稀に見る錬金術師の魔法使い?
魔法使い…まぁ端的に言えば魔法が扱いやすい錬金術師と物理に特化した錬金術師。
この2つが主な要になっていて、それぞれ役職みたいなのが存在する。
例えばこのゲームでの役所となるとルミナは物理と魔法両方に特化している為錬金魔術として役所が適合される。まぁだからアトリエというタイトルのゲームとして存在しているわけなんだけどな。
ひとまずそこに関しては置いておいて…じゃあ魔法使いはどう言った意味で珍しいのかと言うと…
「私が魔法使いとして珍しいという顔だね。まぁその通りなんだよね。何せ魔法使いというのは錬金術ではなく全て魔力石で力を使っているからね。」
そう。大体の人達で魔法を使うというのは錬金術から掠め取ったものと言えばわかりやすい。
この世界にも錬金術や魔術といった物はマナやオドといった物によってこの世界の人間達はそれで使える形となっている。
勿論魔法使いが錬金術が使えないというわけではなく敢えてそうしないようにしているのだ。
「ですが、それだも魔術錬金と変わらないのではないのですか?」
「違うわね。私みたいな魔法使いは魔術錬金を使ったとしても術は使えないのよ。というより使ってしまったら私が使う魔力石の効果が薄れてしまう。だから魔法使いは術を使用したりしないのよ。」
言ってる事に関してはおかしな事を言ってるなと思う奴は多いだろう。
俺も最初はそうだった。このゲームのストーリー常なんで魔法使いが魔術を使えないんだよって思ったり、どうして石だけで事が足りられるんだと…おかしなゲームだなと思った時がある。
けどやってる内にこのアトリエゲームでの魔法使いって言うのはとても重要なんだと改めて思いしらされたな。
「術を使用しない…成る程。そう言った役所もあったという事なのですね。いえそもそも魔法使いというのはただの妄言なのとばかり思っていました。こういう世界なので…」
「まぁそうよね。ほぼほぼ魔法使いなんて、いてなんの役にたつのだろうと思う人もちらほらいたりしたしそれに魔力石で魔法使いとしての在り方を証明というのも魔力石にマナが入らないと意味がないからね。」
「それで?あなたみたいな魔法使いが、どうしてここら辺に関して詳しいみたいな形で話せるんですか?ここへは初めてきたんですよね?」
「言ったでしょう。私魔法使いって…それに私に関する関係者がいるかもしれないってそう話したりもしたよね?もう忘れたの?」
「だからですよ。いくら魔法関係と言ってもそれなら僕達だって、その辺に関しては詳しかったりしますし何よりも感知だってする事ができます。」
主人公達とは違う魔力の持ち主だけれどね。
「チッチッ。残念だけどそれは無理な話って事ね。感知できる?でも感知なんてできなかったでしょう。あなた達が魔法使いとしてじゃなく錬金術師として育ってきた証拠よ。その時点で明白だし…何よりもこの幽霊船みたいなので他の皆んなや船を遭難させようとするのが本当に意味不明。何かしら悪戯な奴がやっていそうというのもあるかもしれないわね。」
「予め仕組まれていたって事なんですね。となれば話は早い。エルゼファアールさんならもうこの問題は片付いたのも当然ですよね。」
正直困難なパターンが発生し続けるのかと思っていたけれど、優秀な魔法使いがいるなら話は別だ。
錬金術師だろうが魔法使いだろうがこの際どうでもいい。このわけの分からない状況からいち早く脱出したい。
「あ〜その事なんだけどね。今のはあくまでも仮定の話しなのよ。でも私と同じような人物またはそれに関する何かがいるというのは間違いないという事だけは断言できるわ。」
「またまたご謙遜しなくてもいいんですよ。ほらお得意の魔法石があればこんな所ちょいちょいのちょいって奴なんでしょう。」
「何度も言わせないで頂戴。私はここへはあくまでも観察にきただけ…というより私が既に何かしているならもうとっくにこの件に関しては終わってる話しになってるわよ。」
「………まじですか?」
「大真面目のマジよ。」
はいまさかの終了宣言ときました。
いやまじかよ。ここまで来て…というより無理矢理ここへ連れ込まされて打つ手なしかよ。
人生終了みたいな流れになってるんじゃねえよ。
「でもコレだけの細工をして人影1つすら見えないなんて……ここって本当にあのデカい南蛮船なのかしら?」
「もしかすると別の船に繋がっているんじゃ…」
「流石にそれはないんじゃないかしら。こんな大規模な事を他の船に繋げさせるというだけでもそれなりの力を使うわよ。ましてや人間業にしては尚更よ。」
「だからですよ。お兄様ここの船内を色々と私の作った薬品動物さん達がここに戻ってきましたので詳しくお話し致しますね。」
い、いつのまにそんなことを…というか薬品動物って何だ?もしかして密かにモンスターでも飼ってたりしてたのか?ボルスは例外みたいな所があったけれどセピリアがまさかな。
「………うんうん。ありがとうそれじゃあゆっくりとこの中に入って休んでてね。」
そういいながらボジェットの中にハムスター?みたいなモンスター達を迎え入れて何やら休ませようと労いの言葉を放つ。
え〜あの中にモンスターが入ってたのかよ。
うちの妹マジヤバいんだけど…
「ひとまずこの船内では人がいないのは確実との事…それに加えて複雑な迷路にもなっているみたいらしく開けた扉が何処かしらに繋がっているというのが分かりました。」
「開けた扉って…その子達が扉を開けていったというの?」
「まさか。小型型のモンスターですよ。そんなパワーあるわけないじゃないですか。」
と当たり前のようにしてニヤっと笑うセピリア。
それをエルゼは少しばかり眉間に皺を寄せながらイラついてるのが目に分かる。
「そ、そうよね。じゃあどうしてそんな事がわかるのかしら?」
「単純な事ですよ。扉はそれぞれ古い扉です。既に空いていた為私達の薬品型モンスターのフェレットは空いてる扉に向かって落ちていた石ころを転がせたそうです。すると転がせた石がなんと別の扉から出てきたという事が判明しました。どうです?コレなら納得のいく話しでしょう?」
「うっ、そうですね。そう言われてしまうと返せる言葉もありません。」
「ふふん!まぁ私はコレでもお兄様の妹ですからね!」
だからそんなに主張をするな。
まるで俺も凄いと言わんばかりの言葉じゃないか。
勝手に株を上げるのはやめてくれ。
「ふぅ…となればいずれは出口へと繋がる道もあるやもしれないって事なのね。となればやっぱり私がどうにかするべきなのかしらね。」
「あ、因みにもう一つ言い忘れていた事がありまして…この船内何やら歪な感じがあるみたいです。」
「はい?歪な感じならもう既に体験してるじゃないのよ。」
「いえそうじゃなく……」
何らセピリアは俺の方へ目線を向けて何か言いたげそうな顔をしてくる。
いやそんな目線を送られても俺にはわけが分からないんだが…
「………」
そしてセピリアはまだ気絶しているアリシアを見て少しホッとしつつ何やら安心した表情を浮かべながら片唾を飲み込んで覚悟を決めた顔をする。
「恐らくこの船に幽霊がいるというのは間違いじゃありません。」
………
な、なんだと?ゆ、幽霊がいる?
いや嘘だろう。
ただの戯言だろう。
セピリアがそんな戯言を言うなんておかしすぎる。
「………そう。やっぱりそうなのね。」
「いやいや!そんな簡単に信じこまないでくださいよ。そんな簡単に信じ込まれたらここに倒れているクローデルさんにどう話をする気ですか。」
「いやその子に関してはもう勝手にしてくれていいって感じしかないのだけれど……まぁ後でそれとなく説得すればいいんじゃないかしら。それよりもさっきの話しだけれど…」
え?それよりも?今ここで倒れている主人公の仲間をそれよりも?だと……いやどうなってんだこの世界線は…完全にモブである俺達が変に話しの中に入ってきちゃってるぞ。まずいコレは非常にまずすぎる。さっさっとルミナ達を見つけてどうにかこの状況を打破してもらわないと…
「コホン!ひとまずプレデシアさんたちを探しましょう。このまま逸れた状態では何かあれば遅いので…」
「えー…でもお兄様正直な所そのまま放っておいても問題ないのではないですか?あの人達と関わればロクな事にならないと言っていたのはお兄様なんですよ。無理に見つけ出す必要性はないと思うのですが…」
「だからと言ってそのまま放置にするわけにはいかないだろう。もし何かあれば後々気分が悪いしな。」
後主人公達を迫害にさせるというのはこの世界で最も駄目な事だ。
何があっては遅いというのをセピリアにも分かってほしいんだが…まぁ説明した所で納得はいかないだろうしな。
「それにセピリアも興味があるからといって一緒に船へ乗り込んだという責任も忘れてはならないんだぞ。何とかなるみたいな事を言っておいて挙げ句の果てがコレじゃ意味ないからね。」
「うう!それを言われると何も言い返せませんね。…しかしさっきも言いましたが扉は全て何処かへと繋がっています。変に足を運べば何処かで迷子になってしまうのが目に見えています。現に私が放ったフェレット達の2匹がまだ帰ってきてません。」
「フェレットが帰ってきてない?」
ハムスターに見えていたけれど、あれフェレットだったのか?……いやまぁ今更ではあるけれど…そうかフェレットだったのか…ずっとフェレットって言ってたもんな。……でもでもな誰がどう見てもハムスターにしか見えないんだよ!敢えて誰も突っ込まないから突っ込まなかったけどな。
「そうです。恐らく何処かしらで迷子になってる可能性が高いか……もしくは。」
「この幽霊船で何かが起こったか…ね。」




