俺の知らないキーストーンについて
その後ラクトは次々と神殿のエリアを潜り抜け最終エリアさえも突破しキーストーンのある所へと辿り着く。
「うおおお!まじかよ!二つ目のキーストーンゲットだぜ!」
「ほ、本当に全てのエリアを難なくと攻略しちゃったわね。しかも何も億劫する事もないなんて…あなた本当に人間なの?」
「人間ですよ。たまたまわかりやすいギミックを解いて行っただけですよ。ほらちょっとは悩んだりして立ち止まっていたでしょう。僕だって考えたりはしますよ。」
とは言ったりするものの…あまりとんとん拍子に先々とエリア攻略してしまえばコイツ何でこんなに熟知しているんだと怪しまれても困るしな。
だからわざと考えるふりをして時間稼ぎをしたわけだが……わりかし覚えているもんなんだな。
さすがは俺の記憶力。
「……はぁ〜ここが最終エリアを突破した場所なんだね。……あ!」
そう言って、マーシャは何かを見つけたのかあるものを拾ってコチラに持ってくる。
「こ、これ!コレを装飾品として作ってほしい。」
「コレは石英ですか?」
でもここで取れる石英って、そこまでいい鉱石ではなかった筈だと思うんだが…
「うん。この石英は魔法使いにとってはとても重要な魔力源になる。それをチェーンにして身につけられるなら何でも構わない。」
確かにマーシャならそういった類いの物をつけて、とんでもない魔法が使えるのがあったな。
でもそれはまだまだ先の話し…なんでそれを今欲しがるのか……コレもまた何かしらのズレが発生しているのだろうか。
「それでどう?できそう?」
「ひとまずここでやるのは無理ですね。装飾品関連で作るには色々とアトリエに戻らないといけません。そして…ここでの石英は一旦鍛冶師であるガイウスさんにやっていただく必要があります。」
「え?あの男にやってもらわないといけないの?」
「おいあの男ってなんだあの男って…」
「はい。鉱石関連は一度鍛治をしてもらってから作りやすい装飾品を作らなければなりません。勿論そうしなくても作れる物は作れますよ。」
「そ、それならあの人なしでやってほしい!」
「ですが、あなたの要望となると…恐らく長く身につけられる物…そういった物を必要とするというのを頭の中で構造したら…やはりガイウスさんにお願いして一度石英を鍛錬してもらわないとダメですね。…僕が作る装飾品は確かに長く持たせるようには作っています。しかしそれは何処でも身につけられる簡単な装飾品…ペンダントやネックレスそしてブローチといった物になります。」
「確かにラク君の言う通り…マーシャがお願いしている物に関してだとするなら…ガイウス君にお願いしないといけないのもあるわね。まぁそう簡単に一朝一夕というわけにはいかないものね。」
「何事にも下ごしらえは必要となります。その辺に関しては我慢をしていただければ幸いです。」
「ぐぬぬ。……はぁ〜背に腹は変えられないか。……分かったじゃあしょうがないけどお願いする。」
「何で仕方なしみたいに言われなきゃならないんだ。もっとお願いする態度というものがあるだろう。」
「………」
しかしマーシャは自分の意思を曲げる気はなく。
顔をニヤっとしながら反抗する。
「よ〜し。そういう態度なら俺にだって考えがあるぞ。…一旦その根性叩き直してやる。」
「ふっ!私の魔法の前でそう言った態度けちょんけちょんにしてやる。」
2人が何かおっ始めたらしい。
まぁとりあえずは任務完了という事でいいかな。
少し気掛かりはあったりしたけれど…
何もなければそれで万事OKだよな。
「にしても妙ね。ここは比較的にモンスター出やすい場所って聞かされていたんだけど……一切出て来ないってどう言う事なのかしら?」
「可能性としてはここ一帯がまだモンスターの巣窟にはなってないのかもしれませんね。」
「だとしてもここは一応危険区域になってるのよ。ここまでモンスターの出がないのなら別に危険区域にしなくてもいいんじゃないかと思うのよね。」
「まぁそうですね。」
言ってる事は罷り通っている。
俺も何も気にせず…というよりもモンスターが出にくいルートを辿ってここまできたんだ。
予めモンスターが発生しにくい場所を知っていたと言うのがあったりするからそこまで気にはしていなかったけど……ゲームをやっていた時のモンスターでの比率が確かに少なすぎる。
たまたま見たモンスターはほんの2体か数体程度…
そして挙げ句の果てにはここにはボスがまだいないという点だ。
「………」
「そういえば私ここのキーストーンって言う存在って初めてみたのよね。そもそもキーストーンって、いったい何に必要なのかしら?」
「さぁな具体的な事に関しては俺にはわかんねよ。ただコイツがルミナにとってはアトリエにとって必要になっていくって話は聞かされている。」
あれ?ガイウスはキーストーンの話についてちゃんと話されていないのか?
てっきり冒険の始まりの段階で聞かされているのだと思っていたんだが……
いやそもそもキーストーンはルミナのアトリエ2での冒険の話しだ。
エスカも始めの冒険ではいなかった………あれ?よくよく考えてみたら今のルミナ達の立ち位置って…今どの辺に該当するんだ。
キーストーンとエスカ…コレに関しては2での話し…でも年数からしてルミナ達はまだ冒険の真っ最中。
色々な世界を渡る話しにはなってはいるが……まだ仲間が4人の段階だと始まったばかりの話し……となれば既に軸はズレているのか?
「……ガイウスさん。聞きたいことがあるのですが…プレデシアさん達と一緒に冒険をし始めたのっていつ頃からですか?」
「あ?突然なんだ。」
「すみません。キーストーンを探している話しに関して具体的に聞かされていたわけではないので…どの辺りから詳しく知ったのか…少し気になってしまったんですよ。」
もしコレでガイウスが1年前とか言い出したのならルミナは1の話は既に攻略していて、現在2の話の段階になっている。
しかし時空列では今のこの時代では1に想定しいる話しにはなる。
だからそもそもルミナ達がこの辺境のある街に来たというのが不思議だったんだ。
まだその段階に成り立ってないというのに本人達はのほほんと自分達の目的のついできたという訳の分からないついで感覚でこの街に留まっている。
コレが憶測でなければルミナ達は現在詰んでいる状況だ。
「いや割と最近な話しだぞ。春のいつ頃ぐらいだったか…確かルミナが妙なマスコット人形を連れて…ああエスカの事な因みに…それでそいつが言うにはキーストーンを四つ集める必要があるって事を聞かされて…自分の錬金術に必要な手助けができるとか何とか言ってたけか。……まぁ胡散臭話しだなっとは思っていたんだが…」
「プレデシアさんは好奇心旺盛な性格な為…忙しなく冒険に出た…と。」
「おお!そうそう!その通りだ!って何でルミナの事をそこまで理解できる。」
そうか。つまり2に入ってる話ではあるけれど…1の話しも一応は罷り通ってる話しになるのか……まぁルミナのいる村にエスカが登場したのは間違いはない。しかしそれはルミナが1の時に最終面でボスを倒して1つの青い結晶を手に入れてからの話しになるはず。
それをすっ飛ばすとなると……ルミナは青い結晶を既に持っているかもしくは誰かに攻略されて、エスカが蘇ったのか……クソ考えるだけでも頭が痛いな。
関わる気はないと分かりつつもこの世界でルミナの存在が消えたら意味がない。
どうにかして今のルミナの辿るルートを1に戻さなければ…
「それでその話を聞いてラク君は何か思いあたったのかしら?」
「……そうですね。僕も本でしか知識がないのですが…ああごめんなさい先程のプレデシアさんの話は一旦忘れてください。どう言った経緯で知ったのかそれが知りたかったので…辺に話の腰を折ってすみませんでした。」
「いやそれはいいんだが……キーストーンの事について他に何かしってるのか?」
「知ってると言うよりかは…僕の憶測での話になりますね。」
まぁキーストーンがコレからどう言った風に転ぶかの予想を別に話しても問題はなかろうって…
「え?皆キーストーンがどんな物か理解せずにきたの?」
「あら?マーシャは理解してここへきたの?てっきり自分の魔法の為にここへ来なきゃいけなければならないって思ってたのに。」
「それもある。それにキーストーンはあくまでも入手じゃなくて観察目的できたわけ……でもお兄ちゃん達はそれが必要だから別にどうなってしまおうがあまり思わないけれどね。」
「どう言う意味?」
「キーストーンは世界全てに影響する力を持っているんだよ。錬金術や魔法…そして万物を誇るセイクリッドという聖なる力。それがキーストーンの要になるんだよ。」
「え?マジかよ。俺達の旅目的に必要なキーストーンがそんな力があったのか。」
「私も初めて聞いたわ。てっきりただの光る小石程度にしか思っていなかったわね。」
「そんなはずないでしょう。本にのっているキーストーンは主に人間が持ち出しちゃ駄目な物になっている。精霊がそれを保管しているからね。触れるのはその精霊だけになる。」
「でも精霊を間近にした人なんていないんじゃないの?……ああそういえばいたわねそういった精霊擬きが…」
「まだ気にしていたんだね。精霊としての力…エルゼでも十分に理解していたでしょう。」
「だとしても納得はできないのよ。それが魔法使いってやつでしょう。」
「開き直られた。」
「………」
は?セイクリッドの力?な、なんだそれは……単にボスの部屋を開く為の石じゃないのか?
俺の知らない新情報だって?
そんなばかな。




