魔法使いと錬金術師
魔法使いと錬金術…何で俺が聞きたかったというのは単純に魔法に興味を惹かれる奴がいたからその理由を知りたかったわけではない。
魔法……この世界で唯一ルミナと一緒に協力してくれる仲間がいるというのが俺には分かっているから敢えて魔法の事について彼女に難しい魔法の話しをふった。
そうする事でこの世界での魔法について何か追加で詳しい事が聞けるのかと思ったのだが…
「はぁ〜結局はこの世界での魔法というあり方は俺の知っていた知識と何ら変わらなかったんだな。」
でもこの情報が間違いではなかったというのはとても良い事だ。
俺がルミナ達と出会って何かしら変わってきているというのは何となく察してはいたが、コレから仲間になるかもしれないもう1人の魔法使いの存在が危険じゃないという分野であったのは良かった。
お互いの認識が危険という概念なのは間違いないんだが…コレに関してはルミナともう1人の話し合いで解決できる。
そしてコレから俺がコレ以上ルミナ達に関わらなければそれでいいという事もちゃんと頭の中にいれとければそれで問題ないはず……だと思えばいいんだけどな。
「しかしお兄ちゃん。やっぱり私あの魔法に関して錬金術と組み合わせたらもっと凄い事ができるんじゃないかなって思っているのですが…その辺に関してどうでしょうか?」
「どうでしょうかって言われてもな〜錬金魔法と魔法…コレらに関しては何ら変わらないわけだし…別に興味がそそる話でもない気がするんだが…」
「確かに錬金魔法はそれぞれの属性によって使えられ…またそれを工夫して造ったりもできます。だから錬金魔法と呼ばれてはいますが……エルゼさんの話しでは既に魔法を酷使している状態でありつつもそれぞれレベルが違うんだというのが分かりました。」
「つまり?」
「私個人としての研究が捗りますという事です!帰ったら急いで調べなければ!」
「さいですか〜」
まぁ妹がこういった分野で興味を抱いてくれるというのはありがたい事かもな。
早いとこ兄離れしてほしいわけだし一応兄離れでの一歩前進したという事で大丈夫そうか。
それから俺たちは村の港へと戻り船の行方不明騒動の件について片付いたと言う事をギルドへ知らせにいくエルゼ。
その後俺達はルミナ達と別れ店へと戻る。
「ただいま。全くとんでもない目にあったぞ。」
「本当ですね〜あ!ボルちゃんただいま!」
「キュキュ!」
そう言えばコイツがいたのをすっかり忘れていたな。まるまる半日空けてしまったけれど…飯とか大丈夫だったのだろうか。
「きゅ!キュキュ!」
「ああごめんね。今すぐご飯あげるからちょっと待っててね。」
やっぱりご飯を欲するんだな。
そりやぁ生き物だからお腹は空くよな。
でもコイツいつも何食べてたっけか?
セピリアが面倒見ていたから最近コイツの事分かってないんだよな。
そう思いながらラクトは床に突っ放しながらボルテスライムを眺めつつ物珍しそうに見る。
「キュキュ?」
「いいよな〜悩みとか何もなさそうで…いつも何も考え無しでいきてんだよな〜きっと。」
「きゅー!キュキュ!」
「うわ!やめろ妙な液体を俺にかけるな!ちょ!何変なの垂らしてんだ!分かった!分かったから…お前も大変なんだよな。そうだよなすまんすまん!っておおい!液体の量がヤバいって!マジでやめろ!マジで止めろって…や、やめろ!」
「きゃああ!!!」
「な、なんだどうした!」
ボルテと妙なじゃれ合いをしている最中リビングの奥の方からセピリアの奇声が聞こえ急いでリビングの方へ走っていく。
「どうしたセピリア!どうかしたのか!」
「お、お兄様!どうしてこの人がここにいるのですか!」
「あ、おかえりなさい待ってたわよ。」
「ああただいま。……じゃない!何でお前がここにいるんだ!」
まさかの台所にいるルミナ。
さっき別れたばかりなのに何故かうちのリビングにおり不自然極まりなかった。
「そりゃあだって、ここは私の帰る場所みたいなものだものいてもおかしくはないわよね。」
「いやおかしいだろう!」
「いやおかしいですよ!」
完全に妹とハモリシンクロしてしまう俺達。
そりゃあ自分の家にどうやってはいってきたのか分からないルミナがいたらそりゃあ驚くし突っ込むだろう。
後もう一つ気にがかりなのが1つ。
「何で勝手に料理とかしてんだ?それにここはお前の帰る場所じゃない。」
「もうそんなつれない事を言わないの…ほらもう少しでご飯できるから座ってて。」
「いや勝手に主導権握らないでくれるか。ここは俺の家だ。変な事ばかりされると困る。」
「そうですよ!料理は私の得意分野なんです。勝手に私のアイデンティティを奪わないでください。」
「そうだぞ。……ん?そうだったけか?」
今完全に妹の言い分に納得しかけたが、そうでない気がする。
「そうなのです!へっへん!」
「威張るな威張るな。」
「今日はハンバーグを作るから楽しみにしててね。」
「ちょいちょい。誰が勝手に料理をする許可をしたんだ。それに犯罪だぞコレは…」
「う〜ん?そんな事言っていいのかな〜君は今私に弱みを握られてるというのを忘れたのかな〜」
「弱み?いや全く意味がわからないんだが…俺がいつお前に弱みを握られてる事になっているんだ。」
「今の君の現状って、私にありのまま状態を曝け出しているよね?それってさ君の素をそのまま私にぶつけてるってことは周りにバレたら厄介なんじゃないかしらね。」
「………」
「どんな理由かはわからないけれど、君は今の君を周りにバレたくない。寧ろバレたら厄介みたいなのを避けようとしている。ふふそれはつまり今ここにいる私達意外に知られれば君は今の立場が危うくなるという事だよね。」
「……いや別にそういうわけじゃないんだけどな。」
「……え?」
「ぷっ!」
そうじゃないという事を思いっきり否定された事で思いっきり隣にいたセピリアが笑いを吹きこぼす。
「う、嘘だよね。だって、ラクト君明らかに口調がラフになってるというか…」
「まぁルミナに関してはもういいかなって思ってたしな。」
「いいかな!?そんな適当に雑に扱うような言い方!酷くないかな!」
「いやだってな…もうあの神殿で色々と晒してしまってるわけだし今更お前の前で見繕っても仕方がないしな。それに別にお前の周りにバレても俺に何ら影響は及ばないだろうしな。まぁ強いて言うなら…今すぐここから離れるみたいな型だろうしな。」
「は!?もしかしてそれは私の事を弱みを握るさんだんなんじゃ…」
「だとしたならとっくにお前を排除しているだろうな。」
「くぅ!!なんていけすかない人なのよ。ふん!でも私の仲間以外にバレたら厄介でしょう。だったら私の言う通りにした方がいい…」
「この街に長く暮らして他の人との親睦を深めた人間とつい最近になって現れたギルドメンバー。いったいどっちを信じるんだろうな?」
「………」
言葉が詰まった。
完全に論破された彼女はコチラを睨みながら膨れっ面になって涙目を浮かぶ。
「もう!どうして私の事を邪険にするの!私の事嫌いなの!」
「うわ…突然な駄々っ子…そう言えば俺が折れると思ったら大間違いだぞ。」
「お兄様さすがに今のは引いてしまいますよ。女の子をまるで玩具みたいに扱う。そんなお兄様…」
「ええ!まさかの非難される言い方。俺が悪いのかよ。」
「いえ!寧ろほれぼれしましたね。やはり私のお兄様はドがつくほどの鬼畜野郎って事ですね。」
「お前の俺の兄に対する認識はいったいどうなってんだ。」
「もう!私を無視しないで話を進めないでちょうだい!絶対に私はここから離れないんだから!寧ろここに住むんだから!」
「お前はお前で勝手な我儘で話を進めるんじゃない!てか今自分が置かれてる状況理解していないのかよ!不法侵入なんだぞ。不法侵入者がそんな駄々を捏ねていいわけあるか。」
「むむっ!」
「むむっじゃない。ほらさっさとここから出て仲間の所へ戻れ俺達はコレから夕飯なんだ。」
「あっだったら丁度いいわね。私が今何をしているのか分かるかしら?」
「料理してたんだろ?でもそれとこれとは話が別だ。とっととここから出ていってくれ今日はもう疲れて…」
「ジュル…お兄様何だかとても芳ばしい匂いしませんか。何だか食欲がそそるといいますか。」
「………た、確かにそうだな。」
ルミナがあまりにも非常識な事をしているのに対して妙な脅しをかましてくるものだから料理の事に関してスルーしていたが…言われてみれば美味しそうな匂いがする。
でもたかだかハンバーグに対して敏感に反応等しな…
「ん?ハンバーグだって?」
何でこの世界にハンバーグがあるんだ?
色々な肉料理があるのは分かるがこのアトリエゲームにハンバーグがあるのはおかしい。
寧ろ何かしらの動物やモンスター等の肉を使った物なら話はわかるが、ハンバーグ限定という名前を出してきたというのはあまりにも奇妙だ。
「ハンバーグがどうかしたの?もしかしてやっぱり食べたくなったのかしら」
「いやまぁそうでありはするんだが……ルミナそのハンバーグって言葉いったい誰に教えてもらったんだ?」
「え?ああ!そう言えばあなた達はハンバーグという料理を知らなかったわよね。もう馴染み深い料理だからついそのまま当たり前のように話してしまったわね。え〜とハンバーグだったわよね。知り合いに教えてもらったのよ。作り方とかも結構簡単だったから案外私でも作れるんだなって思ったわね。」
その知り合いというのが気になるな。
もしかしたら誰かしら転生者か転移したやつがいるかもしれない。
可能性だったら会える事も可能かもしれないな。




