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呪縛とされていた船解放

生贄の魔法陣。

じゃあコレがこの船の通路を歪な形で繋ぎ止めていた事になっていたって事なのか?


「でも妙な話ね。生贄の魔法陣なのにこんな場所に敷かれてるというのは……わざわざ船長室の中に魔法陣を敷いた理由とか正直いけすかないわね。」


「そもそもの話船内で誰かが死んだという話は聞かないな。そこら辺の話はどうなんだおっさん。」


「おっ、おっさん。まぁ別に構わないが……この船で人が死んだというのはまずない。そもそもなんで生贄の魔法陣なんてあるんだ!ワシの船に何故そんな細工なんかを!」


「意図的にされたというわけではないみたいね。というよりもコレ多分面白半分に設置されてただけみたいよ。」


「な!?面白半分でワシの船がこんな事にされてしまったのか!何て非常識な!」


「魔法使いに常識もへったくりもないわよ。」


でも興味本位で敷かれた魔法陣となると些かめんどくさいわね。

私だったらここに敷くのじゃなくて、もっと別の……


「!?もしかして、ここだけじゃなくて違う場所にも魔法陣が敷かれてる。」


そう言って魔法陣に手を翳して魔法の痕跡みたいなのを辿りながらルートを詮索し至る所に魔法陣が敷かれてるのを確認する。


「迂闊だった。こんな簡単な仕組みの魔法陣にどうして今まで気付かなかったのかしら。単純な構成だというのにあちこちある魔法陣をただ打ち消すだけで全て解決できたというのに完全に足元を挫いてしまったわ。」


「な、なんだ、もしかしてどうしようもできないという状況なのか。」


「いいえ単純に今まで気付かなかった自分の愚かさ加減にムカついただけよ。大丈夫この大元である生贄の魔法陣を消せばそれで全て解決できるから。」


それなのにこの人はどうして、そこまで腹をたてたような感じで苛立っているんだ。

この魔法陣を消せば残りの全ての魔法陣が消える。

寧ろ今まで気付けなかったのはラッキーだったんじゃないか。

無駄足になって一手間増えるだけだったのに…


エルゼは敷かれた魔法陣に持っていた瓶の中に入っている水っぽいの振り撒きそれを足で踏み潰しながら消していく。


え?それだけで魔法陣が消えるのか?

ただのチョークで描かれていたのを普通に足で消すの変わらないじゃん。


「よし!コレでOKね。」


「あ、あの〜今ので終わったのですか?単に水を振り撒いて消しただけのように思えるのですが…」


「え?ああまぁそう見えても仕方がないわよね。コレ単なる水じゃないもの。」


「な、なんですと!?う、嘘をつくんじゃありませんよ!どっからどう見てもただの水にしか見えませんよ。」


「ふん。コレだからお子ちゃまは…コレはね魔法を込めた力の水なのよ。言ってしまえば魔法水と言えばいいかしらね。だから普通の水と違って魔法に関する物が描かれているものがあればそれを打ち消す事ができる。まぁ弱い力の魔法に限るんだけれどね。」


「な!?ぼ、僕を馬鹿にしたな!」


そう言って暴れ出すロイぜをガイウスが抑える。


「それなら今回はそこまで大規模な問題じゃなかったと言う事ですか?」


「そう言う事になるわね。」


「……それは本当にそうですか?」


「まぁ言いたいことは分かるわね。コレが大規模な問題じゃなくていったいどう言うことなのかとね。」


「そうです。本人曰く迷惑勝手たこの状況。コレが特別に大事になるわけがないという話は僕自身も納得がいきません。」


「ふーん。端的に言ってしまえば私達魔法使いにとって、あまりにも意味のない魔法陣としか言いようがないのだけれど…ひとまずここを出ない?この船を解放させるのが何よりも優先事項だと私は思うのだけれどね。」


「あなたね!ラクト氏の話をそのままスルーする気ですか!全く持って心外ですよ!」


「お前は少し落ち着けって…そうだな。とりあえずは解決できたわけだしこの船から離れよう。おっさんもコレで解決したわけだしコレでいいよなってあれ?」


そこには既に姿がなく。

自分は無事に成仏できたといい後の船の事は任せると書き置きだけ残されていた。


「まるっきり私たちに丸投げだね。まるで何もかもなかったかのように消えていったわけか。」


「あのジジイ!」


ひとまず無事に解決した幽霊船は周りに発していた濃い霧と共に消え去り船が戻る現象が無くなり無事に船の出航等どうにか元の形に戻る事ができた。


………自分達の乗ってきた船


「ルミナ!皆んな!」


アリシアは無事に戻ってきたルミナに抱きつきながら涙目になってとてもとても心配したと言わんばかりの愚痴をこぼしながら文句をいいつつルミナの事をまるで説教するかのようにして話す。

いやどんな心配したんだよという言い方なんだよというのは敢えて突っ込まない方がいいんだろうなきっと。


「うーん。しかしこの船どうすかな。」


「もう使えない船なんですよね?ならばこのまま置いていけばいいのでは?」


「いやそうしたいが結局の所この船の地下(・・)の事についても有耶無耶なんだよな。」


「そうですね。あの場所に続く道正直気にはなります。ですが今は保留で大丈夫なのでは?」


「ああ。今はそこまでは手をつけられない。だから…」


「え?僕があの船の地下室を調べてくれって?」


「ああお前にしか頼めない事なんだ。こんな事無理言ってるのは重々承知だが…正直な所お前の頭の回転の起点に今回は助けられたからな。だからお前に頼めないかと思っている。」


いや勝手にそっちが忖度しないような形で俺の株を上げてただけなんだけどな。

俺が何がどうのと発言は一切してないし…それを俺に任せるって…いやいや無理にも程があるだろう。

と普段なら絶対に断る言い方をするわけなんだが…


「別に構いませんよ。」


「おお!そうか。ならこのまま村にまで戻って一息つけてからお願いできるか。」


「分かりました。コチラも準備が必要になるかと思いますしいいですよ。」


ガイウスに頼まれるというのはよっぽどの事なんだと思う。


「だけど、もし何か妙な事を起こせば容赦はしないからなその辺覚悟はしといてくれよ。」


頼んでおいて信頼性ゼロかよ。

やっぱり断ればよかったかな。


色々と幽霊船での問題があってそれを片付ける最中俺はまだ疑問として残っている事をエルゼに話を聞く。


「お兄様。」


「セピリアか。あの後大丈夫だったか?」


「はい。問題なくいけましたよ。お兄様こそよくご無事で帰られてこられました。あの方達からお話をお聞きしましたが相当興味深い事になっておられたみたいですね。私もお話をお伺ってもよろしいでしょうか?」


「錬金術じゃなくて魔法の事についてになるわけだけどいいのか?」


「いいといいますと?」


「いや単に興味を惹かれる話はないんじゃないかと思ってな。」


「いえいえ寧ろ研究として捗る様な話は私としては興味津々です。さぁ!お話を聞きにいきましょう!」


やたらと浮き足たってはいるが、そこまで面白い話しが聞けるとは到底おもえないんだけどな。


妹と一緒にエルゼがいる場所へ足を運ぶ。

しかし何やら作業をしていたのだろうか、何かを示すかの様にしてあちこちへと方角を確認しながら何かの粉を振り撒く。


「何をしているのですか?エルゼファアールさん。」


「ん?ああ〜コレはね私がここの領域をちゃんと処理しましたよという合図を送ってるのよ。」


「合図?それってエルゼファアールさんみたいな人達がごろごろといるという事ですか?」


「う〜ん?それはどう言う意味なのかしら?」


やべ、違う意味で捉えられてしまったか。

まぁ間違いではないからその辺口酸っぱく言う必要はないな。


「いえコレと言って意味はありませんよ。」


「……そう。まぁ別にいいのだけれどもね。」


なら何故聞き返した。


「私達みたいな魔法使いがいるのは特別多いわけじゃないのよ。ほんの一握りしかいない程度なの…だからこうやってお互いがちゃんといるという意思表示もなるしなによりもまだ魔法使いが健在しているって事も伝えられるのよ。」


「………」


「ってこんな事が聞きたいわけじゃなかったわよね。さっきの船での話のことかしら?」


「はい。あの船で描かれていた魔法陣。あれが大事にはならないって話し……生贄の魔法陣なんですよね?それならば十分にヤバい領域に入ると思うのですが。」


「そうね。まぁあなた達一般人からしたらそりゃあヤバい話に聞こえるわよね。でも魔法使いはそうはならない。何故なら水に魔法を加えるぐらいでどうにかなる程度にしか思わない程の力なんだもの…それを危険視とかしていたら魔法使いなんてやってないわ。」


「それなら錬金術はどうなんですか?」


「錬金術ね〜まぁ今の話を聞いたら逆の事も然り…一緒じゃないかって思っても仕方がないわよね。……そうね反対から見ても一緒…私達魔法使いは寧ろあなた達みたいな人間を危険視しているわ。」


「錬金術に危険性があるのは僕も勿論しっています。錬金魔法なんて物があるぐらいなんですから…それ同様で大差変わらないんだとも思っていますよ。でもあんな風に放置されていての魔法陣は話が別…遠隔操作型の魔法陣なんて物はあまりにも危険すぎますよ。」


「はぁ〜それを私に言われてもね〜構造を知ってるだけで、あれをしたのは私じゃないんだもの…それに私もまだまだ未熟者だってのを思い知らされちゃったしね。」


「………あそこで仕掛けた魔法使いはまだ生きているんでしょうか?」


「さ〜てね。生きてるかもしれないし死んでるかもしれない。何しろあの亡霊がずっといてたぐらいだもの…生きてないというのが1番妥当な考えじゃないかしら。」


「………なるほど分かりました。まぁ自分から言うのもあれですけど、やっぱり話しを聞いただけじゃ全くわかりませんね。」


「ならなんでそんなに興味深いみたいな風に聞いてきたのよ。」


「身近に魔法使いを憧れる子がいましたからね。」


「はは〜ん。なるほどね〜」


「なんですか?」


「その子の事が好きなのね。」


「え!?お兄様まさか私に内緒で好きな人ができたのですか!何で言ってくれないんですか!」


「いや違うから…後何で自分に好きな人ができたら妹に言わなきゃならんのだ。」

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