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幽霊船にいる魔法使いは本当に存在する?

ここでの仕組みは単純な仕組みと言っても過言はないのだろう。

ちょっとした衝撃や揺れによってランタンの火が灯されるというような僅かな間の点火。

それが部屋の仕組みを打破できる要となる。

でももしかしたらという疑心暗鬼がありつつも成功できたのなら良しとしよう。


「元の場所に戻ってこれた。コレが法則性だというの?」


「法則性かどうかはそちらの判断に任せます。ただ僕はもしかしたらと思って、ただ単に気づいただけにすぎません。」


「でもお前だから分かったって事じゃないのか?俺だったら絶対に分からなかっただろうし…」


「そりゃあガイウスだもの。そういったのが苦手なのは百も承知よ。」


「お前は俺の何を知ってるって言うんだ!」


「私に惚れた馬鹿な男?」


「こ、コイツ性根が腐ってやがったのか。」


お互い様だと思うけどな。

そういうパーティなのは予め分かってたのにも関わらずに冒険していたんだから異性でのいたこざがないとは限らんだろう普通。


「ほほ〜それは興味深い話しね。確かに彼女はとても身体の肉付きがいいものね。男から好かれるフェロモンが出ていても仕方がないというものよ。」


「ちょっと待ってくれるかしら。何であなたにそんなセクハラめいた言葉を言われなきゃならないのよ。エセ魔法使いにの癖に…」


「魔法使い関係ないでしょうに!」


また話が拗れ始めてきた。

この面子は話を拗らせる才能でもあるのか。


「お兄様どういう事ですか?衝撃や揺れによってどうしてランタンの灯が灯される仕組みになっているのですか?別の法則性があるという事なのですか?」


ああやっぱりそうなんだな。

違う法則性があったのか……てか俺のは別に法則性じゃないし。


「私も気になるわね。脱出できるというのは確実に分かった事だけれど、何でランタンの灯なわけなの?」


「それを僕に聞かれても困るんですよね。全て把握しているわけじゃないです。これを仕組んだ魔法使いに聞くのが1番手取り早いと思いますよ。ねえエルゼファアールさん。」


「え?私?」


「そうですよ。魔法使いという事ならあなたが1番この仕組みに理解しないといけません。だってこの船内には魔法石というのが仕組まれているんでしょう?じゃなきゃ魔法使い関係でこういったトラブルが起こるのはおかしな話しです。」


かと言って幽霊が関連しているのなら今俺が問い正している事も間違っているわけなんだが…


「……そうね。確かに魔法石が関係しているのは間違いないし魔法使いが関係しているっていうのも先に話したわ。でもそれが実在するかどうはまた別の話しよ。」


え?


皆がどういう事?みたいな顔をしながら、え?と口にして訳の分からない反応をする。

特にアリシアは見た事もない恐怖な顔をしつつ青ざめながらルミナの背後へ周り思いっきり腕に手を回す。


「わわ、アリシア握りしめる手が強いよ。……待って待って、そんなのってあり得るの?魔法使いを信じているわけじゃないけれど、存在しない誰かが何かを引き起こす事なんてできないんじゃないの?」


「そうね。普通ならそう。でもお化けの類いなら違うでしょう?お化けも魔法使いも実際にあった話しをちゃんと元にして作られた童話とかがあったりする。それも人を怖がらせるには十分な要素で物語を作っている人がいるわ。」


「虚像の話しでしょうそれは…僕達が言いたいのは現この時点での話しです。あなた方には魔法使いがどうのこうのと嘘を言っています。だから信じられないし幽霊も信じない。ただそれだけの話しですよ。」


「……ねぇラクト君。私この子生意気すぎて本当に嫌いなんだけど。」


いやうん。

そこまで言われると確かにちょっとうざったいではあるよな。


「はぁ〜パッフさん。」


「ロイゼでいいですよラクト氏。」


「……じゃあロイゼ。君は既に魔法としての要とする石を目にしているはずですよ。あの狭まった通路…あそこで彼女は既に証明されています。」


「あの妙な光現象の事ですか?……確かにそう言われればそうかもしれませんね。光輝く石が単に辺りを目眩しさせるというのじゃなく…まるで時が止まったかのようにして壁の侵攻がゆっくりとなっていた。……はい異論はありませんね。」


「異論はないって……だったら今まで魔法使いでの信用するしないの話はなんだったのよ。」


「でもまぁひとまず魔法使いの存在が認められて良かった事ではあるけれど、存在しない魔法使いはどするんだ?」


「あなたもその子側だけどね!なんでそんな他人事みたいに言えるのよ。」


「まぁまぁみんなあの魔法石による現象見てから信じたんですから許してあげましょうよ。ほら私は拓一信じてないわけではなかったでしょう。ね?」


「まぁあなたに関してはそうだけどね。特に兄妹の方々はまず疑いすらもしてなかったから別にいいんだけども…」


ひとまず納得してくれるエルゼ。

はぁ〜魔法使いがどうかって話は後々に分かる事だっていうのに…こんなところでくだらない話をしてしまった。


「魔法使いがここには存在しないって言う話しだけれど…本当にここにはいないのかしら?」


「…………」


「ちょっと!何で黙っているの!いるのよね!この船に人はいるのよね!」


「ちょ!アリシア握ってる手が痛い痛い!」


「………解決するまでは分からないわね。」


解決か…ここへ紛れこんでしまったというのもあるけれど…そもそも俺達が乗ってきた船に舵を切る人がいなかったというのが原因ではあるわけだし…エルゼの言う通り解決するまでは分からんな。


「待って待って!つまりこの船での問題が片付けられるまでは戻れないの〜〜」


「当たり前だろう。そもそも船が迷って次の街へいけないという為に俺は頼まれていたわけなんだからおめおめと何戦果なしには帰られないだろう。」


「うわ〜脳筋馬鹿が言うようなセリフね。」


「なんだと!」


「このまま行けば元の船には戻れると思います。先に帰りたいという人がいれば仕組みの一部を教えるんでそのまま帰っていただければと思います。」


「はいはい!帰る帰る!私早く船に戻りたい!」


真っ先に手を挙げるアリシア。

思いっきり笑顔すぎて何だか不憫にしか思えなくなってきたぞ。


「私は残るわ。ここまできたんだしちゃんとここで仕組まれていたと思う正体が知りたいわね。」


「コチラも同意ですね。少なくとも僕達が迷子になった理由はあるんだと思われます。……まぁもう迷子になった理由は大体判明されてはいると思いますがねラクト氏が…」


「俺も当然だぜ。とっととこの現状をぶち壊せねぇとな!こんなまやかしさっさと引き下ろしてやらねぇといけねぇからな。」


「野蛮君な言葉をそのまま鵜呑みにするわけじゃないけど、後少しなんだから帰る必要性はないわね。寧ろ招かざる客になりつつあるんだしこのまま前へ進むのがベストね。」


完全にアリシア意外は同意だな。

さて当のアリシアは…


「………」


完全に固まってる。

はぁ〜仕方がない。


「セピリア。クローデルさんを連れて僕達の乗ってきた船に戻ってくれないかな?」


「え?私も一緒に付き添うつもりだったのですが…」


「この人数だとまた誰かしら行方不明になる可能性がある。だからここでは帰りたがってる人を優先的にして帰らせる必要があるんだ。いいなセピリア。」


「うう正直一緒に行きたいというのが本音ですが…お兄様の指示に従います。」


「ありがとうなセピリア。」


俺はセピリアの頭に軽く手を置き撫でる。

セピリアは満足そうにしながら微笑んで喜ぶ。


「ちょっとまって!だったら私も一緒に…」


「アリシアは帰った方がいいと思う。このままアリシアを連れていったら多分解決するのも解決できないと思う。別にアリシアを仲間外れにするとかそういう事じゃないの。もし大事な仲間であるアリシアに何かあったら私自身もどうしたらいいか分からなくなっちゃうから。」


「だ、だからって…」


「お願い今回は私のお願い聞いてくれないかな。」


アリシアは困った顔をしつつやはり納得が行かないのだろうか。

今まで旅してきた仲間に無理しないで付いてこなくていいというのは色々とくるものがあるだろう。

そして…


「………チッ!」


モロ舌打ち。

完全に俺に向けての八つ当たりだな。

何とかいえよこの野郎にしか見えない目つきだ。


「わかったわ。ロイゼ、ガイウスあなた達がちゃんとルミナの事を守ってやるのよ。もし何かあったらただじゃおかないんだから。」


「いったいどれぐらいの旅をしていると思ってんだ。俺達を甘くみるなよ。信じとけっての。」


「もちろんルミナさんの事は任せてください。僕達コレでも昔からの付き合いですからね。」


おうおう頼もしいセリフだ事で…まぁ当たり前なんだけどなルミナを守るという事は…主人公死なせたら意味ないんだしな。


「ねぇねぇ。」


「?」


ルミナが何故かコソッとコッチに近寄ってきて話してくる。


「別にラクト君が私の事を守ってくれてもいいんだからね。お化けがそもそも全部が全部苦手というわけじゃないんだけど、やっぱり私女の子だもん。一応怖いものは怖いから側から離れちゃ嫌だからね。」


「………」


なんともまぁアプローチというか自分が怖いアピールをしてくる。

コレは単に自分を守ってくれれば何か良いことがあるかもよという暗示か何かなのだろうけど俺はそんなのには惑わされない。

というか自分の体で露骨なアピールをしてくるな。


「まぁ善処しますね。」


「ああ!それって絶対守ってくれない言い方だ!私を守ってくれなかったら私の服を脱がせた事みんなに言うからね!」


「ちょ!」


余計なことを大声で言い出すルミナ。

聞いていた皆んなが俺に向かって鋭い視線を送ってくる。


「……はぁ〜私この人達と一緒にきて良かったのかしら。選人間違えたかしら。カモかと思っていたけれど、こんな緊張感のない人達初めてね。」

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