結局ついてくる女主人公
一方その頃のアリシア達
「全くなんなのよアイツとことん私達の事を馬鹿にして…尚且つエロい目でみてた。ああもう鳥肌立つったらありゃあしないわよ。」
「ねぇアリシアさっきからずっとラクト氏の愚痴をばっかり言ってるよ。2人で行ってきて腹がたったから帰ってきたって…何しにいったのいったい。」
「アイツがおかしいのよ!コッチなら仲間として誘ってるのに何よあの態度。まるで私達の事を下から見るような態度をしちゃってさ、コッチはアイツの為に色々とやってやったというのに…」
「それが勝手にクエストを受けてでの、脅しによる仲間の介入か…俺だったら嫌だねそういうの…」
ロイぜとガイウスは一緒にチェスをしながらアリシアの愚痴を聞きつつ流してゲームをする。
「だったらガイウスならどうするのよ?あなただって私の案にはのっていたでしょう。」
「まぁな。でも俺は無理矢理仲間にする必要はねぇって思ってるよ。そういうのは本人の意思の問題だしな。」
「それは私だって一緒よ!でもルミナが我儘言うからでしょう。このままじゃ冒険するのに足止めくらって本当に私達が目指してるものに到達できないかもしれないのよ。」
「しかしそれにはやはりラクト氏の力が必要なのではありませんか?だからルミナはラクト氏が必要だと言って仲間にさせたがっていたじゃないですか。」
「ああ確かにあそこまで固執するというのが俺にもビックリだったな。アイツのああいった頑固さは昔から知ってはいたが、まぁあそこまでラクトに執着するとは思いもしなかった。それに乗っかってアリシアも協力する事になったのもまた面白い一面ではあったけどな。……よっ!」
「ほぅ〜そうきましたか。ですが…」
「な!?そんな手があったのかよ!だがまだ終わってねぇぞ!ここからが本番…」
ダン!ガシャンガシャガシャ!
「ああ!」
「な!?」
せっかくいい勝負になっていたのをアリシアは腹をたちながらチェス版に台パンして駒を全てひっくり返してめちゃくちゃにしてしまう。
「何他人事みたいに悠長にゲームなんてしてるわけ!私達のコレからの事なのよ!もっと気にかけなさいよ。」
「いや分かってはいるが、どちらにせよ俺達は色々と突っぱねてここにきたんだ。それもルミナが言い出した事だろうに…色々と準備がいるとか言ってどうしてここなのかもイマイチぴんと来なかったんだよ。」
「……神殿にある4つのキーストーンの事よね。私もそう思ったわよ。何でルミナはそうまでしてまでアトランティスロードへ早く行きたがっているのか…本当ならガーディアンロードへ行くのが1番近かったのに…でもあの子の言葉ならなって思って肩をすくめてOKしちゃったしね。」
「ですが、理論点的に別にどちらでもよかったと自分は思っていますよ。ガーディアンロードを後にして先にアトランティスロードの場所を調査する。簡単に手に入らない物資が見つかるというのもまたアトリエ師としてのさがだと自分は思いましたね。」
「単なる好奇心よねそれって…はぁ〜本当なら危険性を避けてでの旅だったのにどうしてこうなったのかしら……ん?そう言えばルミナは何処に言ったの?ここに帰ってくるまでは一緒だったのに途中から姿が見えないわね。」
「ああルミナの奴ならラクトの所へ行くって言ってたぞ。てっきり何か妙案でも浮かんだのかと思ってそのまま相槌をうったんだが…」
「ふーんアイツの所にね。………ってそれって何も妙浮かんでないわよ!単にアイツの所に行って一緒に行きたかっただけでしょう!まずいわよこのままじゃ私達を置いてけぼりにして2人で旅に出る可能性があるかもしれないわよ!」
「自意識過剰だろう。それならばルミナの部屋にある荷物事持っていってるって、アイツが必要な物はほとんど部屋にあったんだ。それはまずないって…」
「そうですよ。仮にそうだとしても必ず僕達に何か一言でもありますって…」
「ぷくーー!ならもういいわよ。私だけ跡を追いかけるからあなた達はそうやって、楽しくゲームをしていればいいわ。」
ダン!
そう言って勢いよくドアを開けて閉めて出ていくアリシア。
「どんだけ心配してんだよ。まぁ俺も心配をしてるっちゃ心配してるんだがな。」
「そう言えばガイウスらしくない平静を保っていますね。何か悪い物でも食べましたか?」
「いいやそういうわけじゃねぇんだが……ってお前何気に俺の事を馬鹿にしただろう。」
「いえいえまさかまさか。あははは。」
「笑ってんじゃねぇよ。……まぁ俺もアイツと話してあの店を見て思ったんだよ。ラクトも俺らと一緒の誇りを持ってるんだなってな。」
「誇り?」
「ああ、アイツの作った物を見ただろ?どれも珍しいものばかりだった。それを見てどんな細工で作ってんだろうなって見たんだが……どれも見た事のない工程で作られていた。」
「はぁ…わりとありがちな理由ですね。鍛治師とアトリエ師から作る細工に関しても工程が違うのは当たり前なんじゃないんですか?」
「だよな。俺もそう思ったさ…けどアイツが作るアトリエ師でのやり方は少し違う。魔導師としての才能もあるらしい。」
「魔導士ですか……確かにラクト氏ならばやらない事ではなさそうですが……うん?ですけど、魔道具で作る日常アイテムならば特にアトリエ師として錬金術師と大差変わらないはすだと思いますよ。」
「まぁな。だがそうなると俺も同じ境遇にもなりえるよな?」
「わはははは。……それはありえませんね。」
「思いっきり笑ってるのが腹が立つがその通りだ。鍛治師である俺にはそんな該当な真似はできない。だけどアイツは違う。魔導士としての素質もありつつ錬金術師としての才能がある。そんな奴がゴロゴロいてみろ。ヤバい事になるぞ。」
「ふむ。だとするとラクト氏はかなり貴重な人物ではあるかもしれませんね。まぁその辺についてはおいおい僕達もそろそろいきませんか?」
「だな。ああはいったもののやっぱり心配という意味合いでは変わらんしな。」
………アリシア達との話していた後のラクトとルミナ。
「うーん天候がだいぶ悪い方向へ傾いてきたわね。もう少ししたら大雨が降りそうかも。ラクト君もう少しペースあげられる?」
「いや、あの、その……はぁはぁはぁ。」
「もうラクト君ったら体力ないな。それじゃあ私達と旅をする時苦労するよ。」
「か、勝手に決めないで、もらえますか。」
というかペース配分がおかしいのはそっちだろう。何で率先して勝手に前に行って進んでるんだ。
コッチはOKとか一言も言ってないのに。
「あれ?てっきりもうOKなのかと思っていたのだけれど…」
「勝手に話を進めて勝手に進み出したのはそっちですよ。というかどう言う意味なんですか。」
「うん?何が?」
「何がって、僕達の目的が一緒って…そっちはもう別に黒曜石は必要ないでしょう。単なる僕を仲間に招き入れるための口実だっただけだというのに…いったい何の目的があるというんですか。」
「ああ〜その事ね。単純な話よ。私もあそこの場所に用があるのよ。主に神殿内だけどね。」
「神殿内?………!?まさかキーストーンの話ですか?」
「そう!よく覚えていたわね。その通り。ここにきたのも単なる旅の途中で寄ったわけじゃないのよ。ここへ来る為にある精霊種が私に言ってきたのよ。」
「精霊種だって!?」
ま、まさかあのゆるかわっぽい精霊種の事か?
外見はゆるかわっぽくって可愛いのが特徴だったんだが…物語を進むにつれて色々と本性を出してきたんだよな。
「あ、もしかして精霊種がどんな子なのか興味あるの?」
「え、ええ。可能であればここに呼び出す事はできますか?」
「勿論!じゃあ呼ぶからしかとその目で見ていてね。出てきて!エスカ。」
ヒュルルル!
グワーーン!
亜空間とも呼ぶべきか真っ黒な円を描いたようなブラックホールみたいなのを生み出して何もない場所から出現する精霊種。
しかし俺はその出現した精霊種を見て思っていたのと違った精霊種が出てきたのに驚く。
「あら?私に何かようかしら?ルミナ。」
「あ、あれ?」
「もうそんな用もないのに呼ばないでみたいな反応をしないでくれるかしら。たまには用もないのに呼んだりしてもいいでしょう。」
「必要最低限のエネルギーを消費したくないのよね。第1何で私が出てこないといけないわけ。本当めんどくさいったらありゃあしないわ。」
「ぬ、ぬいぐるみ?」
「あ?誰がぬいぐるみですって?」
「いやだって、見た目的にも完全にぬいぐるみじゃ…」
「もう一度言ってみなさい。あなたの口に裁縫ばりで縫い付けて2度と話せないようにするわよ。」
「それってもう一度っていう発言ができないんじゃないかしら。」
「あなたは黙っててなさい。」
おかしい。
愛らしいマスコットキャラみたいな精霊種が出現するのかとばかり思っていたが、見た目が悪いぬいぐるみの精霊種だと?
そんな事ありえるか?俺が知っている精霊種とはまた違った奴がでてきた。
それに……
「辛辣すぎる物言いだな。」
「ああ?あなたいったい誰なのよ。もしかしてルミナの彼氏か何?」
「もう!エスカ!初対面の人に向かって失礼だよ。この人は私の仲間になるラクト・クリューダル君。コレからあなたの言った神殿へと向かってキーストーンを回収しに行く所なのよ。」
「ふーん。……そう。」
そっけな!え?何コイツ全然可愛くない。
寧ろなんでこんなのが精霊種なのか逆に聞きたいっての。運営はこんなクソみたいな精霊種をもしかして組み込もうとしていたのか?
だとしたらその大失敗のやつがこの世界では当たり前にして出てきた。
マジかよ。
とんだ外れ口でこの世界に転生してしまったな俺。




