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野生モンスターとの触れ合い

日付が変わりしたくもない錬金術の修行が今日来てしまい俺はどうにかして回避できないかと試行錯誤したのだが……


「嘘だろ。」


まさかのまさか家から外へ出ようとした瞬間辺り一帯に錬金で作られたセンサー用の鉱石が設置されているのに気付きやってくれたなとそう思った。


「そんなに俺を修行させたいのか…てかどんな修行させるつもりなんだよ。」


本人は寧ろ教わりたい部分があると言ってたのに、逆に教えるというのが意味が分からん。

まぁ一応先生なわけだしそこはそこだよな。


「やっほ!ラク君。やった!逃げずにちゃんと待っててくれたんだね。」


寧ろこの包囲網にどう逃げろと言うんだ。


「あのモルティー先生ウチの周りに錬金術で作ったセンサー鉱石を設置するのやめてくれませんかね。さすがにコレは大げさすぎますよ。」


「何を言ってるんだよ。君はそうやってはぐらかそうとして誤魔化すんだからそうはとんやがおろさないってもんだよ。あこの言葉あってたかな?」


「ああ、はい合ってますけど、……使い方が違う気がしますね。」


「あれれ?意味合い的には合ってたと思うのにな〜」


学習力は確かに凄い。

コチラが使う日本のことわざの意味をそのまま流すんじゃなくて、意味として捉えてくれる為寧ろ好奇心旺盛と言えばいいのかモルティー先生はコチラの日本の文化というならわしの事にも話がとおる。

やっぱり変わった先生だなと思ったりもする。


「さて!それじゃあ今日の修行なんだけど、君は外へ一回出た事があるんだよね?」


「ああはい。まぁその辺に関しては先生が気付きだしたという部分があるから、僕が口を出したというのはないんですけどね。」


「あれれ?そうだったけ?」


そしてたまに鳥頭にもなる。

都合のいい時だけ忘れた素ぶりをするからコチラの話しなど問答無用で切り捨ててしまう。

とんだ傍迷惑な先生だ。


「まぁそれはさておき君にはちょっとした広い世界を堪能させてもらう。コレから三日間にかけてその場所へと行くからちゃんと学習するように。いいね。」


「ああ分かりました。それでOK……なんですって?今なんていったんですか?3日?三日間といったんですか?」


「うんそうだよ♩」


「うんそうだよ♩じゃありませんよ。何楽しげに言ってるんですか。僕は今日だけだと思ってたんですよ。それが3日って話しすっ飛ばしすぎじゃありませんかね。」


「よーし!それじゃあ出発しよう!」


「こっちの話を聞け!自己中先公が!」


あまりにも自分勝手すぎるモルティー先生に最早コチラの言葉等聞く耳も持たずにして俺を抱えてここから移動しようとする。

それを見ていた妹とその兄は呆然としながら困り果てた顔をして大変そうな顔でコチラを見ていた気もした。


「おおラクト今から外出か?いいかよく先生の話しを聞いて…」


ポチ!


「うん?」


ギュイン!

ドッカン!


「ち、父上!」


父親のポッターがコチラへ声をかけた瞬間突然何かを踏んだ様な音がして爆発が起こりポッターの周りは黒い煙で覆われる。


「あ!センサーを仕掛けてる話ししてなかった。」


「何をやってるんですか!それって無断搭載ですよね!いいんですかそんな事して!」


普通に俺を逃がさないために家族の了承を得て設置したのかとばかり思っていたのだが…

どうやらそれ関係なしに設置していたみたいだ。


「う〜ん。ひとまず行こうか。」


「えーーー!!!」


この状況でそのまま無視していくだと!

やばいこの人かなりやばいぞ。

まだ1ヶ月でしかわからない部分ではあるけれど、やる事をやろうとすればなりふり構わずやばい行動する。

コレは早いとこ修行を終わらせないと…


「って!ちょっと待って下さい!馬に乗るなんて聞いてなってうわわ!!」


「喋ると舌を噛むよ。そのまま大人しくしっかりと手綱を掴んでて!」


またもや問答無用で馬に乗せらせ走らせるこの状況。もう修行やりたくない。


モルティーはそのまま馬を走らせながらどんどんとウチから遠ざかっていき周り一帯は野原と草原で豊かな大地の上を進んでいく。


「………」


「どう?凄いでしょう。あんまり外に出てないラクト君からしたら壮大な風景だよね?」


「………そうですね。」


確かにその通りだ。

俺は今まで家と村で過ごしながら自分なりの錬金術を編み出し研究をしていた。

あのアトリエゲームに関わらない為にも自分自身がやる事をやらなければと思いまずは知識からと小さい頃から勉強をした。

そしてそれを見兼ねてなのか母がアトリエの師匠としてモルティー先生を寄越し俺に基礎としての錬金術を勉強させていたのだが…


[うん!もう私から教える事は何もないね!]


[………]


そう言ってモルティーは俺から応用的な錬金術を教わり始めていきそれから一年いや2年だろうか…ウチのアトリエに籠るようになった。


「……やっぱりモンスターもいたりするんですね。」


「うん勿論だよ。でも基本的には大人しいモンスター達だからね。そこまで怖がる必要はないよ。」


それも勿論しっている。

何故モンスターがいるいう話を振ったのはここのモンスター達の情報がマッチするかいなかそれを確かめる為であるのだ。

そしてまず見るからに大人しそうなモンスター達。

ウサギっぽい、ラビリテリアとほんわかとしながらのっそりとゆらめくスライム、ボルテリアライム。

そしてクマっぽいゆるわかキャラみたいなクマみたいなのはマーベベアー。

初級錬金術師にとっては軽いジョブでレベリングするのにはもってこいといわんばかりのモンスター達。

そのモンスター達がいる大地周辺の村に住んでいる俺は恐らくそう何の変哲もない村なんだと改めて自覚した。

というのも今住んでいる村の名前を俺はアトリエゲームでは聞いた事がない。

父ポッターが言うには旅立ちの村として呼称されている話にはなっているが、その名前ならもっと違う地方で呼ばれていた記憶がある。

だから本当なのかと疑ったりもしたんだが…


「…………」


実際に自分の目で見た方が早いよな。

そう心の中で思いながらいつか行くかもしれない旅立ちの村という場所をプレイした記憶を脳裏に刻み込む。


「きゅきゅ?」


「お?どうやらあの子君に興味津々みたいだぞ。どうだ?ちょっと触れ合ってみないか?」


「え?」


そう俺に言ってくるモルティー。

まぁ確かに愛らしい部分はあるのだが…

スライムが人間に懐く話しなんてそもそもアトリエゲームでは聞いた事がない。

寧ろ誰もペットとして飼っているという話しすらも聞かない。

てか顔はどの部分なんだ?


「ほらほら〜怖くないわよ〜」


馬から降りたモルティーは真っ先に小さなスライムへ近づきまるで怖がる猫を手懐けるかの様にして自分の所へ手招く。


グニョン!

スッ!


「あちゃちゃ…」


しかしスライムはそのまま木の木陰へと隠れるかの様にしてコチラをひっそりと覗き込む。


「見た感じコレはかなり奥手なスライムだな。何かまるで意識があるかの様にも思える。」


「さて私には無理だったけれど君はどうかな?あの子を手招きできるかな?」


そういいいながら俺を抱き上げ馬から降ろしまるでテストでもするかの様に試すような言い方をして挑発する。


「まぁやるだけやってみますよ。」


たかがスライムだし別に何がどうこうしようとか思っちゃいないしな。

適当にあしらってこのまま何処か遠くへ…


ガサガサ…


「ガルルル!バウ!」


バシャン!


「な!?」


木陰で怯えていたスライムに俺は適当な形で手を差し伸べるかのようにしあしらうつもりだったのだが…向こうはそれに対してゆっくりと体の一部を手に変形させコチラの手に向かって自身の手を伸ばそうとする。

だがその行為を無駄にするかのように凶暴なモンスター…ウルフのバンバルウルフェンがスライムへと噛みつき原型を粉々にする。


「いやいやなんでここに!バンバルウルフェンが!って驚いてる場合じゃないな。ラク君今助けに…」


「ガルルル…」


「うっ!いつのまにか囲まれているだと!」


どういう事だ。

バンバルウルフェンは基本的にはむれとなってない場所には現れないはず。

しかも大人しいモンスターの前には基本的には現れない。

此処一帯の場所ではバンバルウルフェンが出たという話も聞かなかった。

なのにどうして…


「………」


キラン!


「モルティー先生!」


まずいモルティー先生がこっちにきて助けるという保証は完全になくなった。

という事は…


「ううう!バウバウ!」


コイツをやるのは俺しかいないって事か…


ラクトは自分のポッケにある中身を探りながら1つの鉱石を取り出す。


「正直昨日何となくで作った防御用の錬金石。コレでどうにかなってくれれば…」


ヒューーン!

バンバルウルフェンは真っ先に向かってラクトへと噛みつこうとする。


「そのまま黙って噛みつかれると思うなよ。」


俺は錬金術で作った錬金石をバンバルウルフェンの顔に向かって投げとばす。

そして投げ飛ばした錬金石は光を放ち


キラーン

バン!


破裂して白い煙が舞う。

それをバンバルウルフェンは顔面諸共突入し目が開けられずに連発のクシャミをする。


「バフ!バフ!バフ!」


「どうだ!昨日何とかしてモルティー先生から逃げる為に作った錬金石。その名もペッパー爆弾だ!」

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