まさかの別の転生者かそれとも転移者がいた?かもしれない話が聞ける?
グツグツグツ……
「♩♩♩」
結局なし崩し的に俺達はハンバーグを食べる事ととなった。
ハンバーグの事について教えてもらう代わりに食べてもらうそれが条件と言い出してそのまま俺達は気分が乗ったのかルミナは料理をしながら鼻歌を歌い出す。
「しかしお兄様が料理に関心を持つなんて意外ですね。」
「そうか?俺も一応最低限の料理はできるからな。ほら昔にお前に食べさせた事があった料理があっただろう。あれだって俺がアレンジした料理なんだからな。」
錬金術を使って日本にいた調味料を再現させただけなんだけどな。
でもそれで味噌や醤油等といったペーストができるんだから持ってこいって話だ。
「ああー!ありましたね。とても美味しかったですよ。またあのフワッとした料理が食べたいですね。」
「ああまた今度な。」
単なる甘い食べ物カスタードクリームを作ったシュークリームを作って食べさせただけだったんだけどな。本人がお気に召していただき良かったよ。
でもあのカスタードを作るのもシュークリームの生地もここでの産地では手に入らないからな。
故郷に戻らないと手にはいらない素材だからここでは作れないんだよな。
「はい!できたわよ。」
そう言ってルミナは俺達の前にハンバーグ…それも日本でいうなの和の定食と言わんばかりの料理を並べだしていき唖然としてしまう。
「……す、凄いな。ご飯に味噌汁。まさに俺が日本にいた頃のままの再現率だ。」
完全に似た物ではないがそれに因んだ料理が並べられ上手く日本にいた時と同じ物が揃えられていた為少し驚いてしまった。
「ニ・ホ・ンって何処?変わった名前の村にでもいたのかしら?」
「いや何でもない。コッチの話だ。……食べてもいいか?」
「ええ勿論よ。さぁどうぞどうぞ!」
満面の笑みで両手を広げながら召し上がれという合図を出し。
俺はハンバーグの切れ端を切って口に運ぶ。
そしてしっかりと味を噛み締めながら食べる
「………」
「どうどう?」
「……うん普通だな。」
「………な、なんですって!?」
普通にシンプルに上手い。
ハンバーグの再現をより生かしている。
こんなの何かしらのアイテムや日本の知識がないとつくれない。
となればルミナに教えた誰かが日本人という可能性がある。
となるとより会ってみたくなるよな。
「お兄様コレは普通の美味さではないと思います。物凄く美味しいですよ。」
にこやかにそれもとても子どもと言わんばかりの顔をしながら微笑んで食べるセピリア。
そうだった…昔食べた時に俺もそんな表情をしてたっけか。
「そうだな。もう一口たべるか。」
「ちょっと!味が普通と言っておいて、どうしてまた食べようとするわけ!」
「いやだから普通に美味いって言う意味で俺はいったんだが。」
「そんなの褒め言葉でも何でもないわよ!それならもっと美味しいリアクションをしてほしいわね。」
「普通に美味しい食べ物に対していったいどんなリアクションを求めるんだ。これ以上の事を欲する意味が俺にはわからない。」
「な!?」
お兄ちゃんってたま〜にポンコツになりますよね。
相手に対する褒め言葉というのを熟知していないといいますか。
正直鈍感なんだなっていうのがあったりします。
「あ、この飲み物も美味しいですね。」
そんな感想をいいつつ隣でやたらと食べ物の争いをし始めるラクトとルミナ。
なんだかんだで仲良く?なりつつありながら今日一日の出来事を終わらせる。
しかしここにルミナを泊まらせる事はやはり許されずそのまま仲間のいる所へと帰しその日の一日は終了となった。
………翌日
「だ〜か〜ら何でまたいるんだよ!」
「昨日料理を美味しいって言ってくれたじゃない!だからまた来てあげたのよ。」
「それを誰が許可したんだ?」
「え?許可なんて必要?」
「必要に決まってんだろ。そこ!」
「ふわ〜朝から何の騒ぎですか。……あらまた来ていたんですねルミナさん。」
「おはようセピリア。今日も私が美味しいご飯を作ってあげるから待っててちょうだいね。」
「あ、そ言うわけにはいきません。さすがに朝ごはんは私が作ります。お客様はテーブルに座って待っててくださいますか?」
「つまり私と料理勝負がしたいのね。いいわ望む所よ。」
「あ〜はいはいそうですね。それでいいですよ。それじゃあお兄様私コレから料理をしますのであの方のお相手お願い致しますね。」
「………いや俺の意思は?」
「朝から問答する時間をするほど暇なんてあるんですか?ほら邪魔ですから御二方は料理ができるまで待っててください。」
ここ俺の家なのに、何か勝手に占領されてる感があるのは気のせいだろうか?
あまりにも理不尽な言い回しをされ俺はひとまずアトリエ工房へ足を運ぶ。
「うわ〜ここがラクト君のアトリエ工房か〜うふふいいね。毎日が楽しそうな場所で羨ましい。」
結局ついてくるし…本当遠慮がないよな。
「………」
「へぇ〜あそこがこうなって、ここがこうなってるのね。だとしたらあそこを弄ったら上手く…いやそれよりも錬金術で作る窯。アレが1番の重要性ポイントよね。」
「ルミナ昨日の事なんだが…」
「え?昨日の事?……あ!?もしかして私があなたの事を他の仲間にバラされるかって心配しているのかしら?それなら大丈夫よ。私別にあなたの素を誰かにバラす気なんてさらさらないんだから。」
「それもあるが…もう一つ聞きそびれた事があるんだ。」
「聞きそびれた事?」
「ああ。昨日お前が作ったあの料理…この世界で作られた物じゃないよな?教えてもらったとか言っていたがその人物はいったいどんなやつなんだ?」
「それは私も聞きたいわよ。そもそもあなたがどうしてあの料理の名前を知ってるのかしら?単に何処からの噂で聞いたって話じゃないわよね?何か裏があるんじゃないかってちょっと怪しんでいるんだけど?」
「……まぁそのあれだな。風の噂で聞いたって感じだな。ほら昨日の作った料理って珍しい料理だろ?俺自身も実はああいった類いの料理が作れるんだよ。だからもしも俺と似たような境遇者がいれば会ってみたいなって思ってでな。」
「………」
駄目か?さすがに今のは無理難題すぎたか。
そんな事で簡単にハンバーグを教えてくれた人のことを話すわけがないよな。
「似たような料理ね。そう言えばあなたって色々と変わった物を持ってたりしてたわよね。普通の錬金術が使わないアイテム。それをあなたは作り上げて色々と私達の事を助けてくれた。ある意味で言えばあなたももしかしたらあの子と同じぐらいの許容を持っていたかもしれないわね。」
「……俺がその子?と同じ境遇ならいったいどうしたって言うんだ?」
「ええ〜どうなんだろうね〜まぁ私がその子の事をあなたに教えるというのはまず有り得ないと思った方がいいわね。」
「……なぜだ?俺が何かやらかしたというのがない限り俺がお前に信用されないという要素はないと思うんだが…」
「え?ああ違う違う。私その子の名前知らないのよ。」
「………あ?」
「そう知らないのよ。お互い意気投合していたはずなのに何故か名前を聞き忘れてしまったのよね〜いや〜昔の私って今と比べて肝心な所でポカしちゃうのよね〜あははは。」
「あはははじゃない!」
「いひゃいいひゃい!にゃにするのよ〜」
「たく勿体ぶった言い方しやがって、期待して損した気分だ。」
俺と同じ境遇者なら何かしらこの世界の事で関わりが関係しているのかと聞けると思ったのに…はぁ〜まぁ勝手に期待していたのは俺だったしな。コイツに八つ当たりしても仕方がないか。
「乙女のほっぺを気安く触って引っ張るなんてどう言うつもりよ!非常識にも程があるわ。」
「お前に非常識なんて事言われたくないんだが…」
「私が非常識ですって?……あははは何を冗談言ってるのかしら。」
「あははは本当何の冗談を言ってるんだろうな。」
…………
「え!?私非常識なの!?」
「どのタイミングで驚いてんだ。今の現状進行形に対して何が非常識じゃないのか説明してほしいぐらいだよ。」
「てっきり私あなたに認めれていたと思っていたから普通に常識の範囲に入ってるのとばかり思っていたわ。」
「うん。ちゃんとお話ししようか。さっきから何か勝手に話が進んで会話が噛み合わないんだよな。」
ルミナの中でどうやら自分は常識人ぶってるみたいらしく今まで俺の許可を得ていたのと思い家の中に入られるのかと思っていたらしい。
昨日ここに住むといったのも腑に落ちないが何となく理解した。
「はぁ〜もう2回目だからあまり突っ込むのもめんどくさくなってしまったからアレだけど…ルミナはやたらと俺に固執しているみたいが…いったい何で俺に固執するんだ?目的があるならそれを最優先にすべきだろう。この前の神殿だって、お前がいかなきゃならない所なのに俺を巻き添えにくらわせていた。正直なところ俺は迷惑でしかなかったんだからな。」
「ガーン!め、迷惑だっんだ。そ、そうなんだ。そうよね。私いても楽しくなんかないわよね。」
急なショックを受けてしまったのか。
ルミナは凹みながら俯いてのの字を床になぞりながらぶつくさと不貞腐れる。
め、めんどくさいな。
主人公なんだから一々モブの俺の言葉に反応しないでほしいんだが…
「はぁ〜分かった分かった。とりあえずは昨日の件と今この時点で起こってる件…昨日のハンバーグで無しにしてやるよ。」
「本当!?さっすがはラクト君ね。」
こういうところが腹立つんだよな。
ゲームでも同じだが嘘泣きで相手を騙しとって手玉にとる感じがなんともまぁ〜ムカつくといいますか。
………何でこの主人公はこうも人気が出たのだろう。
………うん多分身体だなきっと。




