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2度と関わらない仲間達での裏切り

クルクル街のギルドハウス


「いやーまさかあのデカブツモンスターから難を逃れるとはさすがですね。」


「本当本当!いったいどうやってあの洞窟から脱出したんですか!それにお仲間さんも危険な状況だという話も聞きましたよ!」


「ふん!まぁ俺達冒険者にかかればあんなデカブツ倒さなくても直ぐに回避できて助かるというものさ!なぁロイゼ!」


「………」


しかしロイゼはガイウスの言葉に反応せずに真顔のままガイウスを睨みつける。


「あははは!」


ガイウスは高笑いをしながらロイゼの肩を組む。


(おいいいだろう。別に嘘はついてねぇんだから。)


(なにを言っているんですか。思いっきり嘘じゃないですか。僕達が助かってあの洞窟を脱出できたのはラクト氏なんですよ。そんなガイウスさんが何故高笑いしているのか僕にはサッパリ理解できませんね。)


(お前には分からないかもしれないが大人には大人の事情があるんだよ。建前でもカッコつけなければ示しがつかないだろう。)


(それならばラクト氏を褒め讃えてあげればいいじゃないですか。功績をたたえるのは彼こそ相応しいと僕は思っています。)


(ああ…そうしたいのは山々なんだが…)


ガイウスはこの状況に関してとても言葉が詰まるような思いをしながらラクトが凄い功績だというのを言いたくても言い出せずにいた。

何せこのばにいるギルド達の冒険者はほぼルミナという名前によって名のある冒険者で役得をえたいが為の行為をしているからなのだ。


「……はぁコレだから汚い大人は。」


「うん?今何かいいましたかな?」


「いや!何でもねぇよ!それよりもほら他に何が聞きたいんだ。他の事ならなんだって答えてやるよ。」


と上手く誤魔化すガイウス。

ロイゼの文句がある言い方を晒しながら先程の功績の話の続きをする。


「……全くどうするのよ。ウチのパーティが妙に名の知れた冒険者パーティになったらどうやって示しがつけられるっていうのよ。というより思いっきりアイツが原因なんだけどね。」


アリシア達はそのまま空気によって飛ぶ姿を街の人達に見られてしまい無事に仲間を助けられたというのととんでもない錬金術で作った品物があるというのに興味をしめしだした人達がよってたかり今ではルミナパーティは大人気の冒険者となってしまった。


「この部品が私達にとって邪魔にしかならないって言うのに当の本人には全然姿を現さない。ふざけるのも大概にしてほしいわね。」


「………」


そんな愚痴を溢しつつ何やらジュースのグラスを2つ持ってキョロキョロと誰かを探しているルミナを見かけるアリシア。


「なぁお嬢ちゃんもしかしてフリー?良かったら俺達と一緒にのまねぇ?」


「おいおいその嬢ちゃん今では話題になってる冒険者だぞ。お前にはあわねぇって。ガハハハ!」


「何言ってんだよ。()だけじゃなくてお前らも一緒って事だよ。この意味がわかんだろう。」


「へへへいいねぇ。そういう事だったのかよ。それなら話は別だな。」


「で?どうだ嬢ちゃん?」


「あ私他の人を探してるので結構です。」


「おいおいそう言うなって…」


ガシ!


「私の仲間に何ナンパしてんのよこのゲス野郎。」


ひ!ヒーーーー!


アリシアの顔を見て去っていく柄の悪い冒険者。


「な、何よ!人の顔を見るりヒィーー!はなくない!」


「いや今のは誰でも怖かったと思うよ。」


「る、ルミナまで…そ、そんな〜」


そんなハッキリと言われて落ち込むアリシア。

しかしそんなの全く気にしていないルミナはアリシアに質問をする。


「ねぇアリシア。ラクト君見なかった?ここについて後で戻ってくるって言って全然戻ってきてないんだけど…」


「ああ〜あの人の事ね。というかどうせ戻って来ないと思うわよ。」


「え!?何でそう思うの!」


「いや多分誰でも気づいてると思うわよ。あんなあからさまに去っていく彼の姿。よく思い出してみなさいよ。」


………ほんの少し前街に戻ってきたラクト達。


ガシ!


「良かった!本当に良かった!ルミナが無事で本当に良かった!」


「も、もう苦しいってばアリシア。私ならちゃんとここにいるんだからそんなに抱き付かなくても…」


「うんうん!本当に良かったぜ!俺ともハグをしてくれ!この心配の高鳴りを是非感じてほしい。」


「あ、それは嫌だから結構よ。」


「露骨に嫌がられた!」


「当たり前じゃないですか。男女でのハグはまた別ものでしょうに。」


そうロイゼに突っ込まれてしまうガイウスは更にガクリと項垂れ落ち込む。


「あ、あなた達!もしかしてあのダルタニア鉱山の洞窟から脱出してきたのですか!?」


「おう!受付嬢のお姉さん!俺達無事に仲間を助けて戻ってきたぜ。」


「立ち直りが早いですね。とても現金ですよガイウスさん。」


「まさかこんな短期間でお戻りになられるとはいったい何がどうなってるんですか。どうやってか凄腕冒険者さんを呼ぼうと考えていた矢先にまさかのこんな事が起こるとは思っていませんでした。どういう事か説明できますか。」


「いやえーとそれはだな。」


「あ、その事については()からお話しします。」


ここからは俺が説明した方がいいだろう。

さすがに4人にここまでどうやって脱出したかまでの経路は話せないだろうしな。


ラクトはひとまず洞窟であった経緯を色々と細かい部分を省きながら説明して受付のお姉さんに納得してもらう形にして無理矢理分かってもらうよう話す。


「………自然現象と度重なる運で上手く脱出できたという事ですか。あり得ませんね。」


…………


ですよね。そうなりますよね。

てか単に説明して納得させるという強引な手段が通じないというのは分かっていた。

となれば妥協点としてこう言わざるおえないなか。


「度重なる運というのは本当です。彼女達がいなければあの洞窟を回避できなかった。その点に関しては嘘偽りありません。だって自分は若輩者こ冒険者で彼女達は違うでしょう。と考えれば妥協点としかない気がしますけどね。」


「確かにその通りですね。度重なる幸運は本当に奇跡だとしても彼女達の実力ならば上手く切り抜けられてここまで飛んできだというのなら話は納得いきます。特に風の錬金魔法ならばそれでいけたりしますしね。」


残念だけれどルミナのメンバーにはまだ風の錬金魔法を会得しているのはいない。

しかしそれで空から飛んできたという理由で納得してもらえるならそれはそれで話が省けて楽だ。


「ち、違うんです!コレは彼のうっうん!」


しかしその先を言わせないようにしてなのかアリシアがルミナの口元を両手で塞ぐ。


助かるな理解が早くて。


「それでは皆様方コレからあなた方のあの洞窟でのご無事なお帰りとそれぞれが持ってきた鉱石コレを含めてお疲れパーティをしたいと思いますので是非このまま夕方まで待っていただければと思います。追って詳細を送りいたしますので。」


「うおおお!マジかお疲れ会か!いやー楽しみだな。なぁ皆んな!」


ガイウスもコチラの意図に気付いてくれたのか話を合わせてもらって上手く誤魔化す。


「はい是非みんなでやりましょう。ね?ラクト氏。」


「そうですね。是非ともみんなで参加させていただきます。また夕方にきますので。」


………


「って言ったきりあの人戻って来ないのは確定だったのよ。本当ならあの場でちゃんとここに戻ってくるという確証をえた証拠が必要だったのかもしれなかったわね。」


「そんな事言っても単に戻ってくるって形だったし私達もそれに同調しちゃってたもんね。」


「どうせこういうのがめんどくさいからとか考えていたんでしょう。だから私達になすりつけて自分は元の場所に戻るみたいな魂胆じゃないの。」


「それでも彼に助けられたという事実だけは変わらないよ。彼のおかげで私達は生き延びる事ができた。そこに関しては感謝しないとだよ。」


「はぁ〜本当にルミナはあの人に首ったけね。そこまであの人に惹かれる要素なんてあったかしら。」


「そ、それは!?べ、別にいいでしょう。誰が誰をどう好きになったって…」


誰も好きになったかどうかの話はしてないのよね。

こうも本能的に素直になるから男に関して気をつけてほしいのがあるのだけれど…


結局その日はラクトが現れる事なくギルドでのお疲れ会は終了し1日が経つ。


クルクル街の角のあるお店


「よし!できだぞ!俺だけのアトリエ!俺だけがここから始まるNEWLIFE!前世では最悪な死に方にはなったけれどここからは俺主軸でやっていくんだ。まずはアトリエで目新しい商品を作って…そこからどうやってアトリエ工房をデカくしていくか。やる事はまだまだ山積みだ。」


昨日は結局有耶無耶にさせてギルドには行かなかったからな。

アイツらも諦めて新しい旅に出てくれただろうしもう危ない目に会う事もないはず。

いやあったとしても切り抜けられるだろう。

心配な部分はあったりするがモブである俺が関わるのはどうあっても筋違いだしな。


「うむこんな場所で本当に客がくるかの〜お前さんのご要望通りにたてはしたが…些かメリットがあるようには思えんのだが。」


「爺さんそれはちゃんと俺の腕を見てから言ってほしいもんだな。明日から店の開店だから色々と物珍しい場所に物珍しい物がある。それをみた客はどんどんとここの評判を聞きつけてやってくる。」


「それで何故お前さんの腕がどうのこうのという話になるんだ?」


「俺がこの街でアトリエ職人としての名を爆ぜさせるという未来を持っているからだよ!」


「………」


いやそんな未来願望を言われてもな。

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