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安心できる場所に物知らぬ顔でいる主人公

あれから数日が経ち目的とする黒曜石も回収でき無事にアトリエ工房としてお店として活用する事ができた。

正直ルミナ達に色々と空回りされ大変な事が起こっていたのはまぁその時だけという事で目を瞑ろうと俺はひとまず忘れようとしコレから俺のアトリエライフを送れる。


………そう思っていたのだが。


「ふん♩ふんふん♩お客さん来ないね。いい装飾品ばかりおいてるのに何でこないんだろう。」


「………」


「あ!もしかして宣伝したりないとかかな。私がここのお店の宣伝をしてこうようか。」


「いやそうじゃなくて…」


「なんであなたがここにいるんですか!?」


そう何故かルミナはうちの店にやたらといびりたつようになった。

それも週に2、3回。

アルバイト感覚で来られてるぶん余計に達が悪い。


「ええ〜だって、私がいないとつまらないでしょう。何より私達いいパートナーだっていう事に気付かされたわけだし。」


「いやいや勝手にパートナーにしないでくれるか?あの時は仕方なく一緒にいたわけであって協力しただけだ。」


「だとしても私はラクト君といい関係性を築けたと思っているわ。だから私にとってはいいパートナーだって思ってるの!」


何この屈託のない目の輝きは…あんな波瀾万丈があったというのにどこをどう捉えたら良いパートナーだって思えたのかわけがわからんわ。


「はぁ〜ルミナ悪いがそれは単なる勘違いだ。お前を辱めてしまったというのがあるし…ルミナから視線を外してしまったと言うことも大きな汚点になる。俺からしたらいい関係性ではないと思う…お互い何処かしら悪い方向での不運でああなったと思う。お前の仲間からも物凄い注意をされたのもあるしな。」


主にアリシアだけど……それにガイウスもちょっと訝しんでいて納得したのかしてないのか分からない顔にもなっていたしな。


「それは大丈夫よ!ちゃんと私が説得しておいてあげたから!」


「何が?」


どう説得したのかは分からないが、正直説得しなくてもいいんだけどな。

仲間になる気は一切ないわけだし…


「とにかく!ラクト君はコレからも私と一緒にいる権利がもらえたって事!コレはとても光栄な事なんだよ。」


「何が光栄なんだ何が…というか俺の話聞いてた?このアトリエから出るつもりはないって…それにルミナもいつまでもここにいられないだろう。ちゃんと目的があって冒険しているんだろう。あの時キーストーンを手に入られたって喜んでたじゃないか。」


「………」


な、なんだなんで急に黙りになってしまったんだ。

俺変な事言ったか?


「は!?そうだったわ。私キーストーンを集めないといけなかったのよ!だからこうしてここにいるんだもの!何もおかしくないわ。」


「は?」


なんだ突然…まるで自分に言い聞かせるような言い方をしてるみたいだけど……ルミナの考えが全くわからん。


「お兄ちゃん。あの人相当ヤバいのでは?今すぐ追い返しますか。それに堂々と私達のお店に上がってくるなんて笑止千万ですよ。」


「セピリアそれ自分にも返ってるって事分かってて言ってるんだよな。」


「???何の事かセピリア分かりません。」


白々しいな。

まぁ今更何を言った所で帰ってはくれないだろうし暫くはコッチで面倒を見るという事で……問題は目の前だな。

やたらといびり立つようになったルミナ…ここいらで仲良くなったとしてもメリットがない。

俺の安全な保証が確保されないというのもありつつ…世界の橋渡しとなるこいつがこんな所で留まってはいけないんだ。

かといって俺が一緒に行くって話になると色々とややこしくなるってわけであって……ん?いや待てよなんで俺がついて行かないといけない選択肢になってるんだ。

元々は主人公に寄り添うという展開はモブの俺にはあってはならない事なんだ。

既に誤った道を進めてるのかもしれないが、それでもまだいけるはずだ。

残りのキーストーン…ここで回収するんじゃなくもっと前の場所でやることをやってからここへ訪れてほしい。

ここは少なくともキーストーンがある場所とはまだ僅かに関わりがない場所なんだから。


「はぁ〜ルミナ。もしかしてキーストーンが目的とかしょうもない理由で俺のこの場所にいるのならその考えは改めた方がいいぞ。」


「ど、どうしてわかったの!」


「わからいでか!」


っとつい関西用語が出てしまった。

こんな言葉この世界では不必要だな。


「お兄様よく訛った言葉なんて使えましたね。何処かで習ったんですか?」


「………」


そうかこの世界って、普通に関西弁用語があったけか…でもそれは関西用語じゃなくて何の言葉なのか………うんそこに関しては特に何も触れてなかったから別にいいか。

いや寧ろどうでもいいな。


「ぐぬぬ。でもでもどちらにせよ私達はこの島から出られない身なんだから、ここにいようがいまいがラクト君には関係ないんだもん!」


「とうとうそんな嘘まで……いい加減にしろよ。そうやって逃げる都合をつくってるだけじゃないか。」


「あ、いえお兄様その実はですね。」


「どうしたセピリア?まさかお前までルミナの味方をする気なんじゃ…」


「え!初めて妹さんから庇ってくれるのね!」


「あそういうわけじゃありません。単に本当の事を言ってるだけなので…」


「ひ、酷い!」


「本当の事?」


セピリアがルミナの言っている事に同調していたのに対して俺も気になってその話の続きを聞こうとしたのだが…百聞は一見にしかずという事でそのまま海の方へ船がある船着き場まで移動する。


「セピリアさっきの話しなんだがどう言う事だ?お前までルミナの言葉にのっかる必要はないんだぞ。」


「まだ言うの!そこまで私の言う言葉が信じられないっていうのかしら!」


「あくまでもの話しだよ。ルミナの言葉にセピリアが話に乗っかるなんてらしくないとそう思っただけだ。」


「な、成る程。……ん?成る程なの?」


馬鹿にはどうしようもなく理解できないんだろうかコッチの言葉に何かしら疑問も持たずに納得してくれるから正味楽ではある。


「ルミナさんが言って事に関しては私がここに来た時に知らされていました。船を特定の場所へ出航させると戻ってきてまうと…」


「戻るだって?そんな怪奇現象みたいな事あるわけないだろう。」


「どうしてそんな事が言えるのですか?この世界ではあらゆる事に関して不可思議な事がたくさんあります。それもまだ見ぬ大地だってあるかもしれません。いいえそれを目にした人からの言葉であったとしても自身の目でみる事でそれが明らかになる。お兄様ならこの由来する言葉を理解できるのではありませんか?」


理解するも何もそれはこの世界での精霊種が発言していた言葉なんだ。

理解なんて1ミリも考えた事もないね。


「さて船着場についた所でですが……何やら物凄いごたつきになっていますね。」


「確かにここまで人がごった返す様は初めてみたかもしれない。船が戻ってくるかどうかっていう話しと何か関係があるのか?」


「さぁそこまでは分かりませんがもしかしたらという可能性もあるかもしれませんね。」


「………」


しかし妙な話だな。

そんな話しがあったのは確かサブクエストとかで幽霊退治をしてくれとか何とかのクエストでしか見た事がなかった気がするぞ。

ここでの舟が戻るかどうかという話しだとしたらそれ関連か?


「ほ、ほら!私の言った事は本当だったでしょう。」


「本当かどうかはまず話しを聞かないとでしょう。」


まためんどい事が起こってしまっているなと思いつつもここら辺に住んでる者としては情報を聞かないといけない。

安全に住む為にもな。

関係なかったらそのまま放置すればいいだけだしな。


ざわついてる中の内1番情報通っぽい人が何やら皆んなに情報を渡している魔法使いの格好をしている女の子が状況を説明している姿が見られる。

魔法使いっぽい姿ってエセ感があってあまり信用できないんだよな。


「はいはい皆さん今船が出せるのは2隻だけになってるから乗る人がいたらちゃんと私に許可をもらってね。」


「何であんなエセ魔法使いの子に許可を得ないといけないんだ?乗るんだったらチケットを売ってる販売屋の所に行ったらいいんじゃないのか?」


「今は彼女が仕切りをしているみたいですね。恐らくトラブルとか一式全てを無しにする為に彼女を雇ったとかその辺りだと思いますよ。」


「魔法使いみたいな格好をしている子を雇うって相当経営してる側もまいってるんだな。というかそんなに船が今だせないのか?」


「詳しくは彼女に聞いてみましょうか。私もここに着いたのが最初で最後かもしれないって言われてましたから何の事かなと思って無視をしていましたし…」


「何でスルーしたんだよ。そこ1番大事な部分だろう。里帰りする時に困るだろう。」


「いえ帰る気なんて全くありませんでしたし。」


「……あっそう。」


なんかもうルミナがたくましく見えてくるよ。

昔の可愛かった頃のルミナは何処に消えたのやら…


「あ!だからあの時帰りたくても帰れないとか言っていたのか。お前最初から帰りたくないって駄々をこねていたのはもう帰る事ができないのをわかりつつ我儘を通して無理強いしたんだな。」


主に具体的な話を聞かなかった俺が悪かったのもあるが船で来ていたなんて話も聞いていなかった。

単にアイツ…ボルスのおかげとしか言ってなかったから敢えてスルーしたけれど……そうだよな…いくらモンスターのおかげとは言え俺の所までボルテのおかげ来られるわけがない。

と考えればボルテはあくまでもついで…恐らく探知機代わりか何かなのだろう。

コイツのあの言い回しは帰りたくても帰れないという意味あいなんだと改めて言葉の認識をちゃんとしなかった自分に悔いやまれる。


「お兄様ならどんな我儘でも妹のお願いは聞いてくれると思っていましたし何よりも妹は第一に大切にせよともいいますしね。」


言わねぇよ。何処の言葉だよそれ…

妹は大切にするのは確かにそうかもしれないが…せよって…最早強制単語じゃないか。

真顔なのもなんか腹立つし…


「うん?ルミナは?」


「おーい!そこの魔法使いの子!詳しく話を聞かせて頂戴!」


「おい勝手な行動をするな。」


兄に対して迷惑とも思わない妹。

最早自己中する主人公のルミナ。

この2人のセットを前にして制御するのは色々と大変そうだ。

ひとまず面倒事は避けつつ話しだけを聞くとしよう。


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