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新しい錬金

そうエスカの言う通り。

あまりにも的を得ている。そもそも俺はルミナ達とは距離を離したかったんだ。

それが何故かこんな形で一緒にいる事になっている。

普通だったらこんなのあり得ないと思う。

でも実際にこうなってしまってるんだから認めざるをおえない。


「確かにお前の言う通りだ。正直一緒いてしまっている事に困ってるという部分はあるしあまりにも無理強いに迫ってきているという部分に対して呆れてもいる。どうせなら協力を仰ぎたい所だな。」


「ふーん。それじゃあ交渉成立ってところかしら。ならコレから私がいう事に対して従ってもらうわよ。」


ここであの子とコイツを引き離せば私の目的もスムーズに動く。そしてコイツをここで引き止めればもう2度と対面する事はないでしょう。

まぁかえって恐らくだけれど、ルミナは自ずとこいつを助けにまたここへ戻るとか何とか言うかもしれないけれど、そこは私の話術でどうにかできるから問題はない。

ふふ、我ながら悪事が働く精霊として笑いが止まらないわね。


「従う?悪いけど従うつまりはないぞ。」


「は?どうしてよ。」


「エスカの言う通りに従うという話しは悪いがここでは聞けない。何せ2人とも命に関わってるからな。余計な事を言って2人が死んでしまうなんて可能性を俺は提示してほしくないし。ここを無事に脱出したい。まぁ仮に別れ別れになってお前が俺の所についてくるのなら話は別だがな。」


「………コイツ。」


放ったからそういう魂胆か。

私の提案を受けるつもりはないって事ね。

話しの筋では意見はあったけれど、それに賛同するかどうかはまた別の話し。

でもそう簡単に骨を折れると思ったら大間違いよ。


ガチャ…


「ごめんね。落とし物をしたせいで時間かかっちゃった。おっ!何だかあったかいね。うわあ!暖炉がある!嬉しいな。火を起こしてくれたんだね。ありがとうラクト君。」


「コレぐらいいいよ。あ、濡れた服適当な場所に置いてくれ。一応乾かす為の紐を結んでおいたからかけてくれれば数十分もすれば乾くと思う。」


「おお…何やら何までありがとうね。やっぱりラクト君は私達の仲間として外せないメンバーだよ。」


「だから勝手に仲間にするなって…まぁ今だけは期間限定として仲間になってあげなくもないけどな。」


「え!?仲間になってくれるの!」


「あくまでも期間限定だ。ここを脱出したらまた元の関係になるからそこは理解してくれよ。」


「ぐぬぬ!やっぱり仲間にはなってくれないのね。非常に残念。」


といいつも半ば期間限定だけでも一緒にいられるという言葉だけでも彼女は笑顔を綻ばせながら濡れた服を上に吊るしている紐にかけながらタオルで体を拭く。


「は!?今大変な事に気付きだしたわ!」


「大変な事?」


俺は後ろでまだ服を脱いでいると思われるルミナの声に何が今頃気付きだしたのか気になり見ずに返答する。


「替えの服がない!ど、どうしよう!」


「え?じゃ、じゃあもしかして今はだ…」


「いやー!!コッチ振り向かないで!」


そう言って一瞬振り返ろうとした俺に静止をかけるルミナ。

てか何で俺は今振り返ろうとしたんだ。

絶対に見ちゃ駄目なのに……

ん?いやでもルミナの関係するエ◯画像とか前いた世界では当たり前にあったわけだし…今更感があるから別に見ても見なくても変わらないんじゃ…


「何をそんなに首を傾げているわけ?何か違和感でもあったの?」


「ああいや、そのルミナの裸をよく見ていたっけなって思ってな。」


「は?」

「え?」


「……あ。」


しまった今のは完全にやらかした。

絶対に今どうやって見たんだとかいつのまに見たんだとか言われる。


「な、なな、ななな!?」


「あなたって、そう言った被害妄想とかあるわけ?何度もよくルミナの裸を見ていたって、それはつまり言ってしまったら空想の相手に性欲を持て余しているって事よね。」


「うーーん。」


どうしよう。ちょっと違った形でかえってはきたのだが……コレはコレで少し話しをして誤解をまねいた方がいいか。


「その言い草的には間違いじゃない。ただルミナの体って一般的には男心をくすぐるボディになっているんだ。つまり世の男性はルミナの体を見て性欲が湧き送る。そして頭の中でどうしてもルミナの赤裸々を脳裏に浮かびながらああやこうやと嫌がる事をして喜ぶ奴がいるんだよ。」


「なるほど。つまりむっつりスケベってわけね。まぁ私の界でもそういったのがいたりするから特に変ではないわね。となればこの世界ではあなたは普通の人だという事なのかしら。」


「そんなわけないでしょうが!!!!!」


思いっきり叫びを声をあげながら俺達に向かって全力否定の言葉を投げかける。


「そ、そそ、それって…つまり、わ、私の事を、お、おかず…と、とと、として…」


「お?めっちゃ動揺しているけれどまさにその通りだな。まぁ安心しろお前の体は特にイレギュラーとか何とかではなくて世の男子の8割はお前をオカズにしている。コレは喜ぶべき事だぞ。」


「んなわけないでしょうが!!!!!」


また思いっきり耳に響く怒りの叫び。

やはりコレで喜ぶ女性はいないというわけだな。


「というよりもそんな話しで盛り上がらないでくれるかしら。第一さっきのラクト君の言葉…私の体を何ども見た事がある件についてどういう事か聞かせて頂戴!それによっては返答次第で私はここをすぐ様に出ていかないといけなくなる。」


まぁ当然っちゃ当然だ。

今にも襲われてしまいそうな発言に対して誰が好んで好きでもない男と古屋で一緒に体を温まなければならないんだって話しだし…


「それはだな。単に俺の中の妄想なんだよ。具体的には言えないがお前の事を頭の中で隅々まで下から上まで観察してそういった妄想をしてしまっての意味で何度も見たという発言をしたんだ。」


「も、妄想って………じゃあつまり私の事を性的な目で見たっていいたいの?」


うんそうだよ。

何て肯定できるかよ。

それを認めてしまったら俺はまたやらかしてここから出るまで気まずい状態のまま一緒に行動しなければならない。

そんなのは絶対にごめんだ。

めんどくさいし……

どうせいうならここを出た後に曝け出して2度と俺に興味をしめなさそうにして突き放すのが1番だ。

まぁここにいるエスカが協力してくれんだからその辺に多分上手く合わせてくれると思うけど…


「性的な目で見ていたというのは少し訂正させてくれないか。あ、今の意味はお前が今言った意味での性的な意味だな。」


「どう言う意味?」


「お前の体を分析していたんだよ。さっき俺が言った上から下まで隅々とな。」


「え、嫌だ。ちょっと気持ち悪いわね。」


うん今のはそう言われても仕方がない。

そして哀れんだ目で見てくるのも仕方がない。

けどそのおかげでお前は俺に感謝しないといけなくなる。


「ふふ、そんな事を言っていいのかな。お前は俺に感謝しないといけなくなるんだぞ。」


「ええ〜今の会話の流れで何処にもそう言った要素はなかったと思うんだけど。」


「まぁな今の発言はあくまでも言葉の綾ってやつだ。実際にはこの釜を見てくれ。」


「うん?何その花瓶みたいな釜は?」


「コレは何でも調合金と言って、2つのもを合成させるとあら不思議、とんでもない合成アイテムが出てくるんだ。それが一般的に使う備品だとしてもな。」


「さっきはコソコソと何かしているかと思ったらそんな事してたわけね。でもそれがどうしてルミナが感謝する事になるわけ?」


「まぁ待て待てもうじき完成するんだ。それを見てからのお楽しみというのもある。後今のルミナには悪いんだが世の男子に釘付けになる部分が出ている為それをカバーする為の物を作ってたりもする。」


「え?それどういう意味なの?私が言うのもアレだけど、体のポテンシャルは普通だと思うわよ。」


「普通ね……」

「普通なのかしらね…」


俺とエスカはルミナの一部分の場所を気にし敢えて言葉にはしなかった。

まぁ今の状況で俺はルミナを見れないわけだからどの部分がと言われたら指摘なんてできないんだけどな。


「あなたの太ももの何処が普通だって言うのよ。憎たらしい。どの体にそんないやらしいポテンシャルができるわけなのよ。鏡をみて言いなさい鏡を…」


「エスカーーーーー!!!」


どっ直球に言ったな。

何かルミナとエスカが喧嘩みたいになってはいるがまぁそこに静止をかけられるほど俺に女性体制があるわけじゃないので服を乾かすのをみながら錬金釜が出来上がる音が鳴るのを待つ。


シューーーーーー

ピコン!


「おっ!できたできたな。」


「いったい何ができたのかしら?」


「ふふ、ルミナにとっては嬉しい事だと思うぞ。」


暖炉でタオル巻きにしてあったまっていたルミナが錬金釜の音を聞いてコチラにくる。


「そらコレをやるからあそこで着替えてこい。」


「え?服なの?でも何で?」


「いいからいいから。ものは試しにだと思って着替えてみてくれって…」


「わ、分かったわ。」


そう納得してもう一つの部屋のある方へ行き扉を閉めるルミナ。

しかしちょこっとだけ扉を開けてコチラを覗く。


「の、覗かないでよ。」


「覗かない覗かない。もう頭の中で何回もお前の体を…」


「もうそれはいいから!頭の中でも覗かないで!というより変な想像をしちゃダメわかった!」


バタン!


そう言って勢いよく扉を閉めるルミナ。


「はぁやれやれ。別に本当に嫌らしい意味で言ったわけじゃないんだけどな。」


「というと?」


「話せば長くはなるんだが…アイツの服って身軽差に適した服だろ。」


「ええ、そうね。やたらとボーイッシュな感じなのは間違いないわね。」


「そう。その辺だけなら特に気にはしない。けど周りからしたらアイツの体はいやらしく見えちゃうんだ。可愛いってだけなら話がつくんだけど。」


「成る程ね。聞いてると親心にも聞こえてくるわね。」


「親心ね。……単にそれだけだったら良かったんだが。」


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