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セピリアとモルティーとの仲良し作戦

家族でご飯という名目でセピリアとモルティーとの間を受け持つという事で俺が仲介役で2人の間に立たせられる事になりちょっとした親睦会が始まろうとしていた。


「………むす〜」


「あはは……」


やはりセピリアのご機嫌は斜め上で悪く…あまりモルティー先生の事をよく思っていない。

しかし何故ここまで嫌っているのか本当に分からないな。


「さぁ!みんな揃った所で今日のパーティ始めちゃうわよ!」


お、お〜


「声が小さい!皆んな始めちゃうわよ!」


おお!!


うちの母はどうやら相当の政が好きらしい。

変わってるというかなんというか人前では温和化みたいなのにどうしてこうもこんな風に変わってしまったのか……

昔のミシェリーの事が少し気掛かりにもなる。


「全くこんな無駄に料理など作りよって…いくら家族が多いと言っても限度というものがあるだろう。」


「何言ってるのよアナタはこういう機会だからこそみんなで食事をするものなのよ。それにもう後何年も経たずにセリダスとラクトが成人しちゃうのよ。こうやって家族との交流も減ってしまうと思ったら私私…」


「ああもうわかった。好きにしろ。全く我がこういった宴を嫌うのを知っていてミシェリーはそういう事をする。」


「ふふそうやって参加してくれるアナタも好きよ私は…」


「ふん!戯け!」


何なんだこの夫婦は…


そう思い込むセピリア、ラクト、モルティー、セリダス。

あまりにも小っ恥ずかしくて目も当てられずにいた俺達は各々で食事を楽しむ事にした。


「………」


さてあの2人をどうやって仲良くさせるかだけど…我ながら地球にいた作戦なんて通じないんじゃないのか?


ドン!


「おいラクトお前なんでモルティーちゃんまで連れてきたんだ。」


セリダスは俺の体に軽くアタックしコッソリと話す様に小声で話してくる。


「いや元々母さんからのお誘いしてたじゃないか。」


「え?そうだったか?……そういえばそんな事言ってたような……というよりもそれならそれで朝の時にちゃんと伝えて欲しかったんだが…おかげで髪の毛の整えを仕損ねたじゃないか。」


ああ〜そういえばセリダスはモルティー先生にやたらとご執心だったな。


「ラクトどうだ!今の俺決まっているか!」


「ああ〜そうですねそうですねカッコいいと思います。」


あまりにもどうでもよくて丁寧語で軽くセリダスの言葉を遇らう。


そんな事よりも今はあの2人をどうやって仲良くさせるかを考えなきゃならない。……モルティー先生には恩があるしとりあえず妹の方からモルティー先生に話が行くように促すか。


ラクトはセピリアの方へと移動し1人で何やら問答しているセリダスを置いて話しかける。


「なぁセピリア?」


「はい何ですかお兄様。」


何の屈託のない笑顔だな。

よしコレならモルティー先生の話をしても…


「あのなセピリア実はモルティー先生の事で話が…」


「…………」


うわ〜あからさまに嫌な顔をしているな。

何でモルティー先生の話なんかと言わんばかりの顔がそう書いていてコレ以上の事を踏み続けられる自信が弱くなってくる。


「はぁ…モルティー先生が何か?」


「いやどう思ってるのかなって思ってな…本人曰く気にしていたぞ。何か嫌われている様な事をしたのかって…セピリアはモルティー先生の事嫌いか?」


「………嫌いではありません。単にモヤモヤするだけです。」


「モヤモヤ?」


「はい。……私と違ってお兄様は錬金術に対してそれなりの素質があります。それと類似するかの様にモルティーさんもそこのところちゃんと話があっていて共感を得ています。だから私からしたらそこのところがモヤモヤしてムカつくんです。」


「………ああつまり嫉妬というわけか。」


「お兄様!わざわざ口に出さないでほしいです!」


「……ラクトお前。」


どうやらコッチの話しが気になったのかセリダスもこっちに来て話しに加わる。何故か呆れた顔をされてしまうが…


「………」


どうやらモルティー先生はうちの両親達となにやらつもった話をしているのだろうか楽しそうにしている様子が見られもうしばらくそっちで話してくれるとありがたい。


「いや別に恥ずかしがる事じゃないだろう。セピリアの年頃からしたらあって当然の感情だと思うぞ。」


お前だって対して変わらない年頃だろうに何でそんな年上めいた言い方をしているんだ?


「そ、それでも乙女にとっては気付いてほしくないというよりそれを言葉にしてほしくないんです!」


「そうだな。そりゃあそうだ。誰だってこんな無神経に言われたら嫌だよな。すまん。」


乙女の所に関しては触れないんだな。


「ぷす〜まぁいいですけど、とりあえず私はお兄様とあの人が仲良くしているのを見て腹が立っているだけなんです。ただそれだけで別に嫌ってるわけじゃありませ…」


「そうなの〜!!」


「うわ!」


急に飛び出てくるモルティー先生。

勢いよく泣き出しながらセピリアの方へと抱きつきセピリアはビックリする。


「ちょ!離してください!」


「いやだいやだ〜嫌ってないのならこうやって仲良くしたっておかしくないもん。」


「そういう意味でもない気がするんですけど、というか苦しいんで普通に離れて欲しいだけなんですが!」


「いやだ〜私弟じゃなくて妹もほしかったんだもん〜」


そう言って2人ともジタバタとしながら食卓の中で暴れる。


う〜ん……2人の歪みあい問題をどうにかしようと思ったが……よしとりあえず解決したかな。……したでいいよな。うんめんどくさいからしたという事で解決解決。


「いいな〜モルティーさんと俺にもハグしてくれないかな。」


隣でやばい事を言っている兄貴に対して俺はそこをつくような事はしないと決めながら敢えてスルーをした。


「うん?でもセピリアって確か錬金関係での古代文献を調べていたよな?前に俺に尋ねて一緒に勉強した事なかったか?」


「お、お兄様!それは時と場合を選んで言ってください!」


「え!本当なのそれ!うわ〜それはますます私セピリアちゃんのこと気に入っちゃったかもしれない!う〜んコレは直ぐに仲良くなっておけばって後悔しちゃうやつだよ。」


後悔してるのは多分モルティー先生だけじゃないと思う。

セピリアは嫌がっているが、内心ちょっと嬉しそうにしている所がある。

こう見えて意外と優しいところがあるんだよな。

兄想いがたまに重い時があるが、そこは置いておいたらちゃんと人と接すれば本来のセピリアだっていうことが伝わるんだろうな。


「お、お兄様この人何とかしてくださいよ。」


「ほ〜らモルティー先生いい加減に離れないとセピリアまた不機嫌になってしまいますよ。」


「ふぇ〜ん。それはそれで困る。でももっともっと仲良くなりたかった。」


「今からでも十分間に合いますよ。」


……ん?仲良くなりたかった?何で過去形なんだ?


「え〜こほん!皆んな話を聞いてくれ。」


あの父親のポッターがまさか俺達の前で珍しく真剣な顔をする。何だ?いったい何が始まるんだ?


「父さんいったいどうしたんだ急に?」


「そうですよ。お父様がそんな家族の前で真剣になるのっていつ振りなんでしょうか。あまり私としては好ましくありませんね。」


「ガーン!セピリアに嫌われた。」


そうだこの父親は末っ子の妹にはとんだ甘いんだったな。

けれどそうさせない為に母のミシェリーは厳しく教育指導した為我儘な娘に育たたつにすんだ。

ある意味いい意味合いでよかったなと心から思うのだが…


「何故俺にはこう甘い所を見せる時があるのか謎なんだが…」


特に両親がいない時に呼ぶお兄ちゃん呼ばわりは俺だけにしかしないのが余計に謎を膨らませる。……いやセリダスも同じかもしれん…ここではセリダス兄さんとは言わないしな。


「オヤジ大事な話っていったいなんなんだ?まさかもう少しで成人になる俺へのサプライズか何かか?」


「寝言は寝て言えお前に俺の跡がつげるとでも思ってるのか?」


「いやいや長男だぞ俺は!まさか俺の他にオヤジの跡をつげるやつがいるってのか?」


「ああもちろんだ。それは我が可愛い愛…」


「あ私は大丈夫なんでお断りさせていただきます。」


「ガーン!」


一々ショックを受けないでくれないか。

本当にセピリアに甘すぎて困ってしまうんだが…


「それよりも父さん早く本題を言ってくれないか?」


「あ、ああそうだな。…コホン!実は今我が家のアトリエを仮住まいしているモルティーなのだが、急用をもってここから出ていくらしい。」


「え?」

「嘘…」


あのモルティー先生がこの家から出ていく…そんな事考えた事もなかった。

いや俺が考えなかっただけか……


「そ、そんな!モルティーが出ていくなんて!なら俺も出ていく!」


「ならん!お前が出ていけば困るのはお前自身だぞ。まともに剣技や錬金術等習得していないお前がモルティーの足手纏いになるのが何故わからん。」


「だ、だけど!」


「父親からのアドバイスだが…単なる好奇心だけでついてくというのならそれは単なる驕りでしかない。お前はまだ未熟だ。自分の力に自信があるのならば俺は止めやしない。」


ポッターの言う通りだ。自分の力に過大評価しすぎるとかえってとんでもない目に遭うというのはゲームの中でよくある体験だ。

けどここはゲームであってゲームの世界じゃない。

所謂現実世界に等しい場所……恐らく俺がここで死ねばもう転生やら何やらできないかもしれない。


「ふふ、ありがとうセリダス君。君のそういった気持ちは本当に嬉しいよ。正直な所私1人だとは不安な部分はあるよ。」


「な、なら!」


「掃除に洗濯身の回りの雑用等私1人でできるかどうか…」


いやそこは嘘でも頑張ろうという意志を見せてほしいんだが…


「掃除に洗濯その他のお世話なら俺がやりますよ!」


「セリダスお兄様に家事なんて出来っこないでしょう。そもそも見た事ありませんよ。作ってる所とか手伝ってる所とか…」


「うっ!」


「あははじゃあ残念だけど不合格だね。でもセリダス君にはセリダス君の役割があるはずだよ。私と一緒いたらそれこそ君の時間が無駄になる。君にはまだ色んな経験がここで積み重ねていけると思うから頑張って。」


「ぐっ!」


それでも行きたいというセリダスの勇気のある心情はある意味賞賛に値する。とてもじゃないが今の俺にモルティー先生の跡についていくという選択肢は…


「あ!でもでもラク君にはついてきてもらいたいという思いはあるかな。」


「はい!?」

「は?」


俺とセリダスは何を言ってるんだという様な顔を恐らくしているのだろう。この人はセリダスは断って俺を連れて行くという話を突然しだす。だけどそれは…


「だめーーー!!反対!反対!は〜んたい!」


「モルティー俺もセピリアに同意というわけではないがうちの2番目の息子を連れていくのはどうかしていると思う。そこまでの戦闘力は然程持ってはおらぬしまだまだ未熟な所がある。正直外の世界に出す技量等は待ち合わせていませぬぞ。」


「いいえポッターさん。それはあなたの目が節穴だからそういう事が言えるんですよ。彼はとても錬金術師として優秀と言える程の素質を持っています。恐らくですがダンジョンに対しても難なくと攻略するでしょう。」


やめてくれ〜そんな過大評価要らないから!

俺は普通にアトリエでひっそりと暮らして錬金したいだけなのに家族に対してのポイントアピールとかいらないつうの!


「しかしそんな風に見えんぞ。錬金としての素質はあるかもしれないとは思ってはいたが…ダンジョンを攻略する程の腕があるとは到底おもえんがな。」


そうそういいぞいいぞポッター。

そのまま俺の評価をガタ落ちにしてくれ。


「お父様!ラクトお兄様はそこの女の言う通りすごい存在なんです!勝手に低い評価だけで判断するのはよくありません。」


こんな所で変な兄想いはやめろセピリア。

ますます俺が旅に出る流れになってくるだろうが…

てかお前はどっちの味方なんだ。


「まぁそれぞれ賛否両論はあると思います。なのでラクト君にはコレから明日私と一緒に試験を受けてもらいます。」


「え?いや別に受けたくないのですが…」


「……受けてくれるよね?」


「……はい。」


何か妙な圧みたいなのに押し通され俺はモルティー先生に逆らえなく明日一緒に俺が凄いかどうかという試験を受ける事になった。

いやマジでいやなんだがこの試験…

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