錬金術での義務感とコレからの自分の成長
とにかくまずはルミナ達を俺が必要としない仲間だという認識をしてもらうのが1番だな。
「コホン!え〜と皆聞いてくれませんか?その仲間にさせてくれるという提案大変喜ばしい事なんですが、あまりにも分不相応だと思うんです。ほら自分は日常的なアイテムばかりでしか作りませんしなによりも戦闘向きの錬金術師じゃありません。アイテムを作る魔法の付与や作成しか取り柄がないんです。プレデシアさん達にお眼鏡に叶う様な仲間は他にもたくさん…」
「そんな事…」
「そんな事ありませんよ!兄様は誰よりも優れた錬金魔法術師です。そんじょそこらの錬金術師や魔法使い等とは話も違いますよ!」
おい妹よ余計な事を言うんじゃない。
それを言ってしまったら誰かが勘づくだろうが。
「え?魔法錬金術師?あの魔法錬金術師の事を言っているの?」
ほらみろ。
アリシアが勘づいてしまったじゃないか。
「さ、さぁ〜何の事でしょうかね。うちの妹はシスコンすきるんで勝手に盛り上がってるだけだと思いますよ。」
「そうよね。あなたみたいなのが稀にいるかいないかで言われる錬金術と魔法を2つ使える人間なんてまずおかしいのだもの。もしそれが本当だとしたらどれぐらいの腕前なのか見せてもらいたいぐらいよ。」
そう本来ならば物を作るもしくは作成といった感じで錬金を得意とするのが俺の錬金術。
しかしそれに伴ってなのか魔法を付与させる事もどうやら俺にもできたらしい。
それにより俺はアクセサリー等のそういった装飾品だけじゃなくアイテムや日常品で使える物をより視野を広くする為に作りだしている。
所謂何処かの電気屋さんや物品屋さんみたいな形だな。
「ま、まぁ本当にそんな奴がいたりすればきっとプレデシアさん達のお役に立つんじゃないんですかね。」
まぁそのオールマイティみたいな奴が現れる仲間はうーんと先の話になるんだけどな。
「………」
「おうどうかしたのかロイゼ。」
「いえ改めて拝見させていただいたんですが、どれもコレも僕達が知ってる様な品物ではないなと思いまして…ましてや普通に作られるアイテムか何かの類似関係かとも思ったんですが、どれもコレも錬金術師の人だけでは作られたとは思えない付与がかかってます。錬金魔法による類いにも関係がありそうな形ではありますね。」
「ロイゼお前とアリシアは錬金魔法に関しては長けているんだからその辺に関して詳しいんじゃねぇの?」
「ふっコレだからガイウスは…錬金術師でもあなた鍛治専門の錬金術師でしょう。錬金魔法にもそれにともなる専門分野があるんですよ。属性に偏っていればある程度の読み取る事はできますが……コレは全て無から作られている為鑑定ができませんね。」
そう深読みをするロイゼ。
その通り俺が作ったのは全て一から錬金で作成させて作った物だ。
そこから属性での付与は重ねてでの作品になる。
つまり普通の錬金魔法を扱う者からしたらコレら全ての日常品は鑑定をするとアンノウンと出る。
作る工程に関してはさほど難しくない為教えれば作れる事もできる。
しかしそれをするにはまず俺みたいな2つ扱える術師がいないと駄目だ。
「いひゃひゃひゃ!にゃにをしゅるのですか!」
「今俺の事馬鹿にしたよな!絶対馬鹿にしたよな!」
ガイウスはロイゼの両頬を引っ張りながら高い高いみたいに持ち上げて器用に引っ張る。
それを側からみてちたアリシアは静止させるように止めにはいる。
「………コレ。」
ルミナはとある品を手に取り何やら眺めだし見つめ続ける。
「あ、それはお兄様が5番ぐらいに作ったアイテムですね。確か名前は…光玉でしたかね。」
「光玉……ねぇこの中に入ってる石って…」
「ああお気づきですか、その石は古代遺跡にあった石ですね。今では搬入に関してそこまで入荷が疎かになる事はないので2週間程度で搬入されます。」
「古代遺跡……ねぇラクト君!君の出身ってもしかして…」
「ああ僕の故郷はその古代遺跡の近くにある村なんだ。と言っても幾つかある村のうちの1つだからもう今では村の名前は覚えてはいないかな。」
「お兄様さすがにそれは酷くありませんか。それを聞くお母様とお父様が悲しみますよ。」
「あはは、でももう戻らないからね。あの人達には色々とお世話にはなったけれどやっぱり子どもが自立してくれるというのが親として1番幸せな事なんじゃないかって自分はそう思っているよ。」
「……お兄様。」
「……ラクト君。」
もしかしてラクト君はあの時私がラクト君を巻き添えてしまったからそんな負目を感じてしまったんじゃ……だとするならそれは間違ってるって正さないと。となるとやっぱりラクト君には一緒に冒険をしてもらうていで誘わないと駄目な気がする。
「ふんす!」
「……」
何だかルミナの鼻息が荒くなってふんすしている気がするんだが…もしかして仲間にして冒険にでも誘ったら村に里帰りしてくれる気持ちができるとでも思っているんじゃないだろうか。
嫌予感はたいていあたるからな〜というよりも色々と詮索されがちではあるんだがそろそろお引き取りをしてもらおうかな。
「さて、聞きたい事や鑑賞とかも色々したわけですからそろそろお引き取りお願いできますか?ここはお店であってギルドではありません。プレデシアさん達には退店してもらいます。」
「いやだいやだ!まだ何も解決してないもん!ラクト君!」
「あ、はい。」
「私にコレから付き合ってもらいます!」
「え?無理ですけど。」
「なんで!?」
「あの〜今お店開いたばかりなんですよ。」
「うん!」
「そしてここには僕しかいません。」
「妹のセピリアもいますよ〜」
「……こほん!ここでの商品を売り出しているアトリエ管理人がここにしかいません。」
「後ペットのボルちゃんがいま〜す。」
「ちょっと黙っててくれるかな。今大事な話の最中なんだよ。奥に行っててくれるか。」
ちゃかす妹を蔑ろにしながら奥へと引っ込ませ。
コッチの問題は早急に片付けさせる。
「ボルちゃん?……犬か猫でも飼っているの?」
「妹の言ってる事はひとまず無視してくれますか。今はコッチの話を聞いてください。さっきも言いましたがここでの責任者は僕しかいないんです。つまりここを放棄して何処かへ行くという選択肢はありません。分かりますかこの意味が…」
「でもまだ初日なんだよね!なら直ぐに問題なんて起こらないよ!」
「まだだからですよ。」
「え?」
「あなたもアトリエ云々に興味があるのでしたら、コレは覚えた方がいいですよ。誰かに自分が作った物を提供するもしくは渡す等そういった際に気をつける事…それはなんだと思いますか?」
「え?え?うーんとえーと…」
「はぁ〜ルミナそこは即答しないと。今の意図が分からないのじゃなくて単に言い方にたいする意味が分からないだけで答えられないんでしょう。」
「そ、そんな事ないわよ!ちゃんと答えられるんだから!」
「はいはい。でも彼の言ってる事に対しても何となく分かるわね。一商業令嬢としてその部分が大事というのも十分に理解できるわ。」
「ちょっと!私の話を無視しないで!というよりどういう意味よ!」
さすがはこのゲームに置いていずれあらやる所業地区を渡りに渡るお姫様だな。
正直俺としてはアリシアに自分の売ってるアトリエの商品の一部を宣伝してほしいというのがあったりするが…まだまだ駆け出しの身それをするにはまだ早い。
それに先生達の事を少し気掛かりしている所があるからその辺に関して何処か情報提供できる知り合いもできたらいいんだが……そこに関してはクエスト次第によっての話になる。
特に心配は要らないと思うしひとまず保留だな。
「そうですかあなたが理解してくれるのならもうこの話は終わりにしましょう。僕がここから離れられない理由もようやく分かってくれたみたいだしもういいですよね?」
「ふぅ…そうね。確かにそんな話を出されたらどうしようもないわ。皆んな今日はもう帰りましょう。」
「ええ!でもでも!私はラクト君が必要なのに!このまま何もしないで帰るなんて…」
「違うわ。何もしないで帰るわけないでしょう。そうね見たところ…」
アリシアは何やら店を満遍なく見定めながら何かを発見したのか納得したかの様な感じで勝手に頷く。
「まぁ正直わた私はあなたなんて要らないんだけど、ルミナがどうしてもって言うから特別に接点する場所を設けてあげるわ。」
「は?何を言っているんですか?別にそんなのいりませんが。」
「そうね今は必要ないかもしれないけれどきっと必要になるわよ。それじゃあ皆んな今日の所は帰るわよ。」
「ええ!でも!」
「お願いルミナ今だけは私の言う通りにして悪い様にはしないから。」
「うう…分かったわ。今だけアリシアの事を信じる。」
「ありがとう。ほらそこの馬鹿な男共いきますよ。」
「お、おう!って誰が馬鹿だ誰が!」
「因みに僕は馬鹿ではありません。優秀な鑑定士です。」
そう言ってアリシアの言葉に従ってこの店から出ていく4人。
いったい何に対して妥協してくれたのかサッパリ分からないがひとまず諦めてくれたって事でいいのか?
………
「ねぇアリシア今日はって事は明日もラクト君を勧誘しに行っていいのよね?」
「だめよ。明日は駄目明後日も駄目勿論明々後日も駄目。」
「ええ!じゃあやっぱり今から戻ってラクト君を仲間にしましょうよ!」
「だめよ。コッチには向こうの落とし穴を発見したんだからまたこっちから行ったら意味がなくなるわ。」
「え?落とし穴って何の事?」
「ふふ、1週間後になれば分かるわよ。」




