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幽霊船の仕組み

3人は顔を顰めっ面にしながら何言ってるんだと言わんばかりの顔をする。

しかしセピリアは何故そんな顔をするのかとばかりの顔をしながら俺の方へ顔を向けてくる。

いやそんな顔で見られても。

どう反応すればいいのか俺にも分からん。


「いいえ見てないわね。そもそもお化けなんて存在するの?」


「お化けなんていないだろう。そもそもそんなのがいたら俺達みたいな冒険者の存在意義に関して意味がなくなるしな。」


「ふん。お化けなんて非科学的ですよ。僕達錬金術師には縁遠い話しですから。」


おっとここで予想外な3人が非科学的なことを言ったぞ。

じゃあお前達みたいな存在はなんだって言いたくなるが……ここではファンタジーとお化けの概念は一緒にしてはいけないんだろうなきっと。


「だったら私達みたいな存在はなんだって言うのよ。私は魔法使いなのよ。魔法使いは非科学的な存在でありつつ私みたいな存在を否定するって言うの?」


「???」

「???」

「???」


そりゃあそうだわな。

いきなり何言い出してるんだと言われても仕方がない。魔法使いとか言われて、は?となるのも当然こうなるわけだな。


「いやそのなんだ。その格好自体まず色々と言う事があるわけなんだが…」


「魔法使いって存在したんですね〜初めてみました。」


「ば、バカにしてるわね!?」


思いっきり棒読みをするロイゼとガイウス。

全く信じてない口振りだ。


「こ、コレだから魔法疎外しする人間は…というよりいったい誰が錬金術や魔法錬金を生み出したと思っているのよ。」


え?今何て言ったんだ?

生み出したって言ったのか?錬金術を?魔法錬金を?どういう意味だそれって…


「す、凄い!凄い!ここに魔法使いがいるなんて!どうなってるの!ねぇどうやって魔法を使うの!見せて見せて!」


うわ〜1人だけ興味津々なのがいる。

本当何でもかんでも好奇心旺盛だなコイツは…


「コホン!魔法使いとか非科学的な話はひとまず置いておいて、ここから脱出するのが先なんじゃないんですかね。」


「ああ、確かにそうだな。いつまでも魔法使いもどきの話しなんか聞いちゃいられないしな。」


「はい。それに脱出ルートがわかってるのなら話が早いです。ここからでましょう。魔法なんて物は錬金術だけで十分ですしね。」


「おいこら!!さっきから私の事を馬鹿にした言い方してんじゃないわよ!というか喧嘩売ってるんでしょう!いいわよその喧嘩買ってやるわよ!上等よ!」


「お、落ち着いてください〜あの2人は単に興味がないだけなんですから、そう目くじらたたなくても!」


「ねぇねぇ!魔法ってアレでしょう!こう小さな杖みたいなのを持って呪いの文言みたいなのを言うアレの事でしょう!」


「違うわよ!この子も私の事をバカにしてるんでしょう!あなた達船に降りたら覚えておきなさいよ!」


「お、お兄様。た、助けてください〜」


エルゼが思いっきり暴力をふりそうになる様を見てどうにか落ち着かせようと静止するセピリア。

しかしセピリアの腕力だけでは上手く留まらせる事ができないのか、俺に助けを求む。


「はいはいストップ!セピリアここから抜け出せる事は絶対に可能なんだよね?」


「あ、はい。何かしら弄りがなければではありますが…」


「それじゃあさっさっといきましょう。ここでウダウダと話しているよりはマシですからね。」


「そうだな。」

「そうですね。」


「やっぱりあの2人一片地獄を見た方がいいわよね。」


「よくないですよ。」


「………」


セピリアが先導に立ち俺達を誘導する様にしながらサクサクと前へ進んでいく。

確かに見たところ扉を潜ってから前の場所に戻るという事はなくなっている。

………でもなんだろう。何かしら違和感があるというか…


「……」


「どうかしたラクト君?何か思い詰めてるみたいだけど。」


「いや、何か違和感がありますといいますか。妙に周りの幅が縮んで来ているというか…」


「はは、何よそれ。もしそうなっていたとしたら私達今まさにピンチになって、挟まれて死んでしまうわよ。」


「…いえ。そうなってしまっていますね。さすがはラクト氏です。」


「え?」


周りには何の音もなかったはずなのに、いつの間にか壁が迫り出してきていた。


「嘘でしょう…コレ扉の中に入ったとしても私達助からない可能性があるって事なの!もう法則性とか関係ないじゃないのよ!」


「くっ!おいどうなってんだラクト!お前の推測通りじゃねえのかよ!」


俺の推測通りだなんていつ言ったよ。

勝手に信じ込んでここまできたお前らのせいだろう。


「勝手にお兄様のせいにしないで下さい。コレは私達がお兄様が敢えて私達にいわなかった事なんです。なので全責任は私達にあります。」


そして何故かこの妹はそういって解釈で俺を庇いたてようとする。

いや俺が何かしたわけじゃないし勝手に俺のせいにされても困るんだけどね。

そもそも完全におかしい状況に何でみんな気付いてた癖になにも言わなかったんだ!


「ふむ少し前から狭まっていたというのは僕にも分かっていました。」


じゃあ何でいわなかったんだよ。

確信犯か!


「あ!私も私もちょこちょこ砂埃が舞っていたから、あれ?何か動いてるみたいなのには気付けていたわよ。」


そしてここにも自尊心溢れる確信犯が1人。

このパーティヤバくない?

俺がいるという前提もヤバいけど、意思疎通できてないやんけ!


「……ふぅ仕方がありません。もう少し様子見をしたかったですが、緊急事態です。魔法石を使いましょう。」


そう言ってエルゼは魔法石を狭まってくる壁に向かって投げると壁はゆっくりとなり始めていきまるで時がゆっくりと流れ出すかのようにして遅くなっていく。


「壁がゆっくりとなりましたね。止まったわけではないのでしょうか?」


「ええその通り。一時だけ動き出す物に時をゆっくりとさせる力を働かせたわ。と言ってもコレは仕組みであるからその根本的な罠を壊さないと意味ないのだけれどね。」


「となればここはラクトの番だよな?」


「え?僕?」


「だってそうだろう。ここまでお前の読み通りになってんだからここからはお前がもう勿体ぶらずにやってくれれば俺達は命が助かるんだぞ。」


前までは俺の事信じようともしなかった奴に今更命の危険が押し寄せてくるから信じるだって?おいおいあまりにも都合が良すぎやしないか?ああ?


「………ん?あれは?」


俺は扉の上にある1つのランタンが灯されているのを確認する。


あんなのあったけか?というよりも周りが暗かったというのはあったけれど、対してそこまで暗くなかったから問題なく歩けていたのはあった。

……いやもしかしたら。


「どうかしたのですかお兄様?」


「もしかすると案外すんなり出られるのかもしれませんね。」


!?


皆が突然目を鱗にしながらとんでもない事でも発したかのような目でコチラを見てくる。

いやそんな大した事まだ何も言ってないんだけど…


「そ、それは本当なの!?」


「あ、やっと起きたんだアリシア。」


「……あ。」


ようやくおんぶしていたアリシアが目を覚まして皆が驚いたのと同時なのだろう…アリシアも驚き隠せないというような顔をしてビックリしていた。


「え、えーと。みんなが大きな声をあげたからついビックリして目が覚めちゃったというか…」


「嘘。さっきからずっと起きてたでしょう。それもラクト君の背中でおんぶされながらやたらと安心しきってたかのようにして目が醒めないフリをしていたんだもんね。」


「し、してないわよ!な、何言ってるのよ!それに私…ゆ、幽霊なんてそもそも信じてなんかないもの!」


いや俺におぶられている時点でもう嘘がつけられないんだよな。

思いっきり震えてるいのが手の振動でわかるし。


「第1私男が大嫌いなのよ。なのに安心しきるっていうのはおかしな話しでしょう。」


この状況でよく言えたなその言葉。

だからお前背負られているの忘れてないか?


「あの〜クローデルさん目が覚めたのなら下ろしましょうか?」


「そ、そうね。さっさっと降ろしてくれないかしら。私を背負って歩いてなんて…単に私の足の感触を楽しみたかっただけなんでしょう!この変態!」


そんな暇あるかよ。

堪能できているならそれはそれで役得だなっと思って色々と他のは後回しにしてるっつうの。


「全くルミナはいっつも変な事言うわよね。嫌になっちゃうわ。それでここから本当に直ぐに出られるの?」


「直ぐかどうかは分からないけれど、恐らく出られると思います。」


「思いますじゃ困るのよ。確定してくれないと意味がないわ。」


「ちょっとアリシアいくらなんでもそんな言い方は…」


「いえ大丈夫ですよ。慣れてますので。」


「え?な、慣れてる?」


ラクト君もしかしてそう言った発言をされるのが好きだったりするのかな。

だとしたら私もアリシアみたいにキツイ言い方した方がいいのかしら。


「皆さんお気づきかどうかわかりませんが、どうやら扉の前にある通路にはランタンが吊り下がっています。」


「そう言えばそんなのがあったな。でもランタンがどうかしたのか?」


「そのランタンで灯されているのがほとんどなかったのが幾つがありました。でもこのランタンはきっと…」


俺は扉の前に吊り下がっているランタンの下にある壁に向かって軽くノックをする。


コンコン!


ボォ!


「あっ灯りが…」


シューーー…


「消えちまったな。たまたま残っていたオイルが点火したのか?」


「いえそうじゃありません。この船には仕組みがあるとそう言っていました。恐らくコレがそれなんでしょう。ノックもしくは何かしらの衝撃によってランタンに火が灯される。そしてその扉の奥には…」


グィーーン!


「え?ここって…」


「そう僕らが1番最初に入って迷子になった船内です。」

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