帰ってきたアトリエ
ラクトがお風呂へ向かう少し前浴室の前の扉を開けた瞬間。
そこにはルミナとアリシアがお風呂上がりに着替えてる様子が見られ3人は鉢合わせてしまいカオスな状況へと陥る。
そして現在……
「………チッ」
うっモロ舌打ち。
しかも蔑むような視線。
い、居た堪れない。
「ね、ねぇ別にわざとじゃないんだからその辺にしといてあげなよ。」
「よくないわよ。私達ギリギリのラインで下着姿を見られたんだよ。一歩間違えたら生を見せつける所だったんだからね。」
「それは分かるけど…でも勝手にお風呂を使ってた私達も悪かったんだし…」
「それでもタイミングというものがあるよね普通。」
「ま、まぁそうなんだけど…」
わざとじゃないって分かってるはずなのに何でこんなにも俺は責められなきゃならないんだ。
後正座させられる意味とは?
不可抗力だろこんなの…
「こ、こほん!あの〜発言をしてもよろしいでしょうか?」
「何かしら?変態さん?」
「うっ…」
あくまでも俺を変態扱いさせる気か…こりゃあどうやって話をしたものか…ひとまずアリシアには正論を言わないといけないな。
「そ、その〜確かにタイミング的に悪かったと言えば悪かったのですが……ここ一応自分の家なんですよね。だから勝手にお風呂を使われていたのに関しては正直びっくりしたといいますか。」
「でも普通灯りがついてたら誰かいるかなって思うんじゃないの?」
「はい。ごもっともな意見です。しかし普通に考えて僕とセピリアしかいない中でさっきまで話していたセピリアがお風呂場にいるって事はまず考えられません。だから誰もいなくて灯りがついていたというのが僕の結論です。」
「何を言い訳がましく言ってるのかしら?反省の色がないのかしらねコイツ。」
「その言い掛かりはよしてほしいんですよ。お二人がそもそもこのアトリエにいる事事態普通に考えたら有り得ないんです。」
「………それはそうね。あなたの言う通りよ。」
「それをズカズカとまるで自分のアトリエみたいに陣取っているのにも関わらず…浴室まで借りるとは…少し図々しいとは思いませんか?」
「くっ!愚うの音が出ないわね。」
「???ここ私達の家みたいなものでしょう?」
「あなたがよくてもこの人はそう思わないって話をしてるのよ。」
「ええ!同じ窮地の沙汰を超えた仲間じゃない。私寂しいよ。」
「白々しいですね。」
「白々しいわよルミナ。」
ルミナはテヘと舌を出しながら誤魔化すようにして話を逸らそうとする。
しかしここでは圧倒的におれが有利な話だ。
色々と女性の体を見てしまったのは申し訳ないが…ここでは俺が主人なんだ。
コイツらに自由勝手にされてたまるか。
「え〜とそもそもどうしてお二方はうちの浴室を使っていたんですか?何か汚れ作業とかしていたのですか?」
「あ〜え〜とその何というかね。ここにある一部商品で販売してないやつはないかとお客様に言われたんだ。それで何かないかなと倉庫に行ったんだけど…」
「はい?どうして倉庫の場所を?ってセピリア〜〜?」
「ご、ごめんなさいお兄様。実は目の前のお客様に集中していて手が離せなかったんです。それでそのまま理由を聞かずにルミナさんを倉庫の方への場所を言いました。」
はぁ〜なんてこった。
あそこには色々とまだ試作段階のやつがあったというのに…コレじゃあ1から作り直しになる予想しかできない。
「そこでドタバタしちゃって……」
「なるほど。探し回ってたら棚にあった物が落ちてきちゃってそれで埃まみれになったから浴室のシャワーを借りたと………それでたまたま鉢合わせになってしまった。」
「今私達の裸姿想像していたでしょう。」
「い、いえ決してそんな事はありえません!」
何で分かったんだ。
というそれをちょっと脳裏に浮かび上がった事をまるで読まれたかのようにされてからの圧が凄い。
「まぁまぁ私としては別に見られても困るものじゃないしね。」
「嫁入り前の娘がそんな簡単に肌を見せていいわけないのよ!」
あなたも同じ立ち位置では?
「こほん!ひとまず勝手に浴室のシャワーを借りた事は謝るわ。でもちゃんとセピリアには許可を得ていたわよ。」
「いや僕は何も聞いてませんが…」
全員セピリアの方へ視線を向けるとセピリアはまるで素知らぬ顔で棚整理を始めていた。
「すみません。うちの妹がどうやら忘れていたみたいです。」
「はぁ〜もういいわ。ひとまずさっきみた事は記憶から抹消する事いいわね。」
「あ…はい。」
そういいながらアリシアは去っていく。
その去り際に今度はルミナが俺の方へ近づいてそっと耳打ちをしてくる。
(私は別にいいよ。コッソリ思い出して、私の裸姿で悶々としてくれていいからね。)
「な!?何を言ってってうわ!」
ドカン
ガシャン!
ガラガラ!
コッソリと変な事を言ってくるルミナの言葉に動揺するラクトはずっこけてしまい近くにあった物にあたり色々とぶちまけアリシアやセピリアに何やってるんだと注意される。
「ふふ、可愛いな。やっぱりラクト君はほっとけない人だな。」
「………」
「ん?どうかしたガイウス?」
「いややたらと気にしてるんだなって思ってな。そこまでご執心になるかね。」
「なるよなるよ。ラクト君には色々な魅力があるんだからそれをいろんな人に知ってもらわないと……彼はとんでもない錬金魔術師なんだから。」
「……まぁ確かにそうだな。」
「おお?ガイウスがまさか認めるなんて珍しいね。急にどうしちゃったの?」
「いや俺も認めざる得ないと思ってたな。アイツに俺たちが思うような底力を感じとれた。表側では猫を被っているが裏では生半可じゃないほどの力を持っている。それがしがないアトリエでやっていこうなんて…そんな謙遜な事をしている意味が俺には分からなくてな。」
「ラクト君がそういったの?」
「いや本人からは言ってない。ただ俺からの率直な感想を述べただけだ。」
「ふ〜ん。それってさもしかして神殿で何か起こったの?だからそんな風にラクト君の事を語ってるのかな?」
「ああ、アイツは俺に未来としていずれ優れる鍛冶師になれると言った。あんな風に熱く言われたのは生まれて初めてだ。男の中の男って改めて思わされたぜ。あんなに情けない感じだったのに……」
「え?ラクト君そんなに人が変わったような感じだったの?」
「ああ。絶対生き残ってやるぞという男気俺はアイツこそ冒険者に相応しい逸材だと思ったよ。」
「!!さすがはガイウス。やっぱり私の幼馴染だね。」
そう言ってガイウスの背中をバンバンと叩くルミナ。
「痛えって……それにアイツとはチッとばかしライバルでもあるからな。」
「ほえ?ライバル?いったい何の?」
「ふん!お前には関係ねぇよ。」
「ええ!いけずだな。別にいいじゃないのよそれぐらい。」
「うるせえうるせえ。コレは男同士の問題だ。お前には関係ねぇよ。」
「何さ!」
そうコレばっかりはお前の前ではいえねぇんだよ。
何せ俺はお前の事が好きなんだからな。
お前はアイツの事をお気に入りに思っている。
なら視線を俺の方へ向けさせるだけだ。
だから負けられねぇ戦いなんだよ。
「ねぇねぇラクト君。ガイウスが何か男同士の問題とかで私に秘密事しているみたいなんだけど、何かしらないかしら?」
「え?」
「おおーい!人の話を聞いてたか!この馬鹿幼馴染!」
何やら幼馴染同士で話が拗れてる様に見える。
何だかわからないがとりあえずは無視してもいいだろう。
「というよりもあなた達ちゃんと第二の神殿で成果は得られたんでしょうね。何も成し遂げられずに帰ってきたら許さないわよ。」
「おお!ちゃんとキーストーンは持って帰ってきたぞ。コレでルミナの言われた通りちゃんと務めを果たせたわけだな。」
「あ!馬鹿!」
「そう言えばそうでしたね。何やらキーストーンを手に入れる為に一芝居うってくれたみたいじゃないですか?その辺詳しく話を聞かせてもらいましょうか?」
「うっう、そ、それは…」
ルミナがどうして俺を騙すような形であの神殿攻略させたのか…勿論大体の予想はついており神殿ではガイウスが言っていた理由とほぼ一致していた。
俺を仲間にする為でのやり口…少しでも気が引けたらいいなという淡い心を持ちながら俺に冒険心を持たせたかったという事みたいだ。
「はぁ〜あのですね。前にもいいましたけれど…僕にその気はありません。今回ばかり乗ってやっただけに過ぎませんし今後あなた達と同行したいなんて思ったりもしません。」
「ブーーー!話が全然違うわよ。どうなってるのガイウス。」
「え?…ええ!?俺のせいかよ。大体最初は嫌だっていったじゃないか俺。それで仲間になれるかどうかは運次第だからそこは了承してくれただろう。」
「だって!ラクト君が仲間になってくれなかったら意味ないじゃないのよ!」
「子どもの我儘か!俺にどうせいちゅうねん!」
「ラクト君を仲間にする為にもっと心揺さぶる様な事をしてくればよかったじゃないのよ!」
「お前の動機は単なる押し付けじゃねぇか!いくら幼馴染とはいえさすがに無理被るはなしだっての!」
「はぁ〜もうういわよ。やっぱり私がラクト君を誘惑させる他ないわね。」
「な!なな!?ゆ、誘惑だと!ま、まさかお前色仕掛けでもするつもりか!今のままでも十分にエロいっていうのに!」
いや本音本音。
本音ダダ漏れだから。
「ふふん!私の体がエロいなのは私自身よく分かってるわよ。」
しかもそれを堂々と威張って過大評価する主人公。
そんな事で威張っている主人公なんていねぇんだよ。
「誘惑ねぇ。それでどうやって誘惑するつもりなの?」
「ふふん!勿論私達の仲間になった暁には私の事自由にしてもらってもいいわよ!」
「それは駄目!!!」
「それは駄目だろ!」




