか服ベタベタになってないんだな。
「うん?ボルテリアライムがいるって事はここは…」
「ああ起きたんだ。良かったよ〜あの後そのまま寝ちゃって焦っちゃったよ。ビックリさせないでよね。もう〜」
「え?僕そのまま寝ちゃってたんですか?」
「うんぐっすりとね。」
「………」
やばい記憶がない。
こ、コレはガチな危ない料理じゃないのか?
特に人間には毒的に……でも身体が何処か悪いというのはないんだよな。
でも記憶が飛んでいるって……
「さぁ!朝ごはん時間だよ。今日も私が精一杯錬金釜で料理を作ったからね。」
タッタラタ〜♩
またもや出来上がりましたと言わんばかりのBGM音が鳴りそうな雰囲気での出し方の料理。
うんコレはあれだな。
俺に記憶を失わせる為のやばい錬金料理なんだなコレは…
グニョン!
グニュグニュ…
「キュイ!!!!」
ボン!
バシャン!
プスプス!
そして学習能力を得ないボルテリアライム。
見事に全体が赤くなり形状が膨らんで破裂しそのまま周りに固形物が飛ぶ。
「あ、あれ〜〜裂けて飛び散ってしまったよ!なんでなんで!」
「は、はは、はぁ〜確定だなコレは…」
うん今度は脳が炸裂させる料理なのかもしれないもきっと…




