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扉の法則性またはその順序はラクトにだけは理解していないまま信頼され続けるのはゲロを吐きそうでヤバい

帰ってこない薬品型フェレット。

5体の内2体は帰ってきておらずどうやら迷子になってしまったらしい。

もしくは殺されたか…だとしてもルミナ達を探すという目的は変わらない。それとこの幽霊船に関する正体での船が戻ってしまう原因…とりあえずはルミナ達を先に見つけだすのが先だ。


………という事で…


「何も考えずに船内を歩いてるわけなんですけど、どうするんですか?」


「何も考えずに?ふふん。私を誰だと思っているのかしら。私は魔法使いなのよ。このようなギミックはお手のものよってね。」


「は、はぁ〜ギミックね。」


ギミックか…まぁ確かに…何かしら仕組まれてるのは間違いないよ。

だとすれば魔法関係か何かって事なのだろうか。

エルゼの判断に任せるとしよう。

にしても全然目覚めてくれないアリシアは…正直ずっとおんぶするというのも疲れてくる。

まぁ軽いから別にいいんだけど。


「うん。確かに扉がいくつかあるわね。入る所所の場所に魔力みたいなものを感じ取れる。魔法石を使っているのは間違いないわ。それにこの様式だと…」


エルゼは扉の取っ手に触れ閉まっていた扉を開ける。


「あれ?扉が閉まっている?この子達からの情報からは何も聞かされていなかったんだけど。」


「え?…待ってエルゼファアールさん!」


「え?」


ビュン!


扉を開けた瞬間エルゼの姿が瞬時に消え出す。


「エルゼファアールさん!」


ガタン!ガタガタ

ガタン!


「いったあーーーい!」


「この声はエルゼファアールさん。」


「お兄様。」


「ああ。」


エルゼの声がした方向へ走っていく俺達はそのまま船内の中を駆け抜けエルゼが飛び出た扉の前に辿り着き尻餅をついているエルゼを発見する。


「エルゼファアールさん大丈夫ですか?」


「え、ええ。くぅやられたわ。でもまぁ想定内と言えば想定内なんだけどもね。となれば扉の上にもしかしたら…」


エルゼはまた中に入らない様にと気をつけながらゆっくりと上の方へ手を伸ばしながら確認をする。


「………」


しかし何やら浮かない顔をするエルゼ。

何だ?何かよからぬ事でも起きたのか?


「あり得ないわ。このような現象を起こせるとしたら魔法使いの類いだと思っていたというのに、何故かなかった。魔法石がなかったのよ!」


「それはまぁ何というか……」


「はい何といいますか…」


「ドンマイ。」

「ドンマイですね。」


「兄妹揃って慰めの言葉なんて要らないのよ!というよりも困ったわね。このままじゃここの扉をどうにかして回避する事ができないわよ。」


「そもそもの話し扉の中に入らないといけないんですか?入らなくても済む方法とかあったりしないんでしょうか?プレデシアさん達ももしかしたら扉に入らずに迷子になってしまっているとかもあるんじゃ…」


「お兄様?だとしたら他の方々に会わないというのは些かおかしすぎると思いますよ。何処かしらで出会していてもおかしくないんじゃありませんか?」


わかってるよそんなことは…本当に入ってなかったらいいなって話をしただけなんだからそこは察してくれよ我が妹。


「そ、そうだね。さすがはセピリアだ。」


「えへへ。そうでしょうそうでしょう。お兄様の妹としては鼻が高いです!」


「じゃあそんなセピリアに質問だ。こういう場合セピリアならどうする?」


「そうですね。私ならば目印をつけますね。例えばこの場所にたまたまゴロ粒の石ころを端っこに置いておきます。コレを幾つかの場所に配置しておけば迷った時にこの場所は来たことがあると判断できるのでは?」


「まぁそうだよな。それが妥当な判断になるよな。」


「お兄様は何か不満があるみたいですね。どうぞ何か仰っていただいて構いませんよ。」


「うんうん。さっきから私達ばかりに話して自分は聞き手側というのも納得いかないからね。君にも何かしらの案を出してもらおうかな。」


「案ですか。……まぁ案というよりか今更ながらに思った事がありましてね。多分この手のやり口は向こう側も既にやっているのではないですか?あっちにはパッフ・ロイゼがいます。小さいですけど頭の機転ならば誰よりも負けてはいませんよ。うちの妹と同じぐらいにね。」


「まぁあの羅針盤を設計させていたというのもあるからね。その部分では納得かも。」


「ですがお兄様の言い分でも彼がここへ私達の所へ戻って来る事はありませんでした。となればパッフ・ロイゼさんは失敗したということになるのでは?」


「そういう事。パッフ・ロイゼも恐らく試したんだと思いますよ。近くにある大きな石ころがいくつかある。コレはもう試されていたという証拠ではありますね。」


「じゃあ何で行方不明になった3人は何処にいったというの?ちゃんと分かっていて対処できるならこんな事にはならなかったんじゃないの?」


「考え方なんじゃありませんか?僕ら錬金術師としての考え方じゃ通じない何かが邪魔をしている。それが魔法石に関係しているのなら尚更ですよ。それに人はほとんどいないというのがわかりました。となれば僕らがここにいる世界とプレデシアさん達がいる世界があるんじゃないんですか?」


「何が言いたいの?」


「恐らく何処かの扉を潜ると僕らはプレデシアさんの世界へ行く事になる。そうなればもうここへ戻ってくる保証がない。」


「ああ!お兄様はもしかして何かしらの法則性があると言いたいのですね。さすかばお兄様です。」


「………え?あ、ああ、そ、そうかもね。」


ほ、法則性?俺そんな関係する事一言でも話したか?


「法則性?じゃあ何かしらのルールがあるって事なの?」


「はい。きっと何かしらのルートがあるのだと思います。辿るべき道順を辿って行けば私達はここから出られると思いますよ。ね?お兄様。」


「え?あ、ああ。そ、そうだな。きっとそうだと思うよ。あははは…」


やべ完全にここからの判断基準を仰げられない。

俺にはもうここからの打開策なんてものはないぞ。

本当にここは何かしらの法則性になっているのか?物事を判断するには色々な基準が要となっているんだけど……そもそもここは幽霊船なんだろう。

法則性とか関係あるのかよ。


しかしセピリアの言う通りに扉を潜る手順をどうにかして入ったり出て行ったりしていると…


「あ!ラクト君!それに皆んな!」


何故かルミナ達と合流できてしまった。

いやマジかよ。ウチの妹もしかしてこう言ったミステリー要素が好きだったりするのか?

もう俺じゃなくてセピリアがルミナ達と冒険してくれた方がいいんじゃないか?

まぁそもそも冒険にすら出ていないんだけどな。


「す、凄いですね。どうやってここまでたどり着いたのですか?僕ですらこの扉を潜る手順を見直していたというのに…」


「ああそれは僕の妹が…」


「はい!お兄様が思っていた通りの展開でしたよ。やはり法則性で間違ってはいなかったですね。さすがは私のお兄様です。」


「え?ロイゼにすら分からなかった扉の法則性をお前に理解できたというのか?」


「す、凄い凄い!やっぱりラクト君は凄いのよ!それに何故か気を失っているアリシアをおぶっているラクト君の何気ない優しさ。やっぱり私達と冒険にふさわしい存在だよ!」


うっ!勝手に盛り上がって勝手になんか俺が凄いやつみたいな流れになってきている。

少なくとも疑心暗鬼であるお姫様は眠っているからアレだけど…こんなに期待値だけを増幅させて、俺をどうしたいんだコイツらは…


「ふむラクト氏が当然ここの法則性を理解していたのは僕だって分かっていましたよ。」


んなわけないだろう。

何処に目がついてんだよコイツ。


「え、えーと、僕にそんな能力なんてな…」


「だとしたらこのヘンテコな迷路みたいなのも潜り抜けられるかもな。」


「うん!絶対に大丈夫よ!何せロイゼに言われてぐるぐると扉を入っては失敗して入っては失敗したんだから。ラクト君がしっている法則性に頼ればいいのよ。」


話を聞いてくれやしない。

だから俺に法則性なんてわかりっこないっての。

この幽霊船みたいなのはゲームでやっていた要素だとしてもルートまで端っこから端まで覚えてないんだよ。

しかしここでもう分からないって発言はさすがにできないわけであって……こうなったらここはもう。


「そ、そうだね。でも僕があれこれ言うよりもセピリアに案内してもらった方がいいかもしれない。ここに来れたのもセピリアのおかげであるからね。無理に僕の指示に従って動くかよりかはここまできたセピリアが見抜いた法則性に頼るのが1番だよ。」


あくまでも自分がここでは無能だというのを知られない為にね。


「そうですか。お兄様が言うのならそうしましょうか。確かに変にお兄様に頼って行動するよりかは私が把握している範囲で動けた方がいいかもしれません。」


「お言葉ですが、いくらラクト氏の妹だからと言ってそう簡単に切り抜けられるのは不可能かと思います。僕はラクト氏が予めしっていたと思われる法則性を基にして扉のルートを辿りながらお二人に頼んで潜っていってもらいました。しかしそれが何故か今度は前の場所に戻る事ができず同じ所をぐるぐると回っている。君にそれを打破するのは無理だと思うけどね。」


「はい?お兄様を侮辱するような発言はやめてもらえませんでしょうか?お兄様が法則性を理解しているのは分かりきっている?それが分かっていながら自分勝手にして迷子になっているあなたのせいじゃないんですかね。」


「いいえ。僕が言ってるのはラクト氏が駄目だったという話しじゃなく、このまま君に任せて大丈夫なのかとそう言いたいのですよ。」


「ふん!今に見れば分かりますよ。ねぇお兄様。」


「あ、ああ。そ、そうだね。」


もう勝手にしてくれ。

後は出口さえ出れば何も問題はないんだ。

2人で揉めるどうとかの話は出口を出てからにしてほしい。

それにいまだにこの船での法則性が理解できてない俺からしたらいつその法則性での見分け方を聞かれてしまうのが不安でしかたがない。

……帰って寝てスッキリして〜な。


「さてまず扉の中に入る前に確認したいことがあります。」


「確認したい事?」


「はい。あなた達コレまでに幽霊という存在を確認しましたか?」

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