鉱山エリア・ダルダニア鉱山ミッション完了
カチンココチンカチンコチン!
グルルルルル!
ブン!ブン!
「え?今のどうして…」
「どうして?今の水浸しの状態で氷をはればああやってクロスさせてガイウスに攻撃をさせないようにしたんでしょう?あの毒沼に飲み込まれないようにね。」
ヤバいな。
想像以上に状況判断に長けている。
さすがは4人の中で周りの事をよく見ているわけだ。
「でもあくまでも攻撃を退けただけにすぎない。ここからどうするつもりなの?」
そして後の事もどうするかを考えてもいた。
ふぅ俺が操作しなくても十分にいいパーティじゃないか。
「ありがとう。コッチが指示出すよりも先に出す判断力。だいぶ助かるよ。」
「御託はいいのでさっさっとどうするのか言ってもらえるかしら?じゃないと私達はあなたの指示に従って全滅という事になりかねないのだけれど?」
顔は綺麗で可愛い癖にやたらと毒舌なのが腹が立つ。まぁ男性嫌いなら尚更ではあるがな。
ピコン!
「おっ!ちょうどいい頃合いかな。」
俺は簡易版のアトリエで作れる為の小型錬金釜のプラスチックの奴をウエストポーチの所に取り付けていてその中に空気を溜めていた錬金で作った酸素ベルトを入れてある物を作らせた。それが…
「何その丸っこいもの…」
「コレで一気に脱出できるはずだ。但しコントロールは自分自身になるけどな。」
「だからなんなのよそれは…」
「コレは空気射出だ。言ってしまえば空気によって上手く飛ぶ事ができる錬金道具。1人一個だから腰の背中につけてくれ。」
言われるがままにルミナ、ガイウス、ロイゼそしてアリシアは自分の背中の腰につけた。
「このまま街にまで戻るけれど俺の後にちゃんとついてきてくれよ。」
「ついていくってどうしたらいいんだ?操作なんてどうやったらいいか…」
「ガイウスの頭で考えたくはないだろうこういうのって…つまり体で覚える事だよ。」
「ギギギギギ!!」
「っとタイタンホイールがどうやら完全に切れてしまってるな。このまましていたら本当に全滅だ。みんな今取り付けたやつ真ん中のボタンを押したら直ぐに空気が出て射出する。そのまま一気に真っ直ぐに飛ぶからちゃんと空気の勢いにのって体のバランスを保ったまま移動したりしてコントロールするんだ。いいな!」
「いやそんな事言われてはいそうですかってなるわけが…」
「おう!わかったぜ!言ってしまえば直感だな!」
「うん。私も今ので何となくなく理解したかも。錬金術でかき混ぜた時のタイミング…その要領と同じくらいに考えればいいって事だね。」
「成る程つまり噴出される計算を踏まえて考慮すれば飛んでいる最中に上手く己自身でタイミングを掴めばいいとそういう事ですねラクト氏。」
「あなた達頭逝かれてるんじゃないの。」
「まぁ射出した時にそれをどうコントロールするかは自分次第だからまずは俺がお手本として見せる。その後に4人がどうやって使うかは自分次第ということで任せるわ。」
「そんな勝手なもし失敗なんてしたらどうする気なのよ!」
「こんな死にかけのタイミングで失敗なんて要素どうやったら考えられるんだよ。アリシア自身は死んでも構わないというのなら俺はそう思いたければ勝手にしろっていうけど、そうじゃないんだろ?」
「くっ!こんな状況をつくっておいて何を言って…」
「こんな状況だからこそなんじゃないのか?というか別に作りたくて作ったわけじゃないしな。思いっきりそっち側に原因があるとも言えるしもう半分は俺が悪かったというのもあると思う。」
「なら!失敗しないように最後まで見届けるのがあなたの役割なんじゃないの!」
「チッ!一々五月蝿いな。そんなにいうなら先にお前から射出しろよ!」
ポチ!
プシューーーーー!!
「え!?うそうそ!いきなりボタンをおすなんて!」
そんなあり得ないというような言葉を発しながら真っ直ぐに飛ぶアリシア。
そのボタンを押した後にラクトも続いて飛んでいく。
ビューーン!
「いやだいやだ!止めて止めて!」
「死にたくなかったら止まるな!死にたかったら止まれ!」
「なんなのよその選択肢!もう止まるなと言わんばかりの言い草じゃないのよ!」
ビューーン!
ビューーン!
2人はそのままタイタンホイールをすり抜けていきながら洞窟の中を進みながら出口へと向かっていく。
「よーし!私達もいくよ!」
ポチ!
プシューーーーー!
「おお!見た感じ面白そうだったしな!」
ポチ!
プシューーーーー!
「中々に興味深い体験ですねコレは…是非とも体験させていただきますよ。」
ポチ!
プシューーーー!
3人もまた2人の後を追ってボタンを押してとんでいきそのままタイタンホイールを追い越して洞窟を抜けていく。
しかしぶっつけ本番なのは仕方がないけれど、本来ならワイヤーとかの糸も必要でストッパーを用意するのが1番のベストだったんだが……生憎と巨人を駆逐していくみたいなマネはできない為そこまでのサポート系の錬金術は作れなかった。
というより今のアトリエではあまりにも材料不足すぎる。
早いとこ抜けてアトリエの建設を進まないといけない。
ビューーン!
ビューーン!
ザ!
ザザ!
「ちょ!ちょっと今にも地面に不時着しちゃいそうなんだけどどうすればいいわけこれ!」
「だぁ!もう世話のかけるおてんば娘だな!」
シュパン!
シュルル!
俺はアリシアにワイヤーガンを放ち体を巻きつけながら上へ引っ張って上手く態勢を整えさせながらワイヤーガンを戻しこのまま続行で洞窟を抜けていく。
「た、助かった〜」
「それよりもアリシア。このまま道を真っ直ぐいけば出られるんだな?」
「ええ、このままいけば何も問題なしに脱出できるわ。」
「妙なフラグ回収にしか聞こえないけれど…とりあえず何もない事を祈りながら突破しよう。」
「………」
何気に名前を勝手に呼んでくるんだけど…なんなのよアイツ。
ビューーン!
ビューーン!
ビューーン!
他の3人もひとまず無事についてきているな。
けどこの先には多分…
ズンズンズン!
「やっぱりそうだよな!ゴロゴロと周りの岩に向かって体当たりしてるよな!」
「ちょ!このままだと生き埋めになるんじゃないの!」
「問題ない。確かに周りの岩に向かって体当たりはしているが、このままいけば問題なく脱出できる。」
ラクトの宣言通り2人は難なくと洞窟から脱出しタイタンホイールの魔の手から逃れる事ができる。
ビューーン!
カコン!
プシューー!!
「ちょ!何であなたそこで止まってるのよ!」
勢いよく飛んでいくアリシア。
既に俺は飛ぶ為の装置の穴にそれを止める穴止めをつけて飛ぶのをやめて地面に降りる。
どうしてそんな選択肢をしたかというとまだ3人が上手く脱出できるかどうかの保証がない為自分自身はその場に留まりコチラに文句を言ってるアリシアの言葉を無視してそのままいかせる。
「アリシアは多分何も問題なしに街まで戻れるはず…後は…」
ズンズンズン!
ガシャン!
ガラガラガラガラ!
「頼む。早く出てきてくれ3人とも…じゃないと間に合わないぞ。」
そこまで距離が離れていたわけじゃない為そんなに遅く来るというのはないはず。
もう入り口があと少しで塞がっていく中3人が出てくる様子が全くない。
しかし…
ビューーン!
ビューーン!
ガイウスとロイゼは何とか間に合って脱出ができていた。
しかしまだルミナが出てくる様子がない。
「ルミナはまだなのか!」
「ルミナのやつちょっとばかりあの巨大モンスターが迫ってきてそれを足止めして出遅れてるんだ!頼むルミナを助けてやってくれ!」
そう言って俺の問いに応えるガイウス。
成る程状況的には間に合わない可能性が出てきたという事か…しかし今更洞窟の中に入ってルミナを助けに行こうとなればすれ違いで俺が逆に出られなくなる可能性がある。
そんな事をすれば支離滅裂になってしまう。
「………」
ズン!ズン!ズン!
最早完全に埋まってしまいそうな段階にまで来てしまった。
「くそ!こうなったらコッチからいくしか…」
ビューーーン!
「この音は!」
だがそんな瞬間に空気の噴出する音が聞こえもしかしたらと思い上まで積み上がっていた岩の上に俺は背中につけていた空気噴出機を使って上に上がり洞窟の奥を確認する。
「よ、よかった!間に合ったよ〜」
なんともまぁ情け無い声で無事に抜けられそうな段階にまで辿り着くルミナ。
本当にここまでのピンチで上手く切り抜けられるという主人公補正には大したもんだと褒めてやりたいよ。…けどな。
「完全にアウトなんだよ!」
後ろには迫ってくるタイタンホイールの群れ。
大きさはそこまで大きくなくまるで蟻の大群かのようにして転がってきておりルミナを標的にしているのかそのままゴロゴロと転がってくる。
「ふぇ〜〜大きなあのモンスターを対処していたら何故か巣みたいなのがあって、その中を刺激したらこんな事になっちゃったよ!」
「そんな事後報告は要らん!」
しかしアレが向かってきてもこの大岩を突破するのは無理だ。寧ろ今タイタンホイールががむしゃらに壁の岩に体当たりしているというが1番の問題なんだから…あの雑魚の群れのタイタンホイールは無視してもいい。でも時間的にアレを対処するには今の自分では無理。なので…
シュパン!
シュルルルルル
パシン!
「このままお前を引っ張りだして脱出するしかな手段はねぇよ!」
またもやここで役立つワイヤーガン。
そのままルミナの体に巻きつけスピードを早まらせ一気に洞窟の中から駆け抜けるルミナ。
そしてルミナはそのままギリギリのラインで上の落下石が落ちてくるタイミングで脱出しおれも続いて空気の機械を作動させ上の落下石に巻き込まれずに飛び立つ事に成功し俺達は見事この鉱石の洞窟ミッションを達成したのであった。




